我には青春ラブコメは不要   作:もよぶ

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第三話

次の日の放課後、新作ラノベ片手に奉仕部の部室へと向かう、無論ユイとヨシテルの冒険の原稿は鞄の奥底に突っ込んでいる状態だ、見せるわけにはいかないからな!

しかし部室前まで来るとドアから漂ってくる雰囲気がいつもと違うのに気が付いた。

比企谷と雪ノ下の声が聞こえる、なにやら真剣に話し合ってる模様。

「俺・・・・・・・」

「本気なの?・・・」

ドアに耳をつけて聞いてみると比企谷の声がした

「もう一度言う!俺は雪ノ下雪乃お前が好きだ、付き合ってくれ!」

「比企谷くん!」

 

えー先日書いた暗黒魔術師と氷の女王の下りかよ。

 

友人の告白を聞いて昨晩書いたラノベの内容や嫉妬やら羨望やら祝福やら色々な思いが頭をぐるぐる回るが

「由比ヶ浜殿はどこだ?」

これがまずはっきりと頭に浮かんだ

まさか我のラノベのように二人の仲を取り持ったのだろうか?

そっと扉を開けてみると窓際で抱き合ってる二人しかいない。

 

幸いこちらに気が付いていないようだが八幡も雪ノ下殿も発情しすぎじゃないですかね?

二人だけの空間というのか?周りに見えないバリア的なもの張ってそうな勢いである。

「しかしこれはまずい、これを由比ヶ浜殿に見せるのは非常にまずい、せめて二人が落ち着くまで時間を稼がないと」

その場をそっと離れて由比ヶ浜を探すことにした。

 

ちょうど階段を上がってくる由比ヶ浜を見つけた材木座、しかどうやって声をかけたらいいかわからなくてオロオロしていたら

「中二なにしてるの?」

由比ヶ浜から先に声をかけてきた

 

材木座は勇気と頭を振り絞ってなんとかこの場から連れ出す方法を考える

「ちょ、ちょっと由比ヶ浜殿にお伺いしたいことが、あ、ありましてな」

「え?中二が?私に?」

「え、えっと、は、八幡のことでちょっと…」

「え?ヒッキーのこと?んじゃ部室にいるんじゃないの?」

 

ものすごく怪訝な顔で言われてしまう、当然だろう、だって今考えたんだわけだし

「い、いや、本人には聞かれたくないというか、は、八幡のこと詳しく知ってるのは由比ヶ浜殿だと思ったもので、その…」

 

そう言ったら途端に由比ヶ浜の態度が変わった、なんだかすごくうれしそうだ。

「えへへーやっぱヒッキーのこと詳しいってそう見えるんだ…」

ちょっとムッとする、肝心の比企谷は現在絶賛二人だけの空間を形成中だ。

それを由比ヶ浜はまだ知らない、材木座の心に嫉妬心と黒い感情が湧いてくる。

 

「か、かか階段では、は、話しにくいのでいったん下まで、お、降りましょう…」

そういって一階まで降りる、降りてもどこで何を聞けばいいというんだろう、というか二人っきりなので異様にドキドキしてしまい先ほど湧いた嫉妬心も黒い感情も消えてしまう。

 

一階まで降りてそのまま歩く

「中二、どこまでいくの?」

さっきと変わってちょっと不安そうな顔になる由比ヶ浜

 

あまり面識ない男子から人気のない廊下を連れまわされてるわけだから不安になるのも仕方がないことだろう

「ん、んじゃ、こ、ここで…」

そうはいったものの何を聞けばいいのか?材木座は頭を振り絞って考えてたらそういやと思い出した。

 

「こ、この間体育で八幡と一緒になったときだな、『奉仕部は美人ぞろいでうらやましい、しかもおぬしあの二人から好意を向けられてるのではないか?』と我は聞いたのだ」

「ふーん、で?」

なんか興味が湧いてるのか由比ヶ浜が近づいてくる、無論目なんて合わせれないので視線は窓の外だ

「そしたら、『そんなのしらん』と行った後、ぼそっと『俺は…本物が欲しいだけだ…』と言ってたのだが、

由比ヶ浜殿はその意味についてなにかしっておれれるだろうか?」

 

我ながらナイスな記憶力だ。

 

「うーんそれなんだけど、なんとなくわかるようでよくわからないんだ」

なんと、既に公言しておったか八幡め、でもこれで話は通りやすい

「ヒッキーは今まで辛い目にあってきたみたいだし、自分から辛い目に会いに行くからそういうのが関係しているのかも…」

 

「つ、つまりどういうことなのであろうか?」

とりあえず場を持たせようと必死で声をかける

 

「うーんわかんない!、それより中二、その手に持ってるのってまたラノベ?ヒッキーとゆきのんに持ってきたんでしょ?」

 

材木座が手にしていた原稿を由比ヶ浜はさっと奪い

「はやくもっていこうよ!」

そうニコッと笑って行こうとするのを材木座は必死で止める

「ちょっ、ちょっと待ってくれぬか、実は由比ヶ浜殿のような女性を主人公にした小説を書こうと思っているのだが、女性の気持ちというのが良くわからぬので取材をさせてほしいのだが」

足止めしようと一気にまくしたてる

「んーいいよ、んじゃあゆきのんにも聞いた方がいいよね?早くいこ!」

そういってまた笑い走り出す。

 

「ま、まって…」

まずい、非常にまずい、さっきから5分と経ってない、これではあの二人だけの空間を形成している現場に居合わせてしまう可能性が非常に高い、最悪接吻なぞしている現場に居合わせてしまったら由比ヶ浜殿が立ち直れなくなるかもしれない。

焦る材木座、しかし由比ヶ浜の足は速く追く材木座は追いつけなかった。

「ヒッキー、ゆきのん、やっハロー」

おなじみの挨拶が聞こえ奉仕部の扉を開けている由比ヶ浜が見えた、しかしその動きは固まっている。

 

ばさっと由比ヶ浜が手に持っていた原稿が落ちて床に散らばる

「うそ…」

 

中から二人の声が聞こえる

「由比ヶ浜さん話をきいてくれるかしら」

「由比ヶ浜、話を聞いてくれ」

 

「きょ、今日は用事があったんだっけ、ごめん先に帰るね!」

由比ヶ浜はそう叫ぶように言うとこちらに向かって走ってきた

材木座はすれ違う時、ちらっと見えた由比ヶ浜の顔に涙が光っているのが見えた。

 

 

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