我には青春ラブコメは不要   作:もよぶ

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第八話

どうしてこうなった…

結局由比ヶ浜と一緒に行くことになってしまった。

目的は千葉港めぐり観光船、現在駅で待ち合わせ中である。

時間と場所は奉仕部に行った時に比企谷と雪ノ下に見つからないようこっそり紙に書いて渡してある、しかしこれって噂に聞くデートと言うやつではないだろうか?

 

数日前にこういう時どうしたらいいかさっぱりなので、八幡に頼ってみた。

「はちえもーん」

「気持ち悪い、よるな!」

「そういわないでくれよ~実はカクカクしかじか…」

例のラノベの内容や由比ヶ浜のことは伏せて親戚の女性と出かけることになったということにして説明する。

比企谷に正直に話しても良かったかもしれないがもしかしたらついてくるかもしれない、そしてラノベの件もばれるかもしれない、それは絶対避けたかった。

 

「おまえが親戚とはいえ女とね…ってかそんなん俺に聞かれてもわかんねーよ」

「八幡!聞けばおぬし由比ヶ浜殿や雪ノ下殿やその他色んな女性とデートを何度もしてると言うではないか!我なんか一度も無いんだ!教えてくれ!ください!」

「わかったわかった、そうくっつくなよ、つかそれ誰から聞いた?」

「禁則事項です(ハート)」

「うわ、マジむかつく、殴っていい?」

と泣いてすがったらあっさり折れてくれた、八幡マジいい奴

 

そんな感じで服装を整えて、作法も付け焼刃だが教えてもらったのでこれで大丈夫であろう!

あとは由比ヶ浜殿を待つのみだ!

腕組みして待ち続ける、さすがに1時間前は早すぎたか?

 

待ち合わせ時間10分前

「中二おまたせー」

由比ヶ浜がやってきた

「うむ!我も今来たところだ!」

お約束の会話を交わす、

「ゆきのんとヒッキーに内緒だなんてドキドキするね!」

「う、うむ、ラノベの件がばれると厄介なのでな」

材木座は巨漢であるため必然的に由比ヶ浜は上目使いになる、それにドキドキしてしまい目をそらしてしまう。

でもこんな会話ができるとは、生きていて良かったと思う材木座であった。

 

移動中なんか話をしたいと思ったが全く話題が出てこない

八幡は適当にしゃべればいいだろとか抜かしてたが、我の会話スキルを甘く見るなよ、まるでできぬ!

 

結局ほぼ無言のまま遊覧船へ乗ることになった、遊覧船は湾内を一周するだけなのだが何故かテンションが上がってしまう

狭い船の中をあちこちウロウロしてると

「中二、おちついたら?」

由比ヶ浜からお叱りを受けてしまった。

柵に寄りかかりブーンというエンジン音に耳を傾けながら湾内に建っている建物をぼーっと見る、

 

そういや取材がメインだったような気がするな、そんなことを考えてると

「あのさ中二」

由比ヶ浜殿から話しかけられる

「あの日、ヒッキーがゆきのんに告白した日なんだけど、中二はなんでヒッキーのこと聞きたがってたの?」

 

ギクリとする、アレはただの口実で好きな女性が悲しむところを見たくなかったなどと言えるわけがない

「それは…まあちょっと気になったのでな、本人もあまり言いたがらないみたいだったし」

 

「ふーん」

あまり納得してなさそうなまなざしを向ける由比ヶ浜

 

「んじゃあなんで奉仕部で暴れたの?ヒッキーもゆきのんも怖がってたよ?」

 

「それは…八幡の奴、由比ヶ浜殿のような女性を袖にするなど風上にも置けんと思ってな、あと八幡に雪ノ下殿と付き合う覚悟があったのか試したのだよ」

 

由比ヶ浜は、

「ん?袖?覚悟?」

と言ってる意味がわからないのか頭に疑問符がわいているようだ。こっちも深く突っ込まれるは勘弁なので

「由比ヶ浜殿、そんなことを聞いていったいどうしたのだ?」

先手を打って会話を切り替える。

「んーラノベのこと以外で中二がかかわってくるなんて珍しいなと思ってさ」

そういやそれだけのつながりだったなと材木座は改めて思う。

 

「じゃあさ、なんで屋上で泣いてたの?ラノベのことで泣いてると思ったけど見せてないんでしょ?あとなんて言ってたの?好きだとかなんだとか言ってたみたいだけど…」

またもギクッとする、わからぬだろうとは思っていたが実は聞こえていたんじゃないだろうか?

知ってて聞いているんだろうか?返答に詰まる

由比ヶ浜はじっとこちらを見ている、材木座にはまるですべてを知っているかのように思えた。

「いや、そのあの…」

どう返答したらいいか言葉を選んでいると

 

「きゃっ」

由比ヶ浜が軽い悲鳴を上げる、どうやらカモメが由比ヶ浜が持っているお菓子を狙って飛びかかったらしい

「由比ヶ浜殿!」

つい反射的に腕をつかみ抱き寄せそのまま柵から離れる、

「由比ヶ浜殿大丈夫か?」

腕の中でびっくりしたような目をこちらを向けて見上げている由比ヶ浜を見て

はっと気づいて離れる

「ごめん…」

「いいよ、中二、ありがとう」

彼女はちょっとだけ赤くなっていた、我もそうとう赤くなっていたと思う

恥ずかしさをごまかすため何かないかと周囲を見渡すと

ほかの客がお菓子をカモメに与えているのが見える、手から直接取る奴もいるようだ

 

「由比ヶ浜殿、カモメにエサ与えるの結構面白そうですぞ!」

そう我は言うと材木座はカモメが飛んでる方へお菓子を放り投げる

船と並走して飛んでるカモメが投げたお菓子を空中で器用にキャッチする

「おもしろーい」

由比ヶ浜はすぐエサを与えるのに夢中になって先ほどの会話は忘れてしまったようだ

「由比ヶ浜はアホの子だからお菓子とかあげとけば機嫌よくなるからな」

比企谷のアドバイスを思い出す

「あの時は少しムッとしたがなるほどその通りかもな」

無邪気にカモメにお菓子を与える由比ヶ浜を見てそう思った。

 

遊覧船の湾内一周が終わった後昼過ぎになっていることもあり昼食をとる

何故か由比ヶ浜から話しかけることが多くなっており、お通夜状態にならず助かった。

 

その後ゲーセンでプリクラをとることになった、プリクラなんぞ戸塚殿と八幡と撮ったものしかない、しかもあれ我はほとんど写ってない、今回のは由比ヶ浜とのツーショットだ、とても幸せな気分になるが、もうすぐデートはおしまい。

 

現在は帰りの電車の中だ。

 

特に会話らしい会話も無く

「んじゃあたしここだから」

由比ヶ浜は降りて行った。

 

発車する電車の窓から振り返り小さく手を振っている由比ヶ浜が見える、材木座も手を振りかえした。

 




実はこの観光船には乗ったことないです、すみません
他の土地の湾内一周の観光船には乗ったことがありますがお菓子目当てもカモメやらウミネコが猛烈群がってきてました。たぶんこれも同じだろうと思いそういう描写にしました、違ってたらごめんなさい。
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