我には青春ラブコメは不要   作:もよぶ

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第九話

奉仕部活動記録を手にした材木座はさっそくコピーを取って取材を開始しようとするが、人見知りであるため断念、結局由比ヶ浜を頼ることとなる。

比企谷と雪ノ下に知られたら何と言われるかわからないので由比ヶ浜にこっそり外の喫茶店で落ち合うことにした。

二人で記録を見ながら詳細を確認する、

「こういうのを逢引というのだろうか…」

「中二?ひき肉がどうかしたの?」

「いやそれ合挽き…まあよい、なんでもない、続けようか」

 

記録を見ながら色々質問をしていく。

 

「この時はヒッキーがね…」

「ゆきのんがこの時はがんばりすぎちゃって」

 

記録を見ながら話す由比ヶ浜はうれしそうで、時々悲しそうな表情になったり怒った表情になったり見ていて全然飽きなかった。

この時間は材木座にとってまさに夢のような時間でもあった。

由比ヶ浜は話が脱線しやすく案件一件につき数時間はしゃべる為まとめるのも一苦労

 

しかし活動記録自体それほどの量でもない、その為材木座はわざと引き延ばすようなことを言ってみたりしてなるべくこの夢のような時間を持たせようとした。

結局数日かかってしまったが材木座にとってはあっという間に過ぎたように感じた。

最後の案件の整理を終え由比ヶ浜に言う

 

「由比ヶ浜殿、長い期間お付き合いいただき申し訳ない」

「いいよ中二、あたしも楽しかったし」

こっちはドキドキしっぱなしだ。

「ちゃんとラノベの続き書いてね!すっごく楽しみにしてるんだよ!」

自分の稚拙なラノベを楽しみにしてるなんてあなたは神か、材木座は照れくさくなりながら言う

「う、うむ任せられよ、なるべく期待にそえるよう努力する」

 

「ありがとう、あとね…」

由比ヶ浜はちょっと照れて下を向きながら言う

「それにさ、ラノベ読んでるとなんか本当に中二と冒険してるみたいでさ、楽しいなーって…」

 

この娘は何てこというんだ。

こんなこと言われたらもっと好きになってしまう。

 

「わ、我も…楽しい、楽しく書かせてもらってる…」

材木座も照れて下を向いてしまう。

しばしの沈黙の後

「んじゃ、あたし帰るね」

 

由比ヶ浜が席を立つ

「我はもう少しここで作業をして行くが故、お気をつけて帰られよ、あと会計も任せよ」

「ありがとう中二、んじゃあね」

由比ヶ浜は少しだけ寂しそうにして帰って行った。

 

 

そんなこんなで整理した奉仕部活動の内容を元に原稿に向かう

もうユイとヨシテルの冒険がメインとなってしまっていることに苦笑しながら

いつものラノベと由比ヶ浜用と二本同時に書くことにする

 

由比ヶ浜用だけだと不信がられてしまうのでやはりもう一本は確実にいるし、手を抜くと二人による酷評が酷くなるので手も抜けない

書いては二人の酷評を受けボロボロになり、また書いてを繰り返す。

由比ヶ浜の笑顔に会えるのを心の支えにして頑張って書き続けた。

 

登場人物も、自分の部隊を強くしたいエルフの剣士サイカ、イケメンで人気者だが偽善的な側面がある聖騎士ハヤト、男のアンデッドのみを使役している死霊使いヒナ、あざといポーズで相手を魅了するテンプテーション使いイロハ、家族のため夜は危険な酒場で用心棒をしているサキ等々奉仕部活動記録や由比ヶ浜の話を聞くだけでキャラ設定がどんどん湧いてきて奉仕部に依頼された案件もアレンジして物語を進めていく。

 

由比ヶ浜からの感想は毎回廊下に出て聞くのもあからさまにおかしいので、奉仕部を抜け出してもらい図書館や喫茶店で聞くことが多かった。

また由比ヶ浜は話が脱線しやすく建設的な意見が出ることは少なかったが出た意見は採用するように心がけた、二人で物語を作っていきたかったということもある。でも二人っきりで話ができるということだけで材木座は大満足だった。

 

しかしとうとう受験勉強で皆忙しくなり、執筆活動も休むことにする

ユイ姫の冒険も終盤にはいっておりあと一本で最後というところまで来たので受験が終わったら仕上げることにした。

 

比企谷と雪ノ下は同じ大学に進むそうだ、由比ヶ浜も同じ大学に進みたかったそうだが学力が追いつかないということで、別な大学に切り替えたとのこと、自分はというと結局由比ヶ浜に対する片思いは口には出さず東京の私立文系へ進むことにした。

 

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