燃える翼の遊撃士(エレフセリア)   作:ChaffP

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第1話 「京都の夜に」

京都、花の都とも呼ばれ大昔日本の都も置かれたこともある場所である。

そんな歴史ある場所でその事件は起きた。

 

関西呪術協会の総本山近衛家のお嬢様、近衛木乃香が誘拐されたのだ。

話はその事件の途中から始まる・・・

 

時刻は夜、漆黒の空の中に月が輝いている。

そんな京都の夜の空を一つの影が走っていた。

 

影の正体は黒いローブを身に纏った男だった。

ローブの男は木の上で止まりそこから遥か前方を見下ろす。

 

「ん、あれか・・・」

 

そこでは二人の少女と奇怪な者達が戦っていた。

二人は背中合わせになり、

 

「修学旅行帰ったら剣道教えてよ、刹那さん。」

 

「えっ?い、いいですけど・・・。」

 

などと会話し、武器を構えて鬼達に向かっていった。

その時一匹の妖魔が素早く少女の懐に入り込み手にした剣を振るう、

 

「きゃ!」

 

ツインテールに結われたオレンジ色の髪の少女、神楽坂 明日菜は咄嗟に武器で受け流すが敵の攻撃は止まらない、

 

「なかなかやるなあ嬢ちゃん、しかし某は今までの奴等とはちと出来が違うぞ!?」

 

ついに防御が間に合わなくなり、攻撃を受けてしまう、

 

「む・・・烏族!?明日菜さん!!」

 

しかしもう一方の少女にも巨大な影が忍び寄り大きく振りかぶる。

 

「っ!」

 

鬼は手にした金棒を力強く振り下ろすした。

長い黒髪を片方に纏めた少女、桜咲 刹那は素早く手にした刀で受け流す。

 

「神鳴流の嬢ちゃんの相手はワシらや。」

 

(こいつらも別格か・・・マズイな・・・)

 

「む、危険だな、時間もない・・・助けてやるか!」

 

そう言うと男は跳んだ。

 

「流石にやるのう、だがな!」

 

鬼は金棒を振るう、刹那はそれを受け流して反撃を打つが受け止められる。

刹那は素早く間合いをとった。

 

すると子分鬼が大鬼の肩を叩き、

 

「なんか上から来やすぜ、オヤビン。」

 

「ぬっ・・・!」

 

「何!」

 

大鬼と刹那は上を見上げる、そこには月を隠す様にローブが漂っていた、そしてそのローブの男は戦いが起こっている場所の中央に降り立った。

 

「何奴!」

 

ローブの男は迫り来る妖魔の攻撃を往なして蹴り飛ばすと刹那と明日菜の方を向き、

 

「随分と苦戦してる様じゃないか、ここは俺が抑えてやる、行け。」

 

「なっ!貴様何者だっ!」

 

「安心しろ、敵じゃあない、ともかく祭壇に行け!」

 

しかし、そんな答えに納得できる筈もなく、

 

「そんな答えで納得できるか、何者だ、言え!」

 

そう言った次の瞬間、祭壇に光の柱が立った。

 

「あ、あの光の柱は!?」

 

「ほっほー、こいつは見物やなあ。」

 

光の柱は祭壇で鬼神の復活儀式が完了した証だ。

それを見るとローブの男は

 

「もう時間が無い、早く行け!お前にはやるべきことがあるだろうが!」

 

もう一度刹那に言った。

事の重大さを理解した刹那は明日菜に近づき、

 

「明日菜さん行きましょう・・・」

 

「え!ちょ、あのひとは?」

 

明日菜が言った後刹那は振り返り、

 

「任せていいんですね?」

 

「ああ!」

 

刹那は頷いた後背中を向け

 

「明日菜さん、行きますよ!」

 

「え?ちょっと待って!」

 

と言うと祭壇へ向かい走って行った。

次の瞬間ローブの男は妖魔の大群に囲まれた。

 

「貴様のせいで獲物が逃げてしまったではないか。」

 

「代わりに相手してくれるんだろうな?」

 

「ああ、存分に相手をしてやる!」

 

瞬間、周りにいた下級の妖魔が吹き飛んだ。

 

「な、なんだと!?」

 

「気当たりか!?」

 

「どうした、こんなもんなのか?」

 

「生意気なっ!」

 

「食らえい!」

 

妖魔は男に一斉攻撃を仕掛ける。

しかし、妖魔の攻撃は当たらず男はいつの間にか妖魔の後ろに回りこみ、

 

「遅い!」

 

拳に気を溜めて妖魔達に叩き込む、

 

「ぬぅ!」

 

「ぐぉぉ!」

 

妖魔が二、三体同時に吹き飛ぶ、

 

「獲物無しで我等とこれほど戦える者がいようとは、貴様何者だ?」

 

「さぁな、教える必要はない。」

 

男は回りを見渡し、

 

「どうした、まさか、もう終わりではないよな?」

 

「ぬぅん!」

 

烏族が切りかかる、その瞬間烏族の眉間を何かが貫き、頭部が爆発した。

 

「ぐぉぉぉ!新手か!ぬかったわ!」

 

そして何発か弾が飛んできた。

 

「これは・・・術を施された弾丸!何奴!?」

 

「ッ!」

 

男が振り返る、すると

 

「あれは誰アルか?」

 

「知らんな・・・。」

 

そこには古菲と龍宮真名がいた。龍宮はローブの男を見て、

 

「・・・とりあえず撃っとくか。」

 

銃を向けた。

 

「えぇ!ちょ、ちょっと待ったぁ!いきなり撃つのかよ!俺は敵じゃあない。」

 

「馬鹿め!隙ありぃ!」

 

その隙を見て妖魔が男に切りかかる、が

 

「ふん、甘い!」

 

男は咄嗟に身体を捻り回し蹴りを決める。

 

「おぉー、なかなかやるアルねー。」

 

「敵じゃない・・・ならば何者だ?」

 

「あー、さっきもそんなこと言われたな、とりあえず通りすがりのお節介焼きとでも名乗っておこうか。」

 

「・・・」

 

引金に掛けた指に力が入る。

 

「まぁ待て、敵じゃないのは確かだ、でも助っ人も来たみたいだし俺はそろそろ失礼するか。」

 

「ッ!待て!」

 

瞬間、男はその場から消えた。

 

「チッ、早いな。」

 

龍宮は周りを見渡したが男の姿はなかった。

 

「どこ行ったアルか?」

 

「知らん、・・・まぁいい、古、お前は人間大の弱そうな奴だけ相手くれればいい。」

 

「あ、バカにしてるアルねー。」

 

龍宮は目の前の敵に集中することにした。

 

そのしばらく後、全てが終わって・・・

 

男は林の中から祭壇を見つめていた、見つめる先には金髪の少女エヴァンジェリンがいた。

 

「なんだよ、闇の福音がいるなら俺の手助けはいらなかったじゃねぇか。」

 

次に刹那を見る、

 

「ま、久しぶりに顔を見られたからいいか、さぁて、帰るとしますか。」

 

そう言って男は闇夜に消えた。

 

祭壇にいた刹那は夜空を見上げて

 

(あの男は一体?まさか・・・)

 

などと思考を巡らせていた。

 

夜空には月が、いつものように大地を照らしていた・・・。

 

次の日

 

修学旅行最終日ネギ一行はエヴァの京都観光に付き合った後ネギの父親、ナギ・スプリングフィールドの別荘へと来ていた。

 

そこで刹那は木乃香の父親、近衛詠春と話していた。

 

「長、少し話が・・・。」

 

「ん、何ですか刹那君?」

 

すると刹那は少しためらい気味に、

 

「実は昨日謎の者が助けに来たのですが、彼ということはありませんか?」

 

それを聞くと詠春は困ったような顔をした、

 

「彼・・・ですか、可能性はあるでしょう、しかし今彼が何処にいるのか私にも分からないので何とも言えませんが。」

 

「そう、ですか・・・。」

 

刹那は残念そうに言った、そして詠春はもう一言、

 

「なぁに、彼なら心配いりませんよ。」

 

「そう・・・ですよね。」

 

青空を見上げて刹那は誰も聞こえないような小さな声でつぶやいた。

 

「義切・・・。」

 

と、一人の人を思い描きながら。

 

青空にはただ爽やかな風が吹く・・・。

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