燃える翼の遊撃士(エレフセリア)   作:ChaffP

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第16話 「麻帆良祭、開催・後編」

「おかえり、兄さん。」

 

「悪い、待たせたな。」

 

少し待たせて帰ってきた俺を嫌な顔一つせず迎えてくれる桜花、ちょっとトイレ行くつもりが予想外に時間が掛かった。

色々と見て回ったので時間は5時過ぎ、空も少し暗くなっている。

 

「桜花、あと行きたい場所とかあるか?」

 

この時間になると大体の出し物は閉め始めているが、出しているところはまだまだある。

 

「ん~、特に無いかな。」

 

「なら、俺の行きたいところ位っていいか?」

 

「うん、兄さんが行きたいとこならどこでもいいよ。」

 

桜花の了承を得て、目的の場所へと向かう、途中他愛のない話をしながらバスに乗り、着いたのは龍宮神社だ。

そこでは麻帆良武道大会の予選が開催されていた。

 

「まさか兄さん、これに出場するの?」

 

「まぁ、そう思ってるんだが・・・」

 

桜花がキョトンとした顔で聞いてくる、流石に女の子はこんなのには興味ないか、しくじったか?

 

「すごい兄さん!兄さんなら優勝確定だね!」

 

予想外に大満足のご様子、まあ喜んでくれる分には問題無いからいいか。

 

「なんだ義じゃないか。」

 

「ん?カズ!」

 

「あ、こんばんは、一騎さん。」

 

「おぉ、今年も来てたのか。」

 

声がする方を振り返るとカズがいた、桜花が元気よく挨拶する、

 

「お前も武道大会に出るのか?」

 

「もってことはカズ、お前出るのか?」

 

「まぁちょっと腕試しにな。」

 

この大会はスポンサーが超 鈴音に変わってから賞金の額も出場選手の質も驚くほど上がっている、だからカズは腕試しと言ったのだろう、

 

「まぁ俺もそんなところだな。」

 

カズや桜花にはそう言ったが、本当の目的は他にある。

 

 

 

 

「オ?義切クンネ」

 

「超 鈴音・・・。」

 

さっき桜花を待たせてトイレに行こうとして、その途中に超と鉢合わせした、相手の顔と言葉からも超にとっても予想外の出来事なのだと推測できる、丁度よかった話がしたかったんだ、

 

「丁度いいところで会ったな、話があったんだ。」

 

「フム、昨日の続きカネ?」

 

超が目を細めて少し口の端を吊り上げる、恐らく俺の答えは判っているのだろう、他人の思惑通りに動くってのは良い気持ちはしないがしかたない、俺自身が決めたことだ、

 

「そうだ、俺は・・・お前の計画に協力しよう。」

 

「ソレはとても助かるネ!ヨカタヨカタ。」

 

俺の答えを聞いた超は破顔したが、すぐに話を切り出してきた、

 

「デハ、早速協力して欲しいことがあるのだガ、いいカネ?」

 

「何だ、できる範囲なら協力しよう。」

 

そこで俺は武道大会のことを知らされた、いや武道大会自体は知っていたが、

 

「武道大会?あのショボイ大会のことか?」

 

「ウム、その武道大会をワタシが買収して規模を大きくしたネ。」

 

「武道大会に出るのは構わないが、それと計画のどう関係してるんだ?」

 

「規模を大きくしたことによって色々な達人が出てくるネ、そして魔法も無詠唱魔法までは許可するヨ。」

 

「なる程、計画の下準備って訳か。」

 

超の計画は魔法を世界中にバラすこと、武道大会において達人などの人間離れした闘いや魔法を見せられれば大半の人は、『こんな人達は実在するかも』『魔法ってあるかも』と思い込む、そうすれば強制認識魔法が発動された時、その人々は無理なく自然に魔法を信じるだろう。

さらに大会について不思議に思った人はすぐにネットで調べる、そこに少し情報を流してやれば一目散に食いつくはず、人は不思議や未知な物に敏感だからな、そうすれば放っておいても噂は広がっていくだろう、

 

「義切君は本当に話が早くて助かるネ。」

 

少し驚いたような顔をしながら感心する超、計画に協力するのに加えて色々な奴と闘えるっていうのは悪くない、

 

「わかった、武道大会に出よう。」

 

「助かるネ、なにか特別なことはしなくてもイイネ、ただ大会の雰囲気を盛り上げて欲しいヨ。」

 

「りょ~かい。」

 

 

なんてやり取りがあった。

勿論桜花はおろか刹那や木乃香様、カズにさえも俺が超に協力していることは教えていない。

 

「義切!」

 

またしても背後から誰かに呼ばれる、今日はよく名前を呼ばれる日だ、声で誰だかわかるがな、

 

「よっ、刹那。」

 

振り向き、声を掛けてきた刹那に軽く手を上げて挨拶する、その後ろには木乃香様や神楽坂さん、さらにネギ先生までいた。

 

「まさか、義切も武道大会にでるのか?」

 

「そのつもりだが・・・」

 

「刹那さん、木乃香さん、お久しぶりです!」

 

いきなり俺の影から桜花が飛び出して刹那と木乃香様に挨拶した、

 

「あ、ああ。」

 

「桜花ちゃん久しぶりやな~。」

 

刹那はいきなり桜花が出てきたのに面食らってるが、木乃香様は別段驚く様子もなく、普通に挨拶を返している、流石だ。

さらにその後ろからネギ先生と神楽坂さんが続く、

 

「義切さん、こんばんは。」

 

「こんばんは。」

 

「こんばんは、ネギ先生、神楽坂さん。」

 

すると桜花は次にネギ先生に目を付けた、

 

「誰この可愛い子?」

 

「噂の子供先生、ネギ・スプリングフィールド先生だよ。」

 

「へぇ、本当に10歳なんだ、偉いね~。」

 

「あ、ありがとうございます・・・」

 

桜花はネギ先生に近づくと頭を撫で始めた、ネギ先生は顔を赤くして照れているのがわかる。

あ、神楽坂さんが少し面白くなさそうな顔してる!早く引き離さなければ!

 

「桜花、そろそろ・・・」

 

「う~ん、ちっちゃくて可愛いけど、兄さんの魅力には負けるかなぁ。」

 

「桜花!」

 

人様のいる前でなんてことを言い出すんだこの娘は、早く引き離そうと語気を少し強くすると渋々ネギ先生から離れた。

 

「ん、兄さんって?」

 

桜花がさっき言った一言に神楽坂さんが反応する、まぁ説明しようと思っていたところだし、ちょうどいい、

 

「あ~、俺の妹です。」

 

「漆川 桜花です、はじめまして!」

 

「義切さんって妹いたんですね。」

 

「えぇ、まぁ・・・」

 

「神楽坂 明日菜よ、よろしく、桜花ちゃん。」

 

『まもなく麻帆良武道大会の参加締め切り時間です、参加なされる方は窓口へお越しください。繰り返します・・・』

 

色々話しているうちに時間がたったのか備え付けられたスピーカーから受付嬢らしき人の声が響く、ヤバい早くエントリーしなければ、

 

「時間になっちまう、早く申し込み行こうぜ。」

 

「あぁ、そうだな。」

 

「アスナさん私たちも行きましょう。」

 

「そうね刹那さん。」

 

「いくで、ネギ!」

 

「うん、コタロー君!」

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