この話からスパロボOGのキャラが出ます、ご注意ください。
快晴の青空と爽やかな風、温かい陽気の五月のある日
学園の外れに建っているログハウス、そんな一人暮らしをするには幾分と大きい家で義切は一人で住んでいる。
義切は毎朝五時に起き、顔を洗って台所へ向い朝食と今日の昼食の弁当を作る。
一人暮らしの為食事は基本毎食自炊だ、朝食を食べ終わった後身支度を整えて家を出て学校へと向かう。
このとき時刻は六時半。
家から男子中等部まで歩いて約二十分程度掛かる、早朝のこの時間だと学校へ向かう途中に教員とよく会い、
「おはようございます。」
「おはよう漆川、今朝も早いな。」
などと挨拶を交わしながら学校へ向かう。
昇降口で靴を履き替えて教室へ入り自分の席に着くとき時刻は七時前後。
教室の中には誰もいない、この時間に登校している生徒のほとんどは部活動の朝練習か学校の図書館で勉強しているが大半は前者である。
義切はかばんから本を取り出し読み始める。
あっという間に時間は過ぎ、教室内に居る生徒も多くなってくる、教室内が騒がしくなってきたので義切は本を読むのを止めた。
「おう、義切。」
「おっす、おはよう。」
入って来た生徒としばらく会話を交わしていると担任の先生が教室へ入って来る、
それを見た日直の生徒は号令を掛けて朝のホームルームが始まった。
「もうすぐ中間試験だが中間の後には学園祭があるのでうちのクラスの出し物はできるだけ早く決めておくこと、えーとあとは連絡事項は特にはないな、以上。」
出席を取り、連絡事項を言って朝のホームルームは終わった。
義切は一時限目の用意をして席に着いて友人と会話をしていた。
時は流れて六時限目も終わり帰りのホームルーム後・・・
クラスの委員長が黒板の前に立つ、
「それじゃあ、今年の麻帆良祭の出し物を決めたいと思う、もちろん部活等々の出し物がある場合はそちらを優先して構わないが、何か案はないか?」
途端に教室の中が騒がしくる、パーラーと言う声から展示、お化け屋敷など、生徒の希望する案が入り混じる、
「えーと、とりあえず落ち着いてくれ、いま黒板に書くから。」
そして黒板に挙げられた案を書き多数決を行う、結果・・・
「じゃあ出し物はパーラーで決まりだな、明日はパーラーの名前を決めるからなにかいい名前考えといてくれ。」
と言って委員長はそそくさと帰ってしまった。
「俺も帰るかな。」
と言って廊下に出ると後ろから声が聞こえてくる、
「よーしーぎーりー」
後ろを振り向くと友人の一人である男子生徒が泣きながら近づいてきた、
「課題手伝ってくれぇ、終わらないんだぁ。」
「手伝うのはいいが、見返りは?」
「ジュース一本。」
「二本だな。」
「仕方あるまい。」
「お前何様のつもりだ。」
義切は呆れながら手伝うことにした。
「ここやってけろ~。」
「因数分解くらい自分でやれ!」
終わった頃には午後六時を過ぎていた、
「まったく、お前のせいでもうこんな時間じゃねえか。」
「悪い悪い、でも助かったよ、じゃあな。」
「ジュース二本、忘れんなよ?」
帰る方向が違うのでその友人とは昇降口で別れる、
「げっ、雨降ってんじゃん!」
「本当だ、俺は置き傘があってよかったぜ。」
友人は鞄を傘代わりに頭に乗せ走って帰っていった。
義切は置き傘を手にとって差して帰路についた。
帰り道を歩いていると雨の中、木の下に人影が見えたが様子がおかしい、帰宅途中で傘を持っていないときに雨に降られて木の下に避難するのはおかしい事ではないが、その場合は木に背中を向けて空模様を覗いたりするのが普通だ、しかしそこにいる人は木の方を向き俯いていた。
誰だか気になったが雨が降っているせいでよく見えない、背丈と着ている制服から察するに女子のようだ、しかしここは女子寮から結構距離がある、女子が一人で居るなどますますおかしい、近づいてみるとその背中と髪型には見覚えがあった、
「刹那・・・か?この雨の中、傘も持たず一人でこんな所で何してんだ?」
ゆっくり刹那が振り向く、
「義・・・切?」
「っ!お前・・・!」
刹那の目には涙が溜まっていた、そして義切を見た瞬間、涙腺が緩んだのか溜まっていた涙が零れる、
「うわぁぁぁぁ!」
「えっ、ど、どうした!?」
刹那は義切の胸に泣きついて来た、
「何があったんだ?」
義切が聞いても刹那は答えず泣きじゃくっている、
こうゆう時女の子は凄く小さく感じる、刹那はあまり背が高くないので尚更だ、
「はぁ、仕方ねぇなぁ。」
義切は困った顔をしながら濡れないように傘を刹那の方に傾けながらしばらくそのままでいた。
(何があったのかは分からんが何のことについてかは大体の予想はつくな。)
「あー、とりあえずここじゃ濡れるし俺の家来るか?」
刹那は無言で頷いた、義切の家への道中刹那はずっと義切の腕を握っていた。
(こんなところを誰かに見られよう物なら終わりだな。)
ログハウスに着き中に入る、
「びしょびしょだな、シャワー入るか?」
「・・・ああ・・・。」
(大分落ち着いたな、さて・・・。)
刹那がシャワーに入っている間に義切は着替えてソファーに座っていた、しばらくしてシャワーから刹那が出てきて義切の正面のソファーに座った、
少し間が流れたが、義切が沈黙を破った、
「んで、一体何があったんだ?」
「………。」
「話したくないならいい、無理に聴こうとは思わないから。」
「……実は……」
ゆっくりと刹那が訳を話し始める、
それは今日の昼休みの事だった・・・
3-Aのクラスで占いの話が持ち上がった、
そこで占い研究部の木乃香がクラスの皆を占う事となった、
そして刹那が占ってもらうが出てきた結果は近いうちに刹那の大切のものに不幸が訪れるというものであった、
その結果に過敏に反応してしまった刹那はそれから半ば木乃香を付き纏うような形で木乃香の近くにいた、
そのあまりのしつこさに流石の木乃香も激怒してしまった。
「それで、木乃香様に拒絶されたと思ったのと自分の間違いに気付きショックで寮を飛び出してあんな所で泣いてた訳か。」
刹那が頷く、
(あー、頭いてぇ、よく占い一つでそこまで過敏に反応できるよなぁ。)
片手で頭を抑える義切、
「まぁ、そんなことだろうと思ってたけどな、それは早めに謝った方がいいだろ、そのときはフォローしてやる。」
義切は立ち上がって台所に向った、
「とりあえず腹減っただろ、今作るから待ってろ。」
刹那は何も言わずに俯いている、
「ここにいるのは構わないが、同じ部屋の真名ぐらいには連絡しておいた方がいいぞ。」
「・・・ああ・・・わかった・・・。」
夕飯を食べ終わった後も刹那はしばらくリビングにいた、義切は変に声をかけることはしなかった。
次の日・・・
義切はいつも通り五時に起き、朝食を食べ、準備をして玄関に向かう、そこには義切の靴ともう一つ小さな靴があった。
その靴が目に入り、ふと刹那の事が心配になるが、すぐにその考えを頭の外へやる。
(あいつ自身の問題だ、あんまり俺が干渉しちゃいけないな。)
義切はいつもの通り学校に行きあっという間に六時限目が終わって帰りのホームルームになった。
今日はパーラーの名前を決める話し合いをしているが、義切は窓から空を見つめている、
「おーい、義~?」
「えっ?」
「えっ?じゃないだろう何回も呼んでるのに。」
「そ、そうか悪いな、それでなんだ?」
「パーラーの名前だが、意見はないか?」
「うーん、特には無いなぁ。」
「そうなると、これになってしまうんだが・・・。」
黒板には『熱血!男の飯屋』と書かれていた、
「・・・少し待ってくれ、一分で考える。」
流石にその名前は容認出来なかったので代わりの名前を考えることとなった義切だった。
その日の帰り道で一人ため息をつきながらあるく義切、
「ふぅ。」
そのため息は勿論、刹那を心配し、学校でそれを面に出してしまったことへの反省のため息だった、そんなことをしてるうちに家に着き、玄関のドアを開けようとしたそのとき、
Trrrrrrr・・・
電話が鳴る、
「ん、誰からだ?」
携帯を開いて相手を確認する、電話の相手はネギだった、
「はい、もしもし?」
「もしもし、義切さんですか?」
「どうしましたネギ先生?」
電話に出たまま玄関を開けて中に入る、
「今日刹那さんが休みだったのですが何か知りませんか?」
すると中から刹那が出てきた、義切は目を丸くして驚く。
「あー、目の前にいます。」
「えっ?」
義切と刹那はリビングのソファに向かい合って座っていた、
「別に、学校行かなかったからどうしたと言うつもりはないが、今日一日考えて答えは決まったか?」
「いや・・・まだ・・・。」
「そうか、じゃあゆっくり悩んだらいいさ、別にいつまでも居ても構わないからな。」
「いや、迷惑になるから・・・。」
「迷惑じゃないさ、いつも一人だからな、逆に人がいたほうがいいと思ってるぐらいさ。」
「すまない、ありがとう。」
「さて・・・。」
と言うと義切は立ち上がり台所へ向かう、
「朝食は作っといたけど、それから何も食べてないようだから腹減っただろ、今何か作るから待っててくれ。」
そう言って義切は台所へいく、
「あっ・・・。」
刹那が止めようとするがその前に義切は台所へ行ってしまう、そして・・・
「なんじゃこりゃあ!?」
そこにあったのは生ゴミの山だった、
「いや、さっきお腹が空いたから何か作ろうとしたんだが失敗してしまって、その・・・。」
義切は頭を抑えた、刹那は顔を赤くして俯いている、
「すまない・・・。」
「・・・いいよ、ちょっと買ってくる。」
義切は財布をもって買い物へいった。
二人は夕食を食べ終えてお茶を飲んでいた、すると、
Trrrrrrr・・・
本日二度目の電話が鳴る、
「はいはい、誰からだ?」
電話をとる、相手はまたしてもネギからであった、
「もしもし。」
電話に出たが何か様子がおかしい、何かあったようだ、
「どうかしたんですか?」
義切が聞くとネギは焦った口調で事情を説明した、
「なんだって!木乃香様がさらわれた!?」
「!」
驚愕して大声をだす義切、その声に刹那が反応する、
「はい、すぐ行きます。」
義切は電話はを切ると刹那が寄ってくる、
「今の話・・・」
「ああ、置手紙があったらしい、ちょっと待っててくれ、すぐに着替えてくる!」
義切が戦闘の際の正装に着替えて朧火を持つと二人は走って寮の明日菜、木乃香、ネギの部屋に急いだ。
ネギと明日菜が机の上に置いてあった置手紙を見ていると部屋のドアが開いて義切と刹那が入って来た、
「義切さん!それに刹那さんも!」
「遅くなってすいません、例の置手紙は?」
「これです。」
ネギが置手紙を渡すそこには・・・
近衛木乃香嬢は預かった、
返して欲しくば漆川義切が西の並木の道に来るべし、
と書かれてあった、
「たまには外で夕食を食べようって部屋を出た後に、忘れ物したっていって木乃香が部屋に戻ったんだけど、なかなか出てこないから部屋に入ったら木乃香がいなくなってて、この手紙が・・・。」
明日菜が今までの状況を一通り説明する、すると義切は部屋を出て行こうとする、
「行くんですか!?」
「ええ、手掛かりがこれしかない、行くしかないでしょう。」
するとネギと明日菜が立ち上がる、
「僕も行きます!」
「私も行くわ!」
「わ、私も!」
ネギ、明日菜、刹那は一斉に答えた、しかし義切は首を振る、
「相手は俺を指名している、それに何があるか分からない。」
義切は手紙を手に取り話を続ける、
「普通の誘拐だっていうのならば、場所を指定したりしないし、お金などの要求を一緒に書くものだ、しかしこの手紙にはそれが無い、つまりただの誘拐ではない、恐らくは魔術師が絡んでいるんだぞ。」
ついて来ないように促すが三人は梃子でも動かないような顔をしていた、
「・・・やれやれ、仕方ないな。」
並木道には結局四人で行くこととなった。
道は義切一人で走り、ネギ達は物陰に隠れながら進む、
そして、並木道に着くと一人の赤髪の男がいた、
「貴様が木乃香様をさらった奴か、」
「正確には俺じゃない、もう一人の方だ、これがな。」
義切は冷静に男を睨み身構えた、
「・・・おまけが付いて来たようだな。」
男はネギ達が隠れている方向を見た、
ネギ達は驚いたが、ばれていることが分かると三人は構えながら出てきた、
男は軽く笑った、すると後ろからローブを纏った男が出てきた、
「あれの調整は終わったのか?」
「殆ど終わったところだ、それに奴等を一目見ておこうと思ってな。」
ローブの男は義切達を見た、
「ほう、いいサンプルになりそうだ、では飛ばすとするか、足止めは頼んだぞアクセル。」
アクセルと呼ばれた男は笑って任せろと答えた、
ローブの男が手を義切達の方に向ける、すると手から光が発し周囲を包み込んでいった。