燃える翼の遊撃士(エレフセリア)   作:ChaffP

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大分おくれましたが、投稿させていただきます。



第7話 「休日」

ある土曜日の昼下がり、義切は部活動には所属していないので土曜日は実質的に休みであった。

 

義切とレイはお茶を飲みながらテレビを見ていた、二人が観ているのはお笑い番組である。これはレイたっての望みであり、レイ曰くお笑い以外の物は大昔レイが生まれた時からあるもので、ニュースは瓦版、ドラマは詩や俳句がそれにあたるらしい、お笑いは落語があるのだが、レイが活動できた範囲は生まれた山と精々山の近くの村が限界だった、勿論小さな村に落語の文化など入って来ることはない、故に今まで触れたことのないお笑いという文化に興味津々なのである。

義切もお笑いは嫌いではないので休日は二人でテレビを見てることが多い。

ふと時計を見た後に義切は立ち上がる、

 

「俺はそろそろ出掛けるがお前はどうする?」

 

「私はいい、留守番しとるよ。」

 

レイの言葉にそうかと返事すると軽い支度をして義切は街に出た。

 

街をしばらく歩き回った後裏路地へ入って行く、進んでいくと暗いが少し開けた場所に出る、そこに一軒の建物が建っており義切は中へ入った、建物の中は飲み屋のようにカウンター席とテーブル席があるが今は誰も居ない、カウンターの向こうには男性が座りながら新聞を読んでいたが、義切が入ってきたのが分かると新聞を読むのを止めて挨拶する、

 

「いらっしゃい、義切君。」

 

「あぁマスター、例の奴は届いているかい?」

 

マスターと呼ばれた男性は頷くとカウンターの裏から直方体の箱を取り出してカウンターテーブルの上に置く。

この店は表向きは飲み屋として営業していが、裏では魔法関連などの裏社会に関する情報屋である。

更に普通の手段では運べない物品の受け取り所としての側面も持っており利用客は多い。

そしてそんな所に持ち込まれた物もやはり普通ではなかった。

義切が箱を開けると中には一通の手紙と一丁の拳銃が入っていた。

俗にハンドガンと呼ばれているその銃は、鉄紺色を基調として鈍い金色の装飾を施したものであった。

手紙を開けると人の姿が映る、その人、白衣を着て眼鏡を掛けたいかにも研究者のような女性、名前はテトラといい遊撃士協会の兵器部門の技術者であり、この拳銃を造った人物である、

 

「この手紙が開かれているということは無事に届いたようですね、今回はあなたの要望通りに作らせてもらいました、今からざっと説明させていただきます。まずは外装全てにトラコニュウムを使わせてもらいました、これにより生半可な刃では傷一つ付かないでしょう、次に出来る限り銃身を詰めて取り回しの良さと連射性を上げました、またハンマーやマガジン投入口などを磨き上げ弾詰まり防止やスムーズなリロードも期待できます、トリガーの横のレバーは安全装置の他に実弾と魔法弾を使い分けるスイッチにもなっているので気をつけて下さい。

説明はこれくらいです、あなた専用の銃ですから使いこなせるでしょう。」

 

そう言うと映像は消えた、よく見ると下に何か書いてある、

 

追伸、もう一つの銃はもうしばらく掛かります。

義切は手紙を箱にしまうと代わりに銃を取り出して壁に向かって構える、

その銃は前々から義切が技術部に製作依頼を出していたものであった、新品であるのその銃の表面は磨き上げられ艶に反射された店内の光が一層それを美しく見せている、それでいて手にしっくりくる感じは技術力の高さを物語っていた。

 

「かなりいい感じに出来上がってるな・・・」

 

その様子を見てマスターが口を開く、

 

「その銃、名前はなんて言うんだ?」

 

義切はもう一回手紙を手に取るがそこには書いていない、箱を見るがそこにもそれらしき文字は書いていない、ふと銃を見るとグリップに文字が彫ってあった、

 

「アクイラ(aquila)・・・」

 

「いい名前じゃないか。」

 

義切は銃を箱に戻してマスターに向き直る、

 

「うん、いい銃だな、また今度仕事を頼むよ。」

 

そう言うと、代金を払い挨拶すると箱を持って店を出た。

 

時間は少し早いが夕飯の買い物をすることにして商店街へ向かう、そして商店街にある行き着けの肉屋に寄る、

 

「おう義切、いい肉仕入れてるよ!」

 

「じゃあ買っていこうかな。」

 

ステーキ用の肉を今日の夕飯と平日の弁当の分とたっぷり五人分買っていき、更にスーパーに寄り野菜と果物を買って帰宅することにした。

 

 

「ただいま~っと。」

 

「あぁ、おかえり~。」

 

帰ってきてまだテレビを見ているレイに挨拶をし、台所へ行き夕飯の下準備し始める。

 

下準備があらかた終わった後持って帰ってきた箱を持って家の中にある扉の一つを開ける、そこには階段が地下へ続いていた、階段の先にはもう一つ扉がありその扉は少し広い部屋に繋がっていた、部屋に入り電気を点けると薄暗い部屋の全景が見える、部屋は長方形の形をしており、カウンターテーブルのようなものがあり、扉から机を挟んではるか向こうに人の形をした的がある、この部屋は射撃訓練場であった。

 

なぜそんなものがあるかというと義切はもしもの場合自分の家を拠点として使えるように最初から計算してこの家を作っていて、この様な部屋がいくつかあり、人が寝泊まりする部屋も二人で住むには有り余る程の量がある。

 

机に箱を置き、アクイラを取り出し、目をガードするゴーグルと耳をガードするヘッドホンを装着してアクイラのグリップを右手で持ち、それを支えるように左手を添える、そして的を見据えた。しばらく射撃訓練した後ゴールドを置いてヘッドホンを取る、室内にある時計は7時を指していた。

 

「ふぅ、確かに連射性と取り回しは良いが銃身を切り詰めてあっから反動が強いな、慣れるまで暫くかかるか。」

 

すると狙いすましたかのように射撃訓練場の出入口の横にある、インターホンが鳴り始める、義切はインターホンに近づいって通信にでる、

 

「あいよ、どうしたレイ?」

 

「珍しく来客だぞ。」

 

それを聞いた義切はゴーグルを置き、急いで階段を上がっていった。

来客があった場合は基本義切が出る、家主であるし学校の敷地内である為義切の知り合いが来る可能性がある、そんなときに義切の家から義切でない人、しかも女性が出てきたとなればややこしい事態になりかねないからである。

 

「はいはーいっと・・・」

 

玄関を開けるとそこには見知った顔があった、

 

「よっ。」

 

「こんばんは。」

 

「は・・・?」

 

目の前には金髪の背の低い少女と緑色の髪をした少女・・・

エヴァンジェリンと茶々丸であった。

 

 

「・・・で、来てもらった客にこういうこと聞くのはアレなんだが、一体何しに来たんだ?」

 

机を挟んで義切とレイの対面のソファに座りお茶を飲むエヴァンジェリン、茶々丸は後ろに立っている、

 

「いやなに、少し暇だったので遊びに来たというわけだ。」

 

「遊びにって・・・、てかよく俺の家がわかったな?」

 

「そちらは私が調べました。」

 

「そ、そうか。」

 

茶々丸の言葉を聞いて引きつった笑いを浮かべる義切、レイは我関せずといった感じでお茶を飲んでいる、少し会話を交わした後義切は立ち上がる、

 

「まぁとりあえずこんな時間だ、夕飯作るから食ってくか?」

 

「うむ、そうしよう。」

 

その返事を聞くと台所へ向かった義切、レイはエヴァンジェリンと談笑している、長く生きてる者同士で気が合うのだろう、

 

 

・・・

 

 

「あれ?そういや茶々丸さんはご飯って食べるのか?」

 

「いえ、私は食べる必要が無いので結構です。」

 

 

・・・

 

 

「そういやニンニク駄目っぽいな~、仕方ないから玉ねぎと酒で風味付けるか。」

 

 

料理は義切の趣味であり特技の一つである、ほぼ一人暮らしの生活なので身に付くべくして身に付いたスキルといえるのだが、『自分が食べるものなのだから思いっきりこだわってみよう』の考えに至りいつの間にか趣味になり、その腕はその道の人と比べても遜色ないものとなった。

 

テーブルの上には3人分のステーキとサラダ、副菜にライスが置かれ、食事が始まる。

ステーキをナイフで切り、口へ運んだエヴァンジェリンは暫く味わった後感心するように頷いてみせた、

 

「ふむ、美味いじゃないか。」

 

「そうか、口に合ってなによりだ。」

 

エヴァンジェリンの感想を聞き安堵する、料理を作る者にとって他人の口に合うように作れたか否かはかなり気になるものだ、勿論自信はあったが、やはりそれが上手く作れたとなると嬉しくなって少し笑う義切だった。

 

 

食事が終わり、食器を片付けてお茶を飲む3人、エヴァンジェリンが話を切り出す、

 

「そろそろここへ来た本当の目的を果たすとしよう、義切、貴様明日は暇か?」

 

「?、まぁ、用事は入ってないなぁ。」

 

「ならば明日、私の家に来い。」

 

「・・・・・・はい?」

 

「だから明日、私の家に来いと言っているんだ。」

 

「なんで?」

 

「ネギ・スプリングフィールドが私の家で修業しているのだが貴様にそれを手伝ってもらいたい。」

 

その言葉を聞き怪訝な顔になる義切

 

「・・・怪しい、そんな殊勝な態度をするのはなんか企んでんじゃないか?」

 

その場から少し目をそらすレイ、義切は気づいていないようだ、

 

「それに修業を手伝うってあんたがいれば全部事足りるじゃないか。」

 

「確かに私がいれば普通修業の手伝いなどいらぬ、しかし私だけではなく色々な者を相手にすれば効率が良いと思ってな。」

 

少し笑いをこらえているレイ、エヴァンジェリンとの会話に集中していて、やはり義切は気づいていない、

 

「まぁ一理あるが、大体俺は魔法は使えるが只の中学生だぞ?そんな・・・」

 

その発言を聞いてエヴァンジェリンは口の端を上げる、

 

「そんなはずはあるまい、遊撃士?」

 

「ハァ・・・耳が早いな、まぁ隠しきれるとも思っていなかったがな。」

 

エヴァンジェリンの言葉を聞いて諦めたようにため息をつく義切、

 

「その名前が出てきたってことは断れそうもないな、仕方ない、ネギ先生の修業とやらを手伝おうか。」

 

「ククク、そう言ってくれて嬉しいよ。」

 

話がまとまった後詳しい時間を言ってエヴァンジェリンは帰っていった。

 

義切は朧火の手入れをしていた、レイがその様子を見ている、

 

「随分本格的に準備してるな。」

 

「まぁ、修業手伝うだけだからたいしたことはしないだろうが一応な。」

 

「そうだな、用心するに越したことはないからな、ククク・・・」

 

「ん?どうしたレイ?」

 

急に笑い出したレイに声を掛けるがなんでもないといって首を横に振る、しかし顔はまだ笑っている、その笑顔に一抹の不安を感じる義切であった。





前書きにも書きましたが、PC復帰からとんでもなく遅れてしまいました。

纏まって書ける時間があまり作れないので投稿が遅れるかもしれませんが、よろしくお願いします。
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