燃える翼の遊撃士(エレフセリア)   作:ChaffP

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第9話 「誕生、六人目!?」

―中間試験―

 

それはその学期に学んだ事をどの程度身に付けているのかを確認する試験であり、中間と名に冠するように大体学期の中頃に実施される。

 

あるものは結果を残し

 

あるものは無難に乗り越え

 

あるものは補習という名の絶望に到達(ゴール)する・・・

 

そしてその学生が苦悩する試練の一つがここ麻帆良学園でも行われようとしていた。

 

 

 

ここは麻帆良学園女子中等部3-Aの教室、放課後の教室には殆ど人は居らず8人の生徒と1人の教師が居るだけだった。

教師は3-Aの担任であるネギ、

生徒はバカレンジャーと呼ばれる明日菜、楓、古、まき絵、夕映の五人、木乃香と刹那、そして義切であった。

バカレンジャーの五人は試験前のテストにて点数が良くなかったので補習という形で残っていた。

と言うわけで義切が勉強を教えることになったのだった・・・

 

「どうゆうわけだよっ!!」

 

「義君どうしたん?」

 

「あ、いや何でも無いです。」

 

本文にすかさず突っ込む義切だったが、本文が見えない他の人々は何事かという顔をしていた。

義切が何故こんな状況になってしまったのか、それは前日の夜の事・・・

 

 

 

 

「うぅ・・・・・・」

 

明日菜が部屋にてノートに向かいながら唸っていた、

 

「どうしたん、明日菜?」

 

「ここの問題が解らない・・・」

 

心配して声を掛ける木乃香だが何のことはない、問題が解らないだけである、本人にとっては大問題だが・・・

明日菜は大体全ての教科においてこんな調子なのである、英語だけならばネギがいるのだが、他の教科は木乃香に教えてもらうにも限度があり何度も教えてもらうのも悪い、なので一人で頑張るのだが手も足もでないのであった。

そんなとき木乃香が妙案を思いつく、

 

「そうや明日菜、義君に教えてもらおう。」

 

この一言が始まりだった、

 

「えっ、義切君に?」

 

「うん、義君頭良いからきっと解りやすく教えてくれると思うで。」

 

「でも義切君に悪いよ、あっちにも試験あるだろうし・・・。」

 

「うーん、取りあえずウチ頼んでみる~。」

 

そう言って木乃香は携帯を手に取った、

 

 

 

「別にいいですよ。」

 

すんなりOKが出た、

 

「明日菜~、大丈夫やて~。」

 

「じゃあ明日補習があるからバカレンジャー五人で教えてもらえる?」

 

「えっ、ちょっ・・・五人!?」

 

「やっぱり駄目なん?」

 

明日菜一人なら特に問題ないが流石に五人一緒に面倒見るとなると辛いのか難色をしめす義切、しかし木乃香からのお願いでもあるので断るのは好ましくない、そこで逃げ道を見いだした、

 

「あ、いや・・・、そうだ!そうなると俺は男子だから女子校舎入れませんよ?」

 

「あ、じゃあ僕が許可取ってきましょうか?」

 

「・・・・・・」

 

ネギの一言でその逃げ道さえも封じられた。

 

 

 

そんな訳でバカレンジャーに勉強を教える事になったのであった。

英語はネギが教える事になっているので、義切が教えるのは他の教科ということになっている、

 

「えーと、それじゃあ取りあえず簡単なテスト作って来たのでちょっとやってみて下さい。」

 

と言うと昨日の夜問題集から適当に抜粋して40分位で作ったテストをバカレンジャー、そして刹那と木乃香にも配る、

 

「義君本格的やな~。」

 

「私とお嬢様もやるのか?」

 

「一応だ、もうここまで来れば六人だろうと七人だろうと変わらないからな。」

 

不思議そうな顔をしている刹那に義切は答えた。

義切は五人を相手にすることになったならばもう一人や二人増える事はあまり変わらないのでまとめてやってしまおうという魂胆だった。

 

 

 

そして30分後返ってきたテストを採点するため、一旦ネギと交代して空いてる机で採点する義切だが、採点が進んでいくのにつれて義切の顔がひきつっていく、

 

テスト結果、100点満点中

 

明日菜 22点

楓 26点

古 24点

まき絵 23点

夕映 30点

刹那 32点

木乃香 84点

 

「なん・・・だと・・・。」

 

正直バカレンジャーの実力を侮っていた、適当といっても問題集の基本と標準の問題で作っており、発展問題などは入っていないから最低でも皆五割は取ってくれると思っていたが、木乃香以外は豪快に点数が低かった。

英語の補習が一通り終わり再び義切が教卓に立った、

 

「しかし、予想以上だよ、逆の意味で。」

 

「「「「いやぁ。」」」」

 

「いや、褒めてないから。」

 

夕映以外の四人が照れたように頭を掻くのに突っ込む義切、次に刹那の方を向く、

 

「あと刹那。」

 

「えっ?」

 

「お前は今日からバカホワイトな。」

 

「は・・・?」

 

突然の宣言に唖然とする刹那だが、すぐに正気に戻り抗議する、

 

「どうゆうことだ!?」

 

「どうゆうこともなにもないだろこれじゃあ・・・」

 

皆に見えるようにテストを広げる、確かに刹那の点数は他のバカレンジャーのそれに比べてあまり遜色なかった、

 

「刹那さんって以外と勉強できなかったんだ・・・」

 

「ついに六人目が加わったアル。」

 

「・・・くっ。」

 

抗議したいが点数が低いのは事実なので返す言葉が無く黙ってしまう刹那、そんな刹那に義切は近寄り耳の近くで小さい声で囁く、

 

「あんまり勉強出来ないと下手すれば木乃香様と同じ学校行けなくなるかも知れないんだぞ。」

 

「!?」

 

その言葉を聞いた瞬間刹那の目の色が変わる、

 

「それが嫌なら勉強することだな、俺が教えてやる。」

 

麻帆良学園は高校までエレベーター式なので最低限の成績を取っていればそんなことはないのだが、義切はワザと刹那に発破をかけた、しかし大学となるとそうではないので義切の言うことは100%嘘というわけでもなかった。

さらにバカレンジャーの五人を発奮させる為にこんなことを言った、

 

「え~、次の中間試験にて点数のノルマを設けてノルマ以上の点数を取った人はネギ先生が何でも一つ言うこと聞いてくれるらしいぞ!(笑)」

 

「「「「「!?」」」」」

 

「えぇ!?」

 

これに一番驚いたのは言うまでもなくネギだった自分はそんなこと一言も言ってないので当たり前だろう、義切はそんなネギの両肩に手を置いて小声で説得する、

 

「お願いしますよ先生、皆のやる気を上げる為です、それにノルマの点数をある程度高めに設定すれば恐らく皆のお願いを聞くなんてことありませんから。」

 

「う、うぅ・・・わかりました。」

 

渋々納得させられたネギ、しかしその条件に明日菜だけ乗り気ではなかった、

 

「あの、私は別にネギに頼むことなんてないんですけど・・・」

 

「そうか?高畑先生に何か頼みたい時にネギ先生を中継すればなにかと便利・・・」

 

「頑張ろう!」

 

しかし瞬時に丸め込まれた、そしてまた刹那の方を向く義切、

 

「あー、あと刹那の場合はノルマ越えられなかったら剣の稽古の話も無しだからな。」

 

「なっ!?」

 

成績を上げなきゃいけない理由が一つ増えた刹那だった。

補習を再開する義切、

 

「えーと現代文の範囲は・・・、ことわざって小学生かよ、まぁいいや簡単なのから行こう。」

 

問題を黒板に書いていく

 

石橋を叩いて○○

 

小学生低学年でも答えられる問題である。

 

「これ分かる人。」

 

聞いてみると夕映と刹那が二人何を聞いているんだと言いたそうな顔をしているが手は挙げていない、残りのバカレンジャー4人が手を挙げていた、嫌な予感を感じながらも古に聞いてみる、

 

「はい、古さん。」

 

「ハイ、石橋を叩いて砕くアル!」

 

「・・・・・・??」

 

予想の斜め上を行く答えに石橋ではなく義切の思考が砕かれしばらく停止した、

 

「違うわよ、割るよ。」

 

「いやいや、崩すでござるよ。」

 

「えっ、壊すじゃないの?」

 

「やっぱり砕くアルヨ!」

 

四者四様の答えが飛び交う、段々と正気に戻った義切は間髪入れず突っ込む、

 

「破壊するなぁあ!橋崩すなよ!壊したら渡れないだろ!!」

 

突っ込まれて笑う四人、必死に突っ込んで肩で息をする一人、呆れる二人、お先が真っ暗であった。

 

そんなグダグダな雰囲気のままその日は終わってしまった。

 

 

 

次の日、

中間試験前となり試験範囲が終わった男子中等部の社会科の授業は自習の時間だった、静かに自習していたり密かに友達と話したり遊んだりする生徒が居る中、義切が頭を抱えていた、それを見て一騎が声をかける。

 

「どうした義?」

 

「あぁ、いやテスト形式の問題作るのは結構難しいなって。」

 

「そういえば勉強教えてるんだったな。」

 

「あぁ、それ用に作ってるんだが、意外と難しいんだ。」

 

その日の授業が全て終わり、学校が帰宅の波に包まれる、義切もまた作ったテストを鞄にしまって補習に向かう準備していた、

 

「さて、行く前に印刷して行かなきゃな。」

 

「義切。」

 

後ろから声を掛けられ振り返ると一人の生徒がこちらを見ていた、

 

「優人・・・。」

 

彼の名前は中村 優人、運動神経や成績が良く、一方的に義切をライバル視している生徒で無視していればいいのだが義切も負けず嫌いな所があるのでつい張り合ってしまっている、

 

「聞くところによると女子に勉強を教えているそうじゃないか。」

 

「あぁ、それがどうした?」

 

「いやなに、人に教えるのは結構だがお前自身が勉強できているのか気になってな。」

 

「心配するな、ちゃんとやってるさ。」

 

「ならばいい、本調子でないお前に勝った所で何も面白くないからな。」

 

「相変わらずだな、お前も。」

 

そう言葉を交わすと優人は教室に戻っていった、義切も学校を出てコンビニにてテストをコピーして補習へ向かった。

 

 

 

そろからの補習も問題は色々あったが特に何もなく終わり、試験前日の日曜日、義切は黙々と机に向かっていた。

補習は金曜日までに大体終わらせて試験前の土日は各自で自習ということになった。

 

「ふぅ、少し休むか。」

 

とお茶でも淹れて休憩しようとした時だった、

 

ピンポーン

 

インターホンが来客を知らせる、玄関に向かう義切、早朝からレイはどっか出掛けて行ってしまったので今この家には義切一人である、

 

「はいはーいっと。」

 

玄関を開けるとそこには教科書類を持った刹那がいた、

 

「おう、どうした?」

 

「いや、その、数学で解らないとこができたから・・・」

 

「そうか、まぁ取り敢えず上がんな。」

 

リビングの机を挟み対面に座る二人、義切は刹那の解らない問題を教えている、要領を得ないようで唸る刹那、

 

「うーん・・・」

 

「頑張れホワイト。」

 

刹那が不機嫌そうな顔で義切を見る、

 

「そのホワイトって言うの止めてくれないか?」

 

「ホワイトが嫌ならシルバーだな、シルバー良いじゃないか高級感があって。」

 

刹那の眼に僅かに殺気が籠もる、それを察知した義切が笑う、

 

「冗談だよ、人を殺気の籠もった眼で見るな、んでどこが解んないんだ?」

 

「あ、ああ、ここなんだが・・・・・・」

 

そんなこんなで結局夕方まで勉強を教えていた、

 

「すまなかったな、夕方まで邪魔して。」

 

「気にすんな、それより教えたんだから結果出せよホワイト。」

 

「くっ、試験終わったらホワイトって言わせないからな!」

 

「お、その意気だ。」

 

そう言って帰って行く刹那を見送ると義切は勉強の続きに取り掛かった。

 

 

 

そして各人がそれぞれの目的を持ち、試験に向かっていったのであった。




今まで投稿できていなかった分書き溜めがあるので、しばらくは頻繁に投稿できそうです。
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