以下注意事項です
シリアス絶無・関東人による似非関西弁表現・深く考えたら負け・ツッコミどころ満載・考えるな感じろ
上記のことが大丈夫な方だけ下にスクロールしましょう
塩見周子には幼馴染の少年がいる。実家が隣で親が友人だった関係もあって少年とは物心つく前からの付き合いだ。
少年は奇行が多い。突如逆立ちしながら町内を爆走し始めたことを筆頭にした奇行のおかげで、少年がおかしい行動をしても町内の人々は「お、今日も元気だな」という反応をするようになった。
小学校5年生になり、教室が校舎の最上階である3階になった。周子は少年と同じクラスで席も隣だったので休み時間はもっぱら少年と会話していた。
「こんだけ天気ええと空飛びたくなるなぁ」
「せやなぁ……なぁ、周子。空を飛ぶってどんな感じなんやろな?」
「飛んでみたらええんやないか?」
「おぉ! 周子は天才やな。わからなかったらやってみる。その精神は好きやで」
そう言って少年は窓を開けて叫びながら飛び立つ。
「飛び出せ青春!!」
人間が空を飛べるわけがないので、少年は重力に従って落下して行った。クラスメイト達も少年の突然の奇行に慣れているので「またバカが何かやってるな」という反応しかしない。
普通3階から子供が落ちれば大怪我では済まない可能性がある。だが、少年に常識は通用しない。
周子は落下した幼馴染の少年を気にせずに次の授業の準備をする。少年が落下してから3分後に教室の扉が開かれる。
「おかえり。空を飛んでみた感覚はどうやった?」
「飛ぶんやなくて、落ちるって感覚やったな。あれやったら清水寺から飛び降りた時に同じ感覚やった」
少年は無傷に教室に戻ってきたのだった。そして普通に周子と会話をする。ちなみに担任も慣れているので少年に「窓から飛び降りてはいけません」という当然で当然ではない注意をしてから授業に入った。
小学校6年生の夏休み初日。周子は当然のように少年の部屋に入り浸る。周子が初日で宿題を終わらせ、それを少年が写して2人の夏休みの宿題は終了である。夏休みの宿題を終わらせ、少年に宿題を写させている周子はふと思ったことを呟いた。
「豚骨ラーメンが食べたくなったぁん」
「じゃあ博多に行こか」
周子の言葉に少年がすぐさま反応し博多行きが決定した。
少年は家にあった自転車にリヤカーを取り付け、リヤカーに周子、自転車を少年が漕ぐ『自転車の旅〜西日本横断編〜』をスタートさせた。
周子はその旅路を日記に書き、横断途中の地元のグルメや観光スポットを書いた自由研究を少年と連名で学校側に提出した。
ちなみに少年は1人で京都〜博多間の往復を1人で漕いでみせた。所用日数は3日である。
周子が少年に対して「あ、こいつ生まれる時代間違えとるわ」と実感した瞬間である。
中学校に上がっても2人の関係は変わらない。思春期特有の性別の差も気にせずに、相変わらず同じクラスでつるんでいた。変わったのは周囲である。周囲も中学生になったことと、少年の存在によって自重という言葉を投げ捨て始めた。
夏休みに入る前日、周子は少年と会話をしていた。
「なんか……こうやな。中学生になったら何か変わるかと思っとったけど、何も変わらへんなぁ。なんかおもろいことでもあらへんかなぁ」
「ん〜、そういやあんたはバカみたいに体力あるやん。最近は動画投稿とか流行っとるからなんかチャレンジ系の動画でも撮ってみたらええんやない?」
「お! 周子は頭ええな! おぉい! 誰か映像編集とかできるやつおるか?」
「ここにいるぞ!!」
少年の言葉に微妙に影が薄いクラスメイトが手を挙げる。そこからトントン拍子に話が進み、夏休みに『中学生チャレンジ〜琵琶湖縦断編〜』を行うことになった。
そして夏休み、クラスメイトの1人がどこからか調達してきた漁船に周子を含めたクラスメイト数名が乗り込み、少年が泳いでるところを撮影した。口が上手くて天職は詐欺師であろうクラスメイトの実況を付け、時折琵琶湖から見える風景の説明なども入れる動画はUPしてから数日で凄まじい再生数になった。編集によってやらせ疑惑が浮上したため、後日にノーカット版をUPしたところ『超人中学生』として少年は一気に有名になった。ちなみに少年はこのときに見事なクロールで琵琶湖を駆け抜け、僅か1時間で琵琶湖を縦断した。
中学2年生でも周子は少年と同じクラスだった。これは教育委員会からの指示によるものである。暴走した少年をとある必殺技で止めていることからストッパーとして期待されているのだ。だが、止めるのは周子だが、暴走の原因を作るのも周子という事実を知っているのは周子の両親と少年の両親だけである。
「なぁ、周子。今年は何をやったらええと思う?」
夏休みの直前、周子は少年に相談された。
「ん〜、やれることはだいたいやったもんなぁ」
「せやねん。盗んだバイクで走り出したり、夜の校舎に忍び込んで窓ガラス全部叩き割ったり、冬には北海道の吹雪の中を海パン一丁で駆け抜ける『中学生チャレンジ〜雪の進軍(但し装備は海パン一丁)〜』もやってもうたからネタがないねん」
中1の夏休みの琵琶湖縦断によって自重を完全に捨て去った少年とクラスメイト達は頭の悪い行動を行っては動画を投稿していた。そんな行動は当然のように教師や教育委員会にバレて怒られることは日常茶飯事だ。全員が反省文を書き慣れてしまっているので、テンプレートが完成されていて反省文の提出を出されてから1時間で提出できるようになっている。
ちなみに少年の発言した全ての切欠を作ったのは周子である。
「せやったら次は国外かねぇ?」
「……それや!!」
またしても周子の発言によって次の中学生チャレンジが決定したようである。少年は『中学生チャレンジ』の司令塔であり、様々な必要物資を手に入れてくるクラスメイトの少年と一緒に作戦会議である。
そして夏休み開始してから1週間後。『中学生チャレンジ〜この国からの卒業編〜』として、少年が泳いで日本海を渡って中国にダイナミック入国するというチャレンジをすることになった。
周子はもちろん参加である。
しかし、このチャレンジは難航した。初めての国外への挑戦であり、海流というものを甘く見ていたせいだった。水は多く積んでいたから良かったが、途中で食料が尽き、泳いでいる少年に魚をとってもらうというハプニングもあった。
最終的にこのチャレンジは成功した。海流に流されたことによってゴール地点が予定していた中国ではなく、何故かフィリピンについてしまったが。
陸地が見えた時点で少年以外のチャレンジチームは先回りし、少年が陸地に辿り着いたところを撮影する準備をする。そして、集まってくる地元民。足がつくと泳ぐことをやめて歩いて砂浜に向かってくる少年。そして完全に陸地に上がって大きく口を開いた。
「日本から泳いで参った!!」
地元住民の中に日本語がわかる人物がいたらしく、その人物を中心になって情報が伝わった結果、大騒ぎになった。ちなみにこの時に少年が選んだ泳法はバタフライだった。
もちろん『中学生チャレンジ実行チーム』は即座に日本大使館へ強制連行からの強制帰国というコンボを食らった。
この出来事によって日本だけでなく世界中に『中学生チャレンジ』が広く知られ『クレイジーボーイズ』と外国人から呼ばれることになった。
この時には文部科学大臣と外務大臣から直接怒られるという快挙を成し遂げた。
そして中学3年生。相変わらず周子は少年と同じクラスである。幼稚園と小学校からずっと同じクラスというどこか作為を感じる結末である。
「なぁ、周子。そろそろ外国に再挑戦してもええと思わん?」
「1年は国内だけやったからええんやない」
またしても周子の軽い発言によって3年目の『中学生チャレンジ夏休み特別企画』は海外に決定した。
そして今回の目的地はアメリカ。伊勢湾からスタートして太平洋を休まずに横断する『中学生チャレンジ〜逆黒船来航編〜』という頭がおかしい企画を実行した。
今回は念入りに準備を整えた。食料と水などの必要物資を多めに載せることはもちろん、クラスメイトの1人に操船技術を学ばせ(無免許)、GPS機能搭載させることで現在位置を完全把握できるようにしたのである。
そしてチャレンジは成功した。情報化社会によってアメリカ側にもこのチャレンジ内容が伝わっており、ゴール地点は多くのギャラリーが集まっていた。司令官役のクラスメイトによって半信半疑ながらも集まっていたアメリカ人ギャラリーも、中学生チャレンジ実行チームがゴール地点で撮影準備を始めたことによって期待感が高まる。
そして少年が歩きながら砂浜へと歩いてくる。そして完全に砂浜に上陸してから少年は口を開く。
「日本から泳いで参った!!」
日本海渡航編によって少年の言葉を知っていた現地ギャラリーは大騒ぎになった。様々な歓声が上がる中で一番多かったのは「クレイジー」だった。
もちろん中学生チャレンジ実行チームはスタンバイしていた日本大使館職員に捕まって強制連行、強制帰国の黄金コンボを再び食らうことになった。
そして帰国した中学生チャレンジ実行メンバーは大臣を通り越して首相から直に説教を食らうという珍体験をした。
そしてこのメンバーを一箇所に固めておくとヤバイという事実に国がようやく気づき全員をバラバラに、特にやばいメンツは日本中に分散させて進学させる手段をとった。
ちなみに本人達は「まぁ、当然の処置だな」という軽い反応である。誠に遺憾ながらも周子も中心人物として進学先を指定されてしまった。だが、周子は特に気にしない。情報伝達が進化した現代において、距離などあってないようなものなのだ。
そしてクリスマスが近くなったある日、いつものように少年と一緒に教室で昼食をとっていると、少年が口を開いた。
「せっかくだから中学生最後やからなんかやりたいなぁ」
「なんかやりたいって……なんかアイディアあるん?」
「周子は俺が考えるの苦手なの知っとるやろ。アイディアは周子の仕事やで」
少年の言葉に周子は考える。そして思い浮かんだのは授業で習った『学生運動』のことであった。
「なんか授業で政治に対する不満として学生が建物を占拠する事件とか習ったやん」
「それや!!」
またしても周子の一言によって『中学生チャレンジ』が決定した。
そして今回は同級生の大半が参加する『中学生チャレンジ最終章〜そして伝説へ〜』が決行された。
授業で習った学生運動をベースに火炎瓶や角材、ヘルメットを装備した少年を中心にした一団が首相官邸に流れ込み、首相を人質にして立て籠もるというちょっと洒落にならない規模の大事件を引き起こした。
建前上は実行理由を『自分達の進学の自由を侵害された』という理由にしていたため、首相官邸には機動隊はもちろんのことテレビ局も多く集まっての大騒ぎになった。生中継される外のニュースではシリアス一色だったが、最終章特別編として『中学生チャレンジ実行チーム』も同時に内部も生中継を行っており、外はシリアス、中はお祭り騒ぎのバカ騒ぎというどうしようもない状態になった。
最終的に人質にしていた首相を解放した後に首相官邸を本能寺して、その隙に全員が脱出に成功するという奇跡を起こした。
もちろん映像証拠が残っているので、京都に戻った後に参加者全員が警察に補導された。少年院にぶち込まれなかったのは、情報操作が巧みなクラスメイトによって世論を味方につけ『政府が悪い』という結論に行き着かせた司令官の腕前である。
そして中学卒業後、周子は東京の高校に進学させられた。当然ながら少年とは別の高校である。むしろ少年は海外に留学という名目で放り出された。
「これは世界進出しろっていう国の指示やな!!」
そんな究極な勘違いをした少年は留学先でも色々やらかしていた。その情報をテレビやネットで知っていた周子は一つの結論に行き着いた。
「あのバカは隣にいるより、離れていたほうが気軽に楽しめるわ」
それから周子は気楽だった。初めて普通の学生生活を送り、少年が帰国した時に突発的に行われる同級生達による『高校生チャレンジ』を笑いながら見ていた。
そして周子が高校を卒業して、特に勉強したいこともなかったので京都の実家の老舗和菓子店を手伝っている時にアイドルにスカウトされ「これは面白そうやん」という幼馴染の少年によって毒された思考回路でアイドルを始めた。
アイドルの仕事を始めてしばらくした休日、ニュースを見ていると幼馴染の青年(年齢的に少年ではなくなった)が出ていた。ニュースのテロップには『単独無装備エベレスト登頂成功!!』というちょっと頭がおかしいニュースが!!
そして山頂で中継されている青年の姿はTシャツにGパン、スニーカーという近所のコンビニに行くような服装だった。
それを見た周子は思わず呟いてしまった。
「なんや、靴は履いとったんや」
そういう問題ではない。
数日後、帰国した青年からスマホに電話がかかってきた。青年と連絡をとることは特に珍しいことでもないので普通に電話に出る。
だが、妙にテンションが高かった青年に周子は鍛え抜かれた第六感が危険信号を発した。
「あ、ちょっと電波状況が悪くなってきたわ! このスマホも買い替えかなぁ!! それじゃあ!!」
周子はそれだけ言うと一方的に電話を切って着信拒否設定をする。
「これで私の安全は守られた」
周子はアイドルの仕事でもなかなか感じられないやりきった感で汗を拭う。
一週間後、周子はユニットを組んでいる小早川紗枝と一緒に所属する346プロダクションから出ようとする。しかし、出入り口で警備員と応援でやってきた警察を相手に大立ち回りをしている青年を見て立ち止まってしまう。
346プロダクションの男性職員達が壁役になっているが、野次馬にやってきている346プロの所属アイドルや俳優、女優も多い。
周子は慌てている紗枝を宥めながら目つきが悪くて大柄、見た目は完全に893なシンデレラプロジェクトプロデューサーの武内Pに話しかける。
「武内さん。あれはどないしたん?」
「塩見さんですか……突如、あの男性が来訪されて『心は中学生チャレンジの時間だ』と叫んで暴れ始めたので、警備員や警察の方を呼んだのですが……」
困ったように首筋に手を回す武内P。周子は予想通りの展開に目眩がする。なにせ中学時代に一緒にバカをやっていた面々が暴れている青年を実況付きで撮影していたのだ。しかも即席の実況席まで用意して。
数年会っていなかった幼馴染の青年は見事なマッスルに進化していた。戦う姿はまさしく東洋版ヘラクレス! 神様はこいつにも12の試練を与えたほうがいい。むしろ12じゃ足りないから24に増やす気持ちで。
そんな現実逃避をしていたら青年は警備員や警察を殴り倒し終えて、宇宙怪獣に挑む巨大ロボットの出撃する時の立ち姿をしていた。
それに緊張する男性職員達。なにせこの流れだと東洋版ヘラクレスに挑まなければならなくなるからだ。
だが、周子はそれを気にせずに司令官役だった同級生とアイコンタクトを行う
(塩見、そろそろ止めるタイミングやで)
(なんでいつも私なん? 今回は完全に巻き添えなんやけど)
(何言っとるんや。塩見のアイドル姿が普通すぎてつまらないから、そのアイドル像をぶち壊してやろうという幼馴染からの応援やで?)
(絶許)
珍しく青年が頭を使ったと思ったら周子に迷惑をかけてきた。やらかしている本人は100%善意でやってるのが特に問題だ。
「あ〜、武内さん。他のみなさんもちょっと待ってや」
悲壮な覚悟を決めてラスボスに挑もうとしていた男性職員達を周子は止める。男性職員達が不思議そうに周子を見てきた隙に走り出す。
スタートの一歩目! 加速の二歩目! トップスピードの三歩目!!
青年も周子に気づき、驚いたような状態を見せつつ、周子が技をかけやすく、それでいて派手に受け身を取れる態勢になる。
この一撃は何千回と繰り返してきた幼馴染を止めるための一撃!!
「久しぶりの再会に挨拶がてらのシャイニングウィザード!!」
プロレスの教科書に載せることができそうなほどに完成度が高い周子渾身のシャイニングウィザードが幼馴染の顔面に叩き込まれるのであった。
この出来事から周子の仕事に幼馴染の青年と一緒にバカをやる仕事が増えるようになった。
塩見周子
作者のアイドルマスターを使った前作『救われなかった少年』の視点主。なんかあっちでは暗い人生になってしまったので、愉快な人生にしてあげたいと思った結果がこの作品です。
幼馴染に振り回されているようで、実は全ての元凶という事実。だが、本人に自覚はない。
幼馴染
周子の幼馴染。『救われなかった少年』の『彼』とか一切関係ございません。
巷では最強系主人公が流行っているのでその流行に乗ってみました。その結果が最強系(肉体に限る)主人公になりました。ちなみに名前がないのは作者が思いつかなかったからです。書いてる途中に思いつくかと思っていたけど最後まで思いつきませんでした。
周子の愉快な同級生達
無駄に能力とノリがいいクラスメイト達
宇宙怪獣に挑む巨大ロボットの出撃する時の立ち姿
ガイナ立ちで検索検索ぅ!!
シャイニングウィザード
プロレス技は危険な技が多いので真似をするのはやめましょう。作者との約束だ!!
初めての方ははじめまして。前作である『救われなかった少年』を読んでくださった方はお久しぶりです。
前書きの通り、この短編は『救われなかった少年』で暗い人生になってしまった周子を愉快な人生にしてあげたいと思ってヒマな時に少しづつ書いていました。結果的に愉快を通り越してキチガイ集団に囲まれる人生になってしまいましたが。許せよ、周子。
『救われなかった少年』を読んでくださった方はあまりの作風の違いに驚くかもしれませんが、こっちが二次創作を書く時の作者の素です。『細けぇことはいいんだよ!!』の精神。
ちなみに続きません。ネタがありませんしネ!!
これを投稿する直前に10連引いたらSSレア及川雫【はつらつハーヴェスト】が出ました。アイマスと銀の匙のクロスオーバーを書けという指示でしょうか。