【魔を滅する転生○】シリーズ外伝噺集   作:月乃杜

23 / 59
 随分と前から設定だけはあったものです。





MUV-LUV【魔を滅する転生伽】っぽい噺――守斗羅威救・巫璃射駄武……出撃

.

「エロ忌むえっ債務? エロ忌むえっ債務? ……我は求め訴えたり!」

 

「んな、怪しげな呪文で呼ぶな!」

 

 スパカーン!

 

「アウチッ!」

 

 炸裂するチョップ。

 

「あ痛ァァッ! うにゃ、召喚は成功だね兄貴」

 

「つーか、エロかったり忌むべきだったり債務を負ったりって何だ!?」

 

 本当は虚無魔法と使い魔召喚の儀に於ける魔法という二種、あのルイズがやった時空を越えての大召喚をユーキがやったのだ。

 

 要するに詠唱は適当。

 

「それで、どうもユーキは再転生を【朱翼の天陽神】から施されたみたいだが、此処はいったいどんな世界なんだ?」

 

「【MUV-LUV】」

 

「うん?」

 

「エロゲだから兄貴は識らないんじゃないかな?」

 

「ああ、エロゲか……」

 

 ユートだって初めの人生からエロさが無かった訳ではないが、可成りの奥手であったのに加えて妹に勝てない剣の腕で自信が無く、更にはレ○プに全く共感が出来ない事から、ギャルゲはプレイしてもエロゲには情報すらシャットアウトをしており、殆んど知識を持ってはいなかった。

 

 実際には敵対者相手なら普通にヤっちゃうけど。

 

「まあ、良いか。エロゲな世界に行くのは別に今に始まった事じゃない」

 

「理解してくれて助かる」

 

「で、基本的な設定は?」

 

「う〜ん、色々と元の世界と違うのは確かだねぇ」

 

「ふむ?」

 

「一番の違いはBETAの存在かな?」

 

「べーた?」

 

「宇宙から飛来した異星起源生命体。Beings of the Extra Terrestrial originwhich is Adversary of human race……『人類に敵対的な地球外起源種』の略称がBETAだよ」

 

「所謂、異星人の類いか? ガディソードとかゼ・バルマリィ帝国とかゾヴォークだとかの」

 

 ユートが頭に浮かべたのはスパロボに出てきた敵、地球人類に極めて近い異星の人間だった。

 

 尚、思い浮かべた相手はゼ・バルマリィ帝国ならば【アルマナ・ティクヴァー】であり、ガディソードならば【サリー・エーミル】であり、ゾヴォークならば【ヨン・ジェバナ】だったりと女性ばかり。

 

 決して、シカログだとかヘルルーガ・イズベルガだとかバラン・ドバンなどを浮かべたりはしない辺り、正にユート・クオリティ。

 

「とはいえ、BETAってのは【真! ゲッターロボ】のインベーダー、【トップをねらえ!】の宇宙怪獣張りの見た目な怪物だけどさ」

 

「何だ、つまらないな……それで? つまり敵としてBETAを討ちたい……と?」

 

「まあ、そうだよ。残念ながら美女美少女なBETAなんて間違っても居ないねぇ」

 

「そいつはもうエエわ! だとすると人型機動兵器の類いを使うのか?」

 

「まぁねぇ。一応は取り敢えず用意した戦術機が有るからさ」

 

「戦術機?」

 

戦術歩行戦闘機(Tactical Surface Fighter)だよ。早い話が元の世界に於ける戦闘機を人型にして名前を付けたみたいな?」

 

「と、言うと?」

 

「例えば、アメリカさんはF-22ラプターを最新鋭機に開発をしているよ」

 

「成程、確かに元の世界では戦闘用飛行機だな」

 

 決して人型機動兵器ではないし、バルキリーみたいに人型に変形もしない。

 

 純然たる飛行機械。

 

「それで、僕が使うのは? 話し振りからすると日本の戦闘機から名前を取った戦術機か? F-22より以前となるとF-15Jイーグル」

 

「誰があんな欠陥機に兄貴を乗せるものか!」

 

「け、欠陥機?」

 

「正確には全部の戦術機が欠陥機なんだよ」

 

「いったい……」

 

「キラ・ヤマトが改修する前のストライクガンダム、あれよりはまだマシとはいってみても、一度行動をしたら終わるまで止まらないとか、行動を終えたら逐一硬直をするとかね!」

 

「うわぁ……」

 

 確かによちよち歩きする赤ん坊レベルなストライクガンダムよりマシだけど、パーソナルトルーパーとかゾディアックトルーパーに慣れたユートからしたら、確かに欠陥機としか呼べないOSらしい」

 

「だからガワはコズミック・イラの主人公機なMS、守斗羅威救・巫璃射駄武を用意させて貰ったよ」

 

「まて、コズミック・イラでその機体が出てくるなら主人公機はデスティニーガンダム……」

 

「守斗羅威救・巫璃射駄武が主人公機……だよ?」

 

「そ、そうか」

 

 どうやらデスティニーガンダムは、ユーキの中に於いて主人公機ではないという事らしい。

 

「それと、ストライクフリーダムのイントネーションがおかしくなかったか?」

 

「守斗羅威救・巫璃射駄武の何がおかしいのさ?」

 

「ちょっと書いてみろ」

 

 サラサラて出された筆記用具で紙に書く。

 

 守斗羅威救・巫璃射駄武と書かれていた。

 

「あったま悪い暴走族による当て字かよ!?」

 

「仕方がないじゃんか〜、日本製として造ったからには漢字にしないとだしさ」

 

「はぁ? じゃあ、さっきのイーグルはどうした?」

 

「陽炎って名前だよ」

 

「……」

 

 イーグルのイの字すらも無くなっていた。

 

「フリーダムだけならまだ【自由】とかでイケるし、ストライクだけなら【打撃】とかでも良い。両方をくっ付けると【打撃自由】とか訳が解らない名前になっちゃうからいっその事……守斗羅威救・巫璃射駄武にしたんだよ」

 

 言葉にしたら立派な英語の名前を、無理繰り漢字に当て嵌めたのである。

 

「まあ、名前で性能は変わらんからもう良いけど……戦術機の主機は?」

 

「バッテリー」

 

「初期のコズミック・イラMSと同じかよ!」

 

 ストライクガンダムとかイージスガンダムは云うに及ばず、その他のMSなど全てがバッテリーだった。

 

 例外がフリーダムガンダムとジャスティスガンダムであり、そのプロトタイプに等しいドレッドノートガンダムである。

 

「ストライクフリーダム、守斗羅威救・巫璃射駄武? なら、ハイパーデュートリオンエンジンなのか?」

 

 核分裂型エンジンとデュートリオンエンジンの云わばハイブリット、劇中では使われた描写は無かった様な気もするが……

 

「んにゃ、プラズマリアクターを小型化したのを採用してるよ」

 

「プラズマリアクターって……核融合ジェネレーターをEOTで重力場を用いる技術を得て開発されているプラズマジェネレーターを特機のグルンガスト用へとパワーアップさせた……」

 

 一応、ゲシュペンストSにも使われていた筈。

 

「少なくとも継続戦闘能力は戦術機より遥かに上で、バッテリーでは使えない様な兵装も使えるよ」

 

 尚、プラズマジェネレーター以前の核融合ジェネレーターは重力場ではなく、磁場を使って炉心のプラズマを封じ込めている。

 

「それから、兄貴が開発をしてジェミナスに組み込んだアレ、ルクス対策の一環で組み込んだから」

 

「アレって、アレか?」

 

「そ、アレ」

 

「まあ、守斗羅威救・巫璃射駄武……ストライクフリーダムなら可能か?」

 

「勿論、鋼鉄聖衣に組み込む為に研究開発をしたPS装甲も装甲だけじゃなく、原典通りフレームにも採用してあるよ」

 

「そうか」

 

「とはいっても、やっぱり弾数制限のある武器は少し困っちゃうかな」

 

「それならISの量子変換を組み込んだらどうだ?」

 

「ああ、束さんのアレね」

 

 インフィニット・ストラトスには量子変換により、武装を複数組み込むという拡張領域(バス・スロット)なるシステムが在る。

 

 後付武装(イコライザ)を格納する為のモノ。

 

 これを応用して例えば、87式突撃砲は後上面に有るブロックモジュールに2000発の装弾数を誇ってるが、当然ながらいずれは撃ち尽くしてしまう。

 

 それを拡張領域に量子変換をして仕舞っておけば、必要に応じての弾装交換を瞬時に、その場で可能としてしまえるだろう。

 

「それは良いアイディア、後から組み込もう。兄貴の守斗羅威救・巫璃射駄武だけでなく、外守返子斗の方にも……ねぇ」

 

「ゲシュペンスト?」

 

 どうもまた返な当て字をした様な気が……

 

(亡霊や幽霊じゃ駄目だったのか?)

 

 死者を意味しているから験が悪いのかも知れない。

 

「で? オーダーは?」

 

「白夜さん経由で得ていた情報、それとボクがプレイしたゲームの内容から京都がBETAに襲われる」

 

「此処、京都なのか!」

 

「そうだよ。既に奴らBETAは京都に向けて侵攻中さ。勿論、京都を護れなんて言わないよ。護るのは京都の帝国斯衛軍衛士養成学校に通う生徒。篁 唯依と山城上総と能登和泉と石見安芸と甲斐志摩子。実はちょっと顔見知りになってるし、白夜さんからは篁 唯依しか生き残れないらしいから助けたい。ああ、後で兄貴に上げるから」

 

「そんな事は聞いてない。ユーキ、僕は帝国斯衛軍に所属する煌武院の分家筋の一家、緒方家の嫡男である緒方優斗“大尉”で間違いないな?」

 

「……無いよ。若しかして虚憶を受けた?」

 

「ああ、身に覚えの全く無い記憶が在るんだ。それによると天宮祐希の婚約者となっているが、大陸遠征中にMIA認定されている」

 

「だね。だけど兄貴が此処に召喚されたからには……死んだんだろうさ」

 

「ああ、最期の記憶も虚憶として有るし……な」

 

 この世界に於けるユートの同位体、緒方優斗は戦闘中行方不明となっていた。

 

 生きていた場合に起きる現象は主に二つ、ユートが召喚されないか若しくは、生きている緒方優斗と現場での融合である。

 

 ユートがこの場に無事で召喚された以上、MIAはKIAになった訳だ。

 

「いずれにせよ、二階級特進で中佐なんだけどね……それとはい、これを」

 

「これは?」

 

「零式衛士強化装備(青)、一応だけど緒方優斗は青を許される立場だったから」

 

「? 色の意味は?」

 

 あの男がそうだったが、虚憶は歯抜けが多い。

 

「帝国斯衛軍は立場により色分けされる。一般は黒、一般武家は白、譜代武家は山吹、五摂家に近い有力な武家は赤、五摂家は青」

 

「うん? 緒方家は血筋的には兎も角、立場は煌武院……五摂家の分家だろう。青では無いんじゃ……」

 

「ボクの婚約者だからね。ボクは皇帝家なんだ。姓は一般に混ざる為の方便で、本来は姓なんて無い」

 

「……さよけ」

 

「で、皇帝家(うち)からの日本帝国全権代理政威大将軍が紫。皇帝家は金」

 

「金?」

 

「アカツキでも造ろうか」

 

 確かにアレは全身が金色のMSだが……

 

「どうやら現政威大将軍は篁 唯依らを見捨てる判断をするらしい」

 

「それで僕か?」

 

「一応は、崇宰恭子に斑鳩崇継が支援して篁 唯依だけは助かる予定だけどね。逆に云えば物語では彼女しか助からなかったんだ」

 

 飽く迄も狼摩白夜を経由した情報だけど。

 

「了解した。それならば僕が先程挙がった娘らを救って来よう」

 

「ん。皆、美少女だから。期待しても良いよ?」

 

「……あのな」

 

 そして始まる。

 

 表題――【帝都燃ゆ】で起きた篁 唯依の悲劇。

 

「緒方優斗。守斗羅威救・巫璃射駄武、出る!」

 

 守斗羅威救・巫璃射駄武頑駄無が出撃した。

 

「思い知るが良い。僕を蔑ろにした莫迦な連中……」

 

 ユーキの浮かべた暗い微笑みと共に緋の機体へ……

 

韻不位仁斗蛇朱弖主(インフィニットジャスティス)――出撃()るよ!」

 

 

.

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。