【魔を滅する転生○】シリーズ外伝噺集   作:月乃杜

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 本当の意味で外伝……






ゼロの使い魔【魔を滅する転生者】外伝噺:永遠なるメイドさん

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 シエスタ・シュヴァリエ・ササキ……

 

 【ゼロの使い魔】という作品に於いて、第一巻から登場して必要無い場面以外では基本的にレギュラーとして、ヒロイン枠としての活躍をした少女。

 

 登場時は一七歳であり、可愛らしさともう一人の持ち得ないボリュームの胸はあるが、最終的に主人公とメインヒロインが地球へと向かいながら置いてきぼりを喰らった娘。

 

 原作者様が最後まで書けていたら或いは、そこら辺もフォローされた可能性もあったのだが……

 

 この世界線ではまずを以て顔が可愛らしいのは鉄板ながら、五歳からユートの側に侍て徐々に恋に落ちたシエスタは、垢抜けていてそばかすも無いし原典よりスマートで顔も可愛いに加えて綺麗になった。

 

 胸も九〇と食べる物が違うと成長の仕方も違うと、下手な貴族令嬢より美少女に育っている。

 

 貴族子弟も彼女が学院の所属になった際は野次ったものの、ユートの専属である事を公言していなければ狙っていただろう。

 

 ユートのモノに手を出せば破滅待った無しだから。

 

 理由は借金にある。

 

 彼らはクルデンホルフではなく、ド・オルニエールに借金をこさえていた。

 

 利率が少ないからだが、それでも元金を返還出来ず利息払いである。

 

 下手な手出しで元金返還を強要されたなら、実家は潰れざるを得ない。

 

 そんなリスキーな事など流石にやれなかった。

 

 本来、学院に専属メイドを連れて来る事は規則的に出来ない為、一時的な解雇と学院のメイドとして就職という形なシエスタだが、実はユートの専属メイドである方が給金が高い。

 

 学院でもそれなりに支払うのだろう、然しユートのポケットマネーで支払われる給金の方が高いのは商売にも手を出し、潤沢な資金が有るからであろう。

 

 現在は名前の通り勲爵士或いは騎士候と、つまりは最下級とはいえ貴族に列せられている。

 

 平民が貴族には本来なら成れないが、最近になってエドワード一世が国法を変えて、平民でも国益を出せばシュヴァリエになれる様になり、更には女官的立場ながら役も与えられた。

 

 男尊女卑が当たり前な、トリステイン王国で女性が役を与えられはしないが、苦肉の策的に王女の女官という私兵扱いにしている。

 

 シエスタもユートの副官として、専属女官の形を取って仕える様になった。

 

 メイドではなくなってしまったが、シエスタは飽く迄もユートに仕える身だ。

 

 そして一六歳の誕生日、シエスタは自身の初めてを捧げている。

 

 アルビオンからのレコン・キスタの侵略、タルブ村が巻き込まれた一件にて、シエスタは牡羊座の黄金聖衣を与えられ、村人に迫る敵兵を殲滅させて後に国王自らがマントを下賜。

 

 シュヴァリエとして貴族の一員となった。

 

 だけど長期で休みの日、実家に帰ったらメイド服を着て御世話をする。

 

『貴族になろうがどうしようが、私はユート様だけのメイドですから』

 

 笑顔で言われてしまう。

 

 だからなのか最終的には脱ぎ素っ裸になるにせよ、ベッドの上では最初は必ずメイド服の侭。

 

 勿論、実家で致すからには風呂で身を清めた上で、洗って皺の一つすらも無い綺麗なメイド服に着替えて待ち構える訳だが……

 

 朝には朝勃ちを鎮める為のお口で御奉仕、とかいう役目を自発的にする。

 

 一発出す頃にはユートもスッキリ目覚める寸法だ。

 

 眠気的にも性的にも。

 

 そんなシエスタに何人か少女が近付いてきた。

 

 元々、ド・オルニエールや他の領地からユートに仕えるべく出稼ぎに来ていたメイド達で、容姿もそれなりな美少女と呼んでも差し支え無いだろう。

 

 最低限、原典シエスタやジェシカや貴族ならケティくらいに可愛らしい。

 

「どうしましたか?」

 

「シ、シエスタ様に御願いがあって参りました」

 

「シエスタ……様ですか? えっと?」

 

 同じド・オルニエール用メイド服に身を包む同僚、専属のシエスタは更に紋様を描いた御印が付いている訳で、一応はユート付きとしてメイド長の形を取っていたが、『様』付けなんてされたのは初めてだ。

 

「今やシュヴァリエの位に就かれたシエスタ様です。流石に今までみたいな呼び方は出来ません」

 

 厳選された平民や下級ながら貴族令嬢すら居るが、令嬢は家を継がないのだから爵位持ちに嫁がない限り平民になるし、何より最下級とはいえ爵位持ちに偉そうな態度は出来ない。

 

 寧ろ、分を弁えるだけの分別があるからユート付きに選ばれたのだ。

 

 ユート付きのメイドと、ユート“専属”メイド。

 

 仕事は似ているが違う。

 

 やる事は殆んど同じで、ユートの邸――現当主夫妻とは別宅――に於ける炊事や洗濯や掃除、風呂の時間には服を脱がせる役や全身を洗う役を熟し、夜は寝間着への着替えで朝は普段着の着替え。

 

 寝る時には抱き枕として添い寝も言い付かる訳で、専属は其処に性的な事が含まれていた。

 

 尚、添い寝をして喰われた場合は専属になる。

 

 現在、ユート専属なのはシエスタのみだったけど、彼女はシュヴァリエとなりメイドは廃業に近い。

 

 それでも自主的にメイドをしているシエスタ。

 

「はぁ、それで御用件は」

 

「その、シエスタ様は貴族になられて本来はメイドをなさる必要はありません」

 

「私が好きでしています」

 

「理解していますわ」

 

 準男爵家の三女という、微妙過ぎる身分の少女たる『ナナル』は少し顔を赤らめながら……

 

「シエスタ様に御願いしたい事とは、つまりお情けを頂きたいと」

 

 意味不明な事を言い出してくれた。

 

 ズザザザザッ!

 

 シエスタは青褪めながら凄い勢いで後退る。

 

「わ、私に百合(そっち)の趣味はありませんから!」

 

 ユートだけが愛の相手として好きなのだ。

 

「へ? って、私にもありませんわよ!?」

 

 とんでもない誤解を受けたと知り、ナナルは叫ぶしかなかったと云う。

 

「私が言ったお情けとは、ユート様の専属となるという意味ですわ」

 

「……それはユート様に抱かれたいと?」

 

「は、はい」

 

「実家から何か言われたのでしょうか?」

 

「それもあります。ですが元よりユート様付きメイドとして雇われた日から覚悟はしていましたわ」

 

 仕事内容にある添い寝、それはユートが性的に誰か抱きたいと思った場合に、即相手が出来る様にという意味合いがあった。

 

 処がユートは誰も抱く事なんて無く、魔法学院へと通い出して漸くシエスタを抱いた程度。

 

 後は本妻たるカトレアとのみ、正確には精霊魔石を埋め込む為ミイナとシエラは抱いているけど、本当にそれだけでしかなかった。

 

 ユートは溜まりながらも我慢をしていたから。

 

「まぁ、構いませんよ」

 

「本当ですか?」

 

「ユート様も我慢をしなくなりましたし、私も一人では身体が保ちませんから」

 

 愛しているし抱かれるのに否やは無いが、一人では体力的に精力的に保てないから妾もアリと考える。

 

 本来は自分こそが妾枠、だけどシュヴァリエとなり側室は狙える位置。

 

 尤も、ユートはカトレアと同じく本妻の心算で娶るのだが……

 

 ラ・フォンティーヌの地をカトレアは永続的に与えられる事になり、カトレアの子がラ・フォンティーヌを継ぐ流れで、シエスタの子がド・オルニエールを継ぐというのが決まったからである。

 

 ユートは飛び地となるが二つの領地を任された為、こういった斜め上な事例が出来てしまった。

 

 ナナルとしては、元からユートに戴かれる覚悟をしていたが、価値が急上昇して実家からもせっつかれて焦りもあったのだ。

 

 年齢的には魔法学院に通っていてもおかしくなく、然し貧乏準男爵家の三女では行っても意味が無いと、八歳の小さな頃からユートの御付きとしてメイドをしており、一〇年もの歳月が過ぎ去っていた。

 

 ナナル・ド・ラルミナはド・ラルミナ準男爵家に産まれた三女、領地持ち貴族ではなく法衣貴族で父親は年金と役職手当てで細々と暮らす貧乏貴族。

 

 長女のトルナはド・ラルミナ家を継ぐ男を婿にし、一応は魔法学院にも通っていたし、次女であるルルナは母親の容姿を強く受け継いでそれなりに美少女だったから、何処かの伯爵家の側室として嫁いでいる。

 

 ナナルは子爵家のメイドとして、僅かな金銭で売られたにも等しかった上に、子息付きとしていつか御手付きになるのを前提の仕事に従事させられた。

 

 ナナルはそれなりに可愛らしいが次女ルルナ程ではないし、トルナみたく家を継ぐ子を成す訳でも無いのだから、魔法学院で顔を売る理由が無かったしドットでは一人立ちも無理。

 

 だから平民に混じってのメイドさん、しかも御手付きにはならなかった。

 

 所詮は貴族だから恋愛とかは諦めたが、この侭だと処女で喪女で今の容姿だっていつかは老いて喪う。

 

 ならばユートの御手付きになり、一生の面倒を見て貰えればまだ勝ち組であると考えた。

 

 カトレアやシエスタ程では無いにしても、ミイナとシエラくらいには美少女だと自負もある。

 

 だけどシエスタが今尚、専属メイドとして侍ていてはチャンスが無い。

 

 とはいえ、カトレアの病を治すべく異世界に行ってから、ユートは性欲が強くなったらしくてカトレアやシエスタを抱いてからは、ジェシカやミイナやシエラを普通に抱いていた。

 

 ならば、上手くやったらチャンスもある筈だ。

 

 そしてシエスタは頷いてくれた為、久し振りになる添い寝をする事に。

 

 ギッ……煩いくらい足音が鳴る。

 

「お久し振りです」

 

「……ナナル、何で裸?」

 

「ユ、ユート様も裸です」

 

「そりゃ、僕は寝る時っていつもこれだろ」

 

「なら、私もパジャマなのは変ですよね?」

 

「……ナナル、それは抱いて欲しいというアピール。間違いない?」

 

 流石に無言で真っ赤になるナナルに、ユートは溜息を吐いて右手を差し出す。

 

「おいで」

 

 数時間の……初めての痛みと初めての快楽と初めての絶頂で気絶したナナル。

 

 その直後に扉を開けて、メイド服の侭のシエスタが入ってきた。

 

「では、私も可愛がって下さいませユート様」

 

「さん……だろ?」

 

「はい、ユートさん」

 

 原典以上の美貌と輝ける笑顔、そして肉感的に美味しそうな肢体は先程ナナルを相手に数発を出したばかりのユートの分身に、新たな力を滾らせる結果となり口付けをして、シエスタの肢体を心行くまで愉しむ。

 

 気絶をするまで何発も。

 

 アルビオン戦役が終結、邪神大戦が勃発をする頃にユートが孕ませた相手は、ジェシカとイザベラと更にカトレアとシエスタの四名だったと云う。

 

 ユートが邪神大戦直後、異空間に呑まれて一年後には四人共が出産、ユートが予め決めていた名前を与えられたのである。

 

「ユーワ、お父さんが帰って来たら抱っこして貰いましょうね」

 

「フフ、ユーラもね」

 

 イザベラはガリア王国、ジェシカは王都トリスタニアだったけど、シエスタとカトレアド・オルニエールで子育てをしている。

 

 まだ産まれて間もなく、弟や妹で子育ての経験持ちなシエスタだけに、貴族で子育て経験の無いカトレアは一緒に暮らす事に。

 

 ユートが消えて二年後、余計な茶々を入れんとする貴族家が増えた頃、異空間を破りユートが帰還する。

 

 二千年を越えて生きてきたユートは、邪神大戦の時より強く雄々しく……更には女の子も増えていた。

 

 それでもシエスタ達は、ユートの帰還を喜ぶ。

 

 ユートも子供達の誕生を喜び、出産に立ち合えなかった事を謝罪。

 

 以降、約百五十年を掛けてユートは生き続けたし、ユートの女はユートが死ぬまで傍らに在り続ける。

 

 ユートの転生後は特殊な場所――後にエリシオンと判明――に住まう。

 

 ユートが召喚すればそれに応え、それが無いならば其処で恙無く不自由せずに暮らしている。

 

 ナナル達、ユート御付きのメイドもユートの寵愛を受け続けたいと、【閃姫】になる事を了承していた。

 

 次代のユート、更に次代のユートに続く【閃姫】のある意味で筆頭シエスタ・シュヴァリエ・ササキ……それは永遠にユートの為のメイドさんである。

 

 

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