【魔を滅する転生○】シリーズ外伝噺集   作:月乃杜

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ペルソナシリーズ【魔を滅する転生仮】っぽい噺――ペルソナ3 魔法球内での説明を

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 ユートの宣言に皆が頷く。

 

「先ず、大前提として琴音や結城は扨置いて君らは全員がペルソナに付いて識っている訳だな?」

 

「うむ、それで間違いない」

 

 質問に返したのは桐条美鶴。

 

「その概要をどう捉えている?」

 

「力……だな。名前からしてまるで神か悪魔かとでも謂わんばかりの。私のペルソナであるペンテシレアもそう云うモノだしな」

 

「ペンテシレア……か。アマゾーンの女王であるペンテシレイアが大元となるペルソナだったな。オリンポス一二神が一柱たるアレスとオトレーレーの娘、詰まりは神々の血肉を分け与えられている英雄の一人だ」

 

 神殺しの魔王らしく来歴を語る、その正体とは彼の世界にて打ちのめした上で身も心も権能と共に簒奪した槍の神ランシア、ヒッポリュテとも深い関わりを持つ英雄でもあり、【Fate/】世界に於いては英霊の一人として存在しているらしいとは、元の世界で令和を生きた狼摩白夜からも聴いていた事ではある。

 

 尚、バーサーカーのクラスだ。

 

 どうでも良いが、嘗てはランスロットと名乗っていた彼女だが現在、女としてグィネヴィアと共にユートの下でランシアと名乗っている。

 

「アルカナは[女帝]だから、らしいっちゃらしいのかもな」

 

「アルカナ?」

 

「ペルソナはタロットカードに例えられるんだ。例えば桐条のペンテシレアはさっきも言っが[女帝]。真田のペルソナは何だっけ?」

 

「ポリデュークスだ」

 

「ほう、双子座と関わり合いのあるペルソナか」

 

「む? 双子座とは?」

 

「ポリデュークスとカストールという双子が星座に成ったモノ、そして僕は双子座とはちょっと関わりが深いんだよ。それとある意味でポリデュークスとは闘った事も有るでね」

 

 不滅(アタナシア)のポルクスを名乗る英魂士(スピリット)、“義憤と神罰の女神”ネメシスに仕える神の闘士の一人の事だ。

 

 ユートがトリトンの鱗衣を手に入れた闘いでの事象だった。

 

「カストール……」

 

「どうした?」

 

「今は離れてしまってはいるがな、俺の……ああ、友人であるシンジ――荒垣真次郎が使うペルソナが、要するにカストールだったんだよ」

 

「へぇ……」

 

 まぁ、原典を識っているから既知の情報だが。

 

 真田明彦と荒垣真次郎は同じ孤児院育ちの親友だったからか、ペルソナもまるで双子の如くポリデュークスとカストールを獲ている。

 

「取り敢えずだが、真田のペルソナのアルカナは[皇帝]だな」

 

「そういうモノなのか?」

 

「そういうモノだな」

 

 因みに、幾月修司は何で見てもないのに判るのかと首を傾げた。

 

「私と明彦のアルカナは判ったが、それでは緒方のペルソナのアルカナはどうなんだ?」

 

「[THE FOOL]、即ち[愚者]だ」

 

「[愚者]?」

 

「アルカナとしては0番、空虚にして無限の可能性を意味する」

 

「それは?」

 

「君らのペルソナは基本的に一人に付き一体だ」

 

「? そうだな。私がペンテシレア、明彦がポリデュークスと一体のみを召喚が出来る訳だ」

 

 よく判らないと、小首を傾げながら桐条美鶴は言う。

 

「[愚者]のアルカナ持ちはあらゆるアルカナをも扱える。複数のペルソナを扱える存在なんだよ」

 

「は?」

 

「複数の……だと?」

 

 桐条美鶴と真田明彦は驚愕した。

 

「そうだな、それに関しては見せた方が早いか」

 

 ユートは岳羽ゆかりを見遣る。

 

「な、何?」

 

「ちょっと召喚器を貸してくれ」

 

「あ、ああ……うん」

 

 太股に着けたホルスターから銀色の召喚器――拳銃にしか見えないソレをユートへと渡す。

 

「まぁ、これは飽く迄も“様式美”なんだけどな。ペルソナッ!」

 

 右手に持った召喚器を自らの顳顬に当てると、引き金を引いたら軽い衝撃を感じるユート。

 

 すると浮かび上がるペルソナ。

 

 ユートが憑けているのは八体で、内の四体に関しては通常のペルソナだが、残りの四体はアンドロメダの瞬を含めて特殊なペルソナだった。

 

『我は汝、汝は我……』

 

 まぁ、見るからにマゼンタなアーマーを持った緑の複眼、顔には黒いバーコードみたいな模様、腰に着けるはマゼンタなバックルのベルト。

 

『通りすがりの仮面ライダーだ! 覚えておけ!』

 

 仮面ライダーディケイドだった。

 

「確かに先程のペルソナとは違う」

 

「というか、本当にペルソナ……なのかこれは」

 

「いえ、それより仮面ライダーって特撮よね?」

 

 桐条美鶴と真田明彦と岳羽ゆかりが口々に視た感想を言う。

 

「しかも、仮面ライダーディケイドっていったら確か今年から始まったばかりの番組じゃん!?」

 

 驚愕に打ち震えてる岳羽ゆかり、西暦二〇〇〇年に仮面ライダークウガが始まって一〇作目という節目、これまでの平成仮面ライダーに変身をしながら闘う存在として、満を持しての放映だったのだとか。

 

「仮面ライダーディケイドがペルソナってのは、いったいどういう?」

 

「仮面ライダーディケイドの在り方はある意味に於いて、僕の本質に近しい存在だったからかね」

 

「うん?」

 

「クウガのカードを使えばクウガに変身をして、キバのカードを使えばキバへ変身が可能に成る。こうして変身をするのは謂わば模倣という、そして僕は模倣者(イミテイター)だからね」

 

 実際にはもっと別の理由、這い寄る混沌としての能力的なモノ。

 

 一〇〇を越える這い寄る混沌が集まった際に、それこそ【機神咆哮デモンベイン】のナイアなども含め、仮面ライダーディケイドも居た。

 

 そしてユートは自身も知らなかった事ではあるけど、【ゼロの使い魔】な世界に於ける最終血戦で自らが這い寄る混沌の一欠片だと知る。

 

 詰まり“仮面ライダーディケイド”というのは、アルカナ的に[愚者]に当たるペルソナであった。

 

 [愚者]のアルカナを持つのは虚無――零にして無限大の可能性を持つ者、例えば【ゼロの使い魔】の世界でゼロと呼ばれた義妹(ルイズ)みたいに。

 

 ユートは這い寄る混沌の一欠片であるが故に、同じく一欠片たる仮面ライダーディケイドを召喚が出来てもおかしくないし、その変身者とされる彼もまた虚無と無限の存在であったのだと云う。

 

 だからか? ユートが最初に召喚したペルソナは、同じ[愚者]のアルカナであるデモンベインだった

 

 デモンベインもまた、空っぽの器であるから。

 

模倣者(イミテイター)……ねぇ」

 

 岳羽ゆかりが呟く。

 

「そう、真似事だけは得意でね」

 

「真似事?」

 

「何なら、岳羽に変身でもしてみようか?」

 

「へ? 出来るの?」

 

「遣って見せるがどうする?」

 

「……ちょっと嫌かもだけど、怖いもの見たさはあるわよね」

 

 ユートは頷いて立ち上がる。

 

「な、何でジロジロと?」

 

「岳羽に成るなら確りと精査しかいとだからな。それじゃ、変身っ!」

 

 トランスフォームでは無く変身、何処かの【超生命体トランスフォーマー】の如くだった。

 

 ビーストウォーズ的な。

 

「うぇぇぇっ!?」

 

「エクセレント!」

 

「マ、マジか」

 

「これはこれは」

 

 岳羽ゆかり、桐条美鶴、真田明彦に加えて更に幾月修司が驚く。

 

 ユートの変化したその姿は、間違いなく岳羽ゆかりだった。

 

「変身したけど、どう?」

 

「うわ、声や仕草までそっくりなんですけど?」

 

 ユートの恐るべき変身能力には、矢張り驚愕するしかないらしい。

 

「私の変身ってのは完全に相手に成り切れるモノだからね」

 

「お、お願いだから元に戻って」

 

「良いけど……」

 

 頼まれ、ボンッと煙に塗れながら再びユートの姿に戻った。

 

「因みに、変身をしてしまうと基本的に本人と全く変わらない」

 

「そ、そうなの!?」

 

「だから完全変身は余りしないな、何故なら下手したらアイデンティティを侵されてしまうから」

 

「……と言うと?」

 

「例えば今の場合だと、元に戻っても岳羽らしい性格の侭に成ってしまって、緒方優斗の姿の状態で岳羽の様に振る舞ってしまったり……な」

 

 それを聴き岳羽ゆかりはゾッとなってしまう、それではまるっきりオカマなユートである。

 

(だ、だいいち……私の姿でイケない事とかヤれちゃうって事よね?)

 

 イケない妄想をしてしまった様、岳羽ゆかりは仄かに頬を朱色に染めながらユートの方を見詰めていた。

 

 ユートの変身は【千貌(フェイスレス)】という固有スキルで、【女体化】や【小型化】や【大型化】など小分けにしたモノ、岳羽ゆかりに変身したのは【千貌】そのものではあるが……

 

 尚、千の貌と云いながら読み方が貌無しなのは貌が無いとは逆説的に無限の貌を持つという事、何しろ千の貌とは八百万と同じ意味だから。

 

「ひょっとして、俺にも成れたりするのか?」

 

「成れるけど、この変身は飽く迄も変身した相手に成り切る。それは顔形だけじゃなく、性格や能力までも模倣をしてしまう。困った事にな」

 

「……と言うと?」

 

()()()()()んだよ、決して()()()んじゃ無くってな」

 

「成程な……」

 

 真田明彦がボクサーなのはしたいからであり、何らかの形で強制をされていた訳では無かった。

 

 強く成りたいのは自らの欲求で、云ってみれば遥かに強き欲望だ。

 

 ユートの【千貌】はアイデンティティを侵す、余り好きに成れないのはこれが奴の力だから。

 

 しかも、これはカンピオーネの能力で権能を獲たのでは無く、初めからユートの中に存在していた能力。

 

 ユートにとって宿()()でありつつ、それは()()でもある存在だから。

 

 完全に同族嫌悪であったと云う。

 

 まぁ、その所為でというよりお陰である意味だと【千貌】を使い熟せない、若し使い熟せていたらユートは這い寄る混沌化していた筈だ。

 

 実際、這い寄る混沌化していたらニャル子は於ろか、ナイアみたいな神格と成り果てていたであろう。

 

 尤も、その場合はニャル子がユートに興味を示さなかったろうけど。

 

 ニャル子の場合はユートの真逆、同族嫌悪では無く寧ろ()()()とも感じてしまったのである。

 

「さっきも言ったがアイデンティティの喪失とかは嫌だしな」

 

 ユートを這い寄る混沌では無くてユート足らしめているのは()()だ、何処ぞの世界線に於ける双子座が正しく自らの()を大切にしていた。

 

 だからこそ双子座のユート。

 

「処で、君が複数のペルソナを扱えるのは理解をしたけど、それに某かメリットは有るのかい?」

 

 幾月修司が訊ねて来た。

 

「まぁ、僕は複数のペルソナを同時に召喚が出来る訳だが、それ以外だとメリットは簡単だろう」

 

「ほう、それは?」

 

「例えば岳羽のペルソナ、イオは疾風系の魔法を得意とする」

 

「へ? 私は未だに召喚すらしていないのに?」

 

 ユートの言葉に驚く岳羽ゆかり。

 

「先程、君に変じたろ? これも言ったけど変身したら、その相手その者に成る。少なくとも今の能力の全てを既知のモノとして扱える」

 

「だから私のペルソナも理解(わか)ったって事なの?」

 

「まぁな。君のペルソナはイオ、でかい牛の頭骨に拘束され、目隠しした白いドレスの姿の女性って感じだな。その来歴はギリシア神話で女神ヘラに仕えた巫女の一人、天帝ゼウスに見初められたのが悲劇というか、浮気相手にされたからヘラの怒りを買った為に、ゼウスが白い雌牛に変えて隠そうとした。それがペルソナの姿に顕れている」

 

 全員がポカンと呆けてしまう。

 

「それは扨置き、疾風属性だからか雷撃には滅法弱い。当然ながら雷撃系のジオなんかを受けてしまえば引っくり返ってしまう。シャドウには特定の属性に耐性、下手したら無効化や反射や吸収をしてくる輩だって存在していたりするんだ」

 

「なっ!?」

 

 桐条美鶴が驚愕に目を見開いた、ペンテシレアは戦闘力も高いけど探査系の能力も持っている。

 

 だけれど実際には戦闘経験など、岳羽ゆかりと大して差は無いのだ。

 

 だからか、属性の優劣に関して未だに詳しくはなかった。

 

「疾風属性を無効化されたらイオは途端に弱体化してしまう。更に反射だ吸収だをされたら尚更」

 

「た、確かに……」

 

「僕なら疾風に耐性が有るシャドウが相手なら、ペルソナチェンジして弱点を突くだろうな」

 

「ハッ!」

 

 これには誰もが気付く、ペルソナチェンジという最大のメリットに。

 

「シャドウにせよペルソナにせよ、属性というものが有るんだ。詰まり火炎、氷結、雷撃、疾風、念動、核熱、祝福、呪怨、万能だな」

 

「そ、そうなんだ……」

 

 未だに其処ら辺には詳しくはない岳羽ゆかり、九つもの属性を説明されても理解はし難いもの。

 

「例えば、祝福属性のシャドウだ。こいつは祝福属性に耐性が有るね。上位のシャドウなら無効化するのも居るな。例外は有るが逆に呪怨属性には弱いから、僕ならペルソナチェンジで呪怨属性のペルソナに換えてから闘うんだろうね」

 

「確かにそれはメリットだよね。私のイオ? が電撃属性に弱いなら、それに強い人に守って貰えば良いのかしら? そして疾風に弱いシャドウにこそ私は実力を発揮する事が出来るって事ね?」

 

「そうなるな」

 

 だいたいの理解はした。

 

「因みに、結城 理と汐見琴音の兄妹のオルフェウスは火炎系のアギを得意としているみたいだな。火炎系には耐性は有るけどね、電撃と呪怨に弱いみたいなんだよな」

 

「そ、そうなのか?」

 

 桐条美鶴が驚く。

 

「オルフェウスは実際に視ているから判るんだ」

 

「そうなんだな……」

 

 まぁ、本当は【ペルソナ3】でのゲームをプレイして識ってただけ。

 

 オルフェウスとは初期ペルソナであるが故に、本当に大して強い訳では無いから困ってしまう。

 

 況してや弱点が二属性だから。

 

「なぁ、緒方?」

 

「ん?」

 

「魔法に関して教えて貰えないか? 俺自身は余り興味は無いが、矢張り知っていると知らないとでは色々と違ってくると思うからな」

 

「構わない。情報は有るだけ有った方が良いし」

 

 真田明彦からされた質問に、ユートがはっきりと頷いた。

 

「火炎系の魔法はアギ、アギラオ、アギダイン。範囲型はマハの名前が付くと思ってくれれば正解だろう。マハラギ、マハラギオン、マハラギダインって感じに変化する」

 

「アギが何故、ラギに?」

 

「それは知らんが、単にマハアギには成らなかったんだろう」

 

 その他の属性魔法。

 

 ブフ系やガル系やジオ系なども教えておいて、更に核熱であるフレイや、念動系のサイ、祝福系のコウガ、呪怨系のエイガ、更に同じく祝福系に属するハマや呪怨系のムド、【ペルソナ3】には無かったけど一応は衝撃系のザンも伝える。

 

「それと治療魔法でディア系だな。岳羽のイオが使える魔法でもある」

 

「へぇ、そうなんだ」

 

 岳羽ゆかりは頷くが、未だに召喚をしていない身としては困った。

 

 “情報は力也”や“未知こそ真の敵”を標榜する、それがユートの考え方であるが故に教えている。

 

 単にそれだけの事だ。

 

「ペルソナ。神や悪魔や英雄の名を冠する私達の違う側面……仮面か」

 

 色々と聴いて不思議な気分に成った桐条美鶴。

 

「現状、君らのペルソナは現実世界で使えない。特殊な異世界――大衆の記憶より顕現するという意味合いで“メメントス”とでも呼ぼうかね」

 

「メメントス?」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()とでも云うべき空間――それが現実に流入をしてしまった。謂わば集合無意識の顕現だ。非現実世界であるが故にペルソナを召喚する事が出来ているんだな」

 

「そういうモノなのか?」

 

「そういうモノだよ、桐条美鶴」

 

 ユートは現実世界でもペルソナ召喚が出来る、そしてフィレモンを源流とするペルソナ使いにしてもそれは同様、とはいえ【ペルソナ2】に於けるペルソナ使い達は事象が無かった事に成って、恐らくはペルソナ使いとしての能力は持たない。

 

 御影町で覚醒したペルソナ使い達は力を持った侭であるし、何なら【ペルソナ2】での事象でもペルソナの力を揮って一時的に同行した。

 

 だからだろう、南条 圭のペルソナ使いとしての能力を知るから一〇年前の研究にも至ったのだ。

 

 恐らくではあるが……

 

 尤も、飽く迄もペルソナの情報を獲られた程度だと思われ、研究には南条 圭が全く関わらないだろう。

 

 尚、ユートはアイゼンミョウオウをも使える。

 

 それだけじゃ無い、セイメンコンゴウやニケーなど御影町のペルソナ使い達のペルソナを普通に使えた。

 

 勿論だけど、珠閒瑠市組のペルソナも使える。

 

「さてと、明日も早いのだろう? そろそろ魔法球の外に出ようか」

 

「了解した」

 

 ユートの言葉に、代表して桐条美鶴が応えた。

 

「そういえばさ、緒方君にとってさペルソナっていったい何なの?」

 

「うん?」

 

 岳羽ゆかりの質問に暫し黙考……

 

「そうだな、困難に立ち向かう為の人格の鎧にして不条理に抗う反逆の意志って処……だろうか」

 

 そう答えた。

 

「……そっか」

 

 己れの意志が弱い者、そして内なる(シャドウ)に呑まれた者が力を暴走させてしまう。

 

 前者は例えば横内健太――通称はトロであり、取り敢えず見た目に違わぬ大食らいである。

 

 後者は【ペルソナ4】がそうで、そして藤堂尚也もそうだった。

 

(そして珍しいのが覚醒したペルソナの強さに呑まれての暴走、トロの様にシャドウと変わらない不完全な形での暴走や、【ペルソナ4】みたいなシャドウそのモノな暴走ともまた違う。ペルソナとして完成された状態での暴走だからな)

 

 真田明彦と同じ施設育ちであり、覚醒したペルソナを暴発させてしまった荒垣真次郎である。

 

 藤堂尚也の場合はアキにより実体化させられた事もあり、自分の中に潜む死んだ双子の兄としての人格であった藤堂和也、正しく藤堂尚也のシャドウが――『我は影、真なる我』として己れの本体たる彼を殺さんとしたのだ。

 

 知性を持つならば可能性を持つ、己が影と力の象徴であるとも云える人格の鎧を、即ちペルソナである。

 

 そう、人間のみならず犬でもロボットでも果てはシャドウも、それにユートは識らないがコンピュータープログラムのAIでさえも覚醒した。

 

 人格の鎧であるが故に、己れたる自我を持つならば覚醒が叶う。

 

 それがペルソナ能力なのだから。

 

 

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