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其処はユートからして不可思議な空間だった、明らかに雨宮 蓮をリーダーとする【ペルソナ5ロイヤル】の状況だった筈が、いつの間にか違った世界に投げ出されているかの様な? ルブランは閉まっていた上に、雨宮 蓮は於ろか佐倉惣治郎も佐倉双葉も居なかった。
雨宮 蓮は兎も角として、ルブランを経営してる佐倉惣治郎や引き籠り気味な佐倉双葉、二人が東京都世田谷区四軒茶屋に居ない筈は無い。
すわ、いつの間にか【ペルソナ6】に突入でもしたのか? とも思ったが、幾ら何でも雨宮 蓮を含む“心の怪盗団”が丸っと消えてしまうものであろうかと考えて、答えが出ないからスマートフォンを取り出すと電話する。
【イセスマ】の世界で造られてる一種の神器で、世界神が構築したから壊れないし、時空を越えて電話をする事すらも可能としているから。
相手はユーキ、義妹で【閃姫】。
「成程、詰まりこの世界観ってのはソシャゲ版の【ペルソナ5X】か。じゃあ、蓮や杏やかすみとかが居ないのも平行世界か何かだからか?」
〔其処はよく判らないな。だいたいボクがプレイしていた訳じゃ無いからね。白夜姉がプレイしていた経験から教わったんだからねぇ〕
「仕方が無いから友好関係を再び築かないとな。主人公やヒロインと、それから
【ペルソナ3】から親友枠みたいな男が居り、更にヒロイン枠は結構な人数が居たりする。
【女神異聞録ペルソナ】は男も何人か居るとはいえ親友枠では無いし、【ペルソナ2 罪】に於いては無理矢理に当て嵌めるなら三科栄吉と云えなくも無いけど、ちょっと違うとも云えるだろう。
そして【ペルソナ3】は伊織順平、【ペルソナ4】だと花村陽介、【ペルソナ5】の場合だと坂本竜司という感じに成っていた。
〔えっと、主人公は怪盗名がワンダーらしいけど本名は判らない。親友枠は加納 駿が一応当て嵌まるんじゃないかな? ヒロイン枠だと新井素子って事に成る? 多祢村理子が取り敢えずは先輩枠かもね〕
「ほうほう?」
最後に、メールでダウンロードされた写真を送って貰った。
「ふむ、この三人とワンダー君? を捜すかね」
東京の街並みは暮らしていたから判らなくは無いのだが、抑々にして東京都世田谷区三軒茶屋が【ペルソナ5】では四軒茶屋である。
実在の東京都と地形も違わない、だけど名前が微妙に違っている地名や店名も存在はしていた。
尚、喫茶店ルブランと同じ場所に存在している現実の店はたこ焼きバルの“たこはる”で、外観のモデルは隣のスナック“New Marina”らしい。
「うおっ!?」
夕方、行き成りサングラスにマスクに帽子を被った人間が自転車で大爆走、その速度でユートへと思いっ切りぶつかって来たのである。
「済みません……」
「いや、赦す事は出来ないな」
「……え?」
がっちり自転車を掴んだユート、当然の事ながら人型機動兵器を殴って投げる力だから、普通の人間の力ではどうにも成らないであろう。
しかも片手で自転車ごと持ち上げて連れ去る。
「なっ!? なぁぁぁぁっ!」
自転車で突っ込んで来た人物は、余りの驚愕に叫んでしまっていた。
そして影時間やタルタロス、テレビ空間やメメントスとも異なる異世界を展開して入り込んだ。
「え? 何、これ?」
大空は幾何学的な模様、ビルや家が変な形に、更に人間も動物は居なくなっている上に、風も吹かないし生温くて余りに重苦しい空間。
魔素や霊子や念素や練氣が大気に満ち充ちているこの空間、生命エネルギーや精神エネルギーを使った修業を遣り易いモノとなっていた。
「此処はアニマアニムス」
「た、魂や生命と精神と心?」
それは、男の無意識の女性像と女の無意識の男性像を意味している。
「随分と博識だな。教師か何か? それとも、大学の教授だとか?」
「が、学校の……教師です……」
諦めたのか声を出す。
「マスクにグラサンに帽子、ちょっと判り難かったけど女性なのか」
「“私立己刮学園高等学校”で数学の担当をしています」
「ふむ? 私立己刮学園……ね」
彼女が帽子を脱いでサングラスとマスクを外すと、ミドルショートで黒髪な美女が出てきた。
「か、片山久未と申します」
既に観念したかの様に俯く片山久未と名乗った美女教師で、其処までボッキュボンでは無いにせよスレンダーで美しい肢体であったと云う。
「どうして自転車で爆走なんて危険な真似をしたのかね? 況してや、教師がそんな生徒に示しが付かない事をするなんてな。見た感じ三十路にも成っていないみたいだし、未だ学生気分でやらかしたって話?」
「ちがっ! いえ、何を言っても言い訳ですね。それにイライラしてストレスを感じていたから、こんな事をしてしまったのだから。学生気分が抜けていないと言われても仕方が無いもの」
片山久未は項垂れながら言う。
新任では無いが教師に成って数年とまではいかない年齢、教員免許を取るには教育課程が置かれた大学にて単位を取得した上で、教育実習を経て大学の卒業時に申請する事で取得が叶うものだ。
最短なら二〇歳でも取れるけど、その場合は中学校までの教員にしか成れない筈だから、片山久未はきちんと大学を
因みに、ユートは再誕世界で教員免許を取得して麻帆良学園中等部の教師に成ったが、当たり前だけどスキップやら魔法やら裏技を駆使し捲って取得、だからこそ高校の教師は無理でも中等部なら教えていく資格を持っていた。
勿論、スキップは兎も角として魔法による裏技は褒められた行為では無いが、有りもしない免許を然も有るかの様に虚偽を用いた――のは学園長だけど――よりはマシである。
人、それを五十歩百歩と云う。
「これで万が一に、己刮学園の生徒に怪我てもさせていたらどうしたんだ? 教員失格で懲戒免職も最悪では有り得たんじゃ無いのかね?」
「そ、それは……」
確かに、有り得なかった訳では無いなと今更ながら考えさせられて、片山久未は蒼褪めてしまったのだ。
「それで……私はいったいどうしたら良いのかしら?」
「そうだな。美人さんだし、ベッドの上で愉しませて貰うかな」
「なっ!? それは……」
頬を赤らめながら後退る。
「実際、懲戒免職に成るよりかはマシなんじゃないかと思うが?」
「そうかも知れないけど」
「このアニマアニムスで起きた事は忘れてしまえば良い、この場で起きた事は無かった事にすれば構わないんじゃないか? それとも彼氏なり婚約者なり夫なりが居るのかな?」
「い、居ないけど……さ」
「だったら、犬にでも噛まれたと思って愉しめば良いと思うぞ?」
「貴方の相手をしたなら黙っていてくれると?」
「脅しの心算は無いが、折角の美人との邂逅でもある。貴女があんな暴走をしていたとはいえど、悪人だとは思えないってのも有るしな」
「……」
聖職者などとも云われる教職を、あの暴走を誰かにというより己刮学園に話されてしまえば辞職を迫られるかもだし、それだけなら未だしもマシで懲戒免職すら下手を打てば、確かに勧告されてしまうのだから。
この場だけの事、行きずりの一夜だけの行為、実は元ヤンだった片山久未は、大学生の時でさえ異性と付き合った経験は無かったりする。
一応は男の知り合いが居ないでも無いのだが、残念ながらそういう関係だった訳でも無かった。
(が、学校に黙っていて貰う為だし、仕方が無い……のよね?)
謂わば自己防衛の為の思考、こうだから仕方が無いのだと、自らの心情に防衛線を引いたのだ。
「わ、判ったわ。本当にこの場だけの事よね?」
「一期一会の出逢いとしてな」
案内されたのは正しくホテルみたいな部屋で、其処にはダブルベッドと冷蔵庫など家具が並べられており、何と云うか片山久未は現実に見た事など無いけど、まるでラブホみたいな内装だった。
勿論だけど、バスルームも完備がされている。
埃に塗れて肌を重ねるのもどうかと思えるし、片山久未は有り難く入浴させて貰おうと考えた。
「その、先に入浴をさせて貰って構わないかしら?」
「うん? 別に良いけど」
俯きながらバスルームに入ると着ていた服を脱いで、ハンドルを捻ってお湯を出すとシャワーを浴びる。
温かいシャワーを浴びていると逆に頭が冷え、本当に初めてがこれで良のかと思考が巡った。
だけどもう今更であろう。
レ○プ紛いの事をされないだけ理性的に行動をしているし、何故かは
日焼けもしていない白い肌がお湯によりピンク色に染まり、気持ちの良いシャワーにいつの間にか身心共に蕩ける思いでリラックスする。
キュ~ッとシャワーを停めると、バスタオルで肢体を隠しながら羞恥心を感じつつもベッドへ。
「あの、緒方君……」
「取り敢えず、恋人でも何でも無いけど肌を重ねようってんだから、せめて名前で呼び合おうか」
「わ、判ったわ……優斗君」
「此方は久未と呼ぼうか」
そう呼ばれてドキリと胸が高鳴り跳ね上がる。
彼氏が特に居なかった片山久未にしてみれば、こうしてベッドの近くで異性から優しく名前を呼び捨てされては、少しときめいてしまった。
そして一夜は過ぎていく。
外は異界だから情緒が無いけど、高校の教師である片山久未は昨夜の出来事が出来事だったが、七時頃には出勤をしなければ成らないから軽~く朝食を作ってくて、二人きりの朝餉と洒落込んでアニマアニムスを出ると、ホットショットという名前の黄色いスポーツカーで己刮学園の方にまで送ってやった。
勿論、運転免許証は持っている。
自転車もアイテムストレージの中に容れてあったから、ちゃんと片山久未に返してあるので彼女が家に帰るのに困る事は無いだろう。
「じゃあ、こっから先は赤の他人って事で構わないんだな?」
「え、ええ。学園まで送ってくれて助かったわ、有り難うね優斗」
これにて昨夜は何も無かった事に互いが合意、暴走自転車で事故り掛けた事も無ければ、況してや肌を重ね合ったなんて事実も無かった。
詰まりはそういう事だ。
勿論だけど、片山久未の胎内には初めてを貫かれた証が刻まれているし、ユートの白濁としている液体も未だに彼女の子宮に籠っている。
まぁ、妊娠はしないだろうが……
仮に妊娠をした場合は、ユートが責任を持って出産から子育てまで持つだろうし、本人が望むなら法的な責任もちきんと持つ事をする。
実際、内部の一年を外部の一日にする場所での出産を行う為、お腹が大きくなる前に其処へ入院をすれば誰にも知られず出産が可能だった。
そんな訳で問題無く送り出せる。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ユートはホットショットで無く、電車で帰る事にした。
渋谷駅の階段を上ると……
「キャアッ!?」
悲鳴が上がる。
赤紫色のボブカットな整っているソバカス顔な少女で、都立軌雅高等学校の制服の上から紫色のパーカーを着ているから軌雅の女生徒か。
胸部装甲は薄めだけれど、充分に美少女に当たるであろう。
「大丈夫だったか?」
「あ、有り難う御座います」
見た目に怪我は無さそうだ。
「痛っ!」
「どうした?」
「あ、足が……」
どうやら足を捻ったらしい。
「仕方が無いな」
「うきゃああっ!?」
お姫様抱っこをすると慌てながらも可愛らしい悲鳴を上げる少女、異性に抱き抱えられたのは初めての経験だったらしく真っ赤に成る。
「病院……よりは僕の家の方が早いわな。すぐに連れて行こう」
「え、ええっ!?」
ある意味で拉致だった。
ユートの家は四軒茶屋に在るタワマンであり、この渋谷駅から大して掛からないから直ぐだ。
とはいえ、この渋谷にもユートの家代わりとなるマンションが在る。
駅から数分だしさっさと向かう。
我が家の部屋に入り少女をベッドに座らせる、場所が場所だから俯きつつも彼女は大人しくして手当てを受け始終、居心地が悪そうだ。
「冷やしてテーピングくらいかね。単純に捻っただけみたいだな」
「は、はぁ……」
「だけど今日はもう歩かない方が良さそうだし、学校は休んだら……と思うんだけどな?」
「そ、そうでしょうか?」
「悪くしたら良くないからな」
ユートの仕事そのものはネットワークを通じてのショップ、いつもの通りに“まほネット”の構築をして色々な品物を売って生活している。
仕事自体は社員達がしているし、人手に関しては量産型茶々丸のカスタマイズである茶々号だ。
なので、決裁書の捺印などの仕事が主である。
毎日がン千万規模の儲けを出している訳だから問題も無く、ユートは毎月の億単位の稼ぎが出ているから一日を彼女の為に使っても大丈夫。
「朝餉は摂った?」
「え、はい」
頷く少女。
「昼は何を食べたい?」
「えっと、何でも構いません」
「判った、適当に作らせよう」
少女は『作らせる』という言葉に驚くしかないだろう、見た目は自分と変わらない年齢みたいだから奥さんでは無いと考えれば、タワマンに住まう辺りから家事代行か或いはリアルメイドさん?
詰まりはそういう事。
まぁ、実際は量産型茶々丸を使うだけだが……
「あの、私は平野亜蘭と云うんですが貴方は?」
「そういや、まだ名前を名乗っていなかったか。緒方優斗だ」
「緒方……優斗……さん」
ポツリと呟く平野亜蘭、何処と無くだったけど仄かに紅い。
とはいえ、見知らぬ異性からお姫様抱っこをされたり、その異性の個室に連れ込まれたりしたのは羞恥心を湧かせるには充分な事由か。
「それで亜蘭、君は取り敢えずこの僕のマンションに宿泊をするって事で良いんだよな?」
「あ、はい」
真っ赤に成るのは恥ずかしいというだけでは無くて、矢張り異性の部屋に泊まるのが場合によっては襲われるかも? という思いもある。
(何で私、こんな簡単に男の人を信じちゃってるんだろう? お、襲われたりしたらどうしようって思ってんのに。助けてくれたのを信じているからなのかな?)
これはユートが醸し出してる特殊なフェロモンの所為、何故か女性達がユートに対して警戒感を持ち難く成るなんて効果が有るのだと云う。
「茶々号に昼餉はカレーライスにして貰うかね」
カレーライスを嫌いな日本人……は居るのかも知れないが、それでも大人気な食べ物なのだから平野亜蘭も食べたく無いとは言うまい。
亜蘭の右足首には湿布の上にテーピングして、確りと冷やしつつ痛みが出ない様に固めている。
後は一応、ディアくらいなら掛けてあるので、明日には痛みも何も治まっている筈であろう。
それに亜蘭が可愛らしいからだけでは無くて、彼女の懐く強い欲望はペルソナ使いに成るかもだから。
(この世界はどうやら源流が近いみたいだしな)
【女神異聞録ペルソナ】や【ペルソナ2】だと源流は同じで、あれはフィレモンが謂わば力の源だとも云えるだろうし、這い寄る混沌もだ。
更に【ペルソナ3】の源流はニュクスであり、【ペルソナ4】の源流はイザナミだという事に。
そして【ペルソナ5】がヤルダバオトであったという。
勿論、この世界のペルソナの源流はヤルダバオトでは無かろうけど、狼摩白夜からの情報を精査した限りでは仮面に怪盗服を纏うらしいし。
ひょっとしたらだが、源流自体が近いのかも知れない。
茶々号が昼餉の準備をしている、そんな間にも亜蘭は鞄の中から仕事道具を取り出して絵を画き始める。
「へぇ、絵を画んだな」
「あのですね、漫画家のANRIって聴いた事ありませんか?」
「“怪盗ファミリア”の作者だな」
「実は私がそうなんですよ」
「ほう? 僕も漫画や小説を書いているからな」
「そ、そうなんですね」
オリジナルより模倣の方が得意であるのだとはいえ、【エロマンガ先生】の世界で小説を書いてみたり漫画を描いてみたりしていた。
元より美術関係自体は強いのだ。
スケッチブックに描かれるのは怪盗ファミリアの面々……では無く、どうやら今現在はユートの似顔絵的な絵を描いているみたいである。
「僕だな?」
「え、はい。職業病みたいなものでしょうかね、興味を持ったら人でも物でもこうしてスケッチをしてしまうんですよ。これどうですかね?」
「へぇ、随分と上手いもんだよな。流石は人気漫画家のANRIってか」
とはいえ、漫画家の絵柄には違いないから本当の意味で似顔絵とは違いが有り、ユートがその気に成って描いたなら別の絵画と成るだろう。
「折角だから僕も描いてみるか」
「……え?」
ユートはスケッチブックとイーゼルを取り出して来て、専用の画用紙や木炭などの用意をするとベッドに座る亜蘭を目標に描き始める。
「え、え? わ、私がモデル?」
驚きに目を見開く亜蘭。
「そりゃ目の前に可愛らしい女の子が座って居るんだしな、林檎だの石膏象だのを描いたって味気無いとは思わないか? 君は君で描いていれば良いから座った侭で居てくれ」
「は、はぁ……」
そう言われ亜蘭は俯き気味に描き続けている、矢張り恥ずかしいのか頬を朱に染めていた。
「私、別に美女って訳でもありませんけど……」
「確かに目を見張る美女って訳じゃ無いけどな、僕は充分に可愛らしい見た目だと思っているよ」
「うぇ!?」
亜蘭は変な叫び声が出てしまう。
自らも絵描きとして、ユートが既に描き始めているから邪魔は出来ないと、仕方無く手を動かしていた。
う~う~と唸っているけど。
単純に美女って意味では先日の片山久未の方が余程だが、ユートとしては亜蘭から裸で迫られたなら即刻ベッドに押し倒したいくらいだ。
絵のモデルには充分過ぎた。
約一時間後、ユートも亜蘭も行っていたデッサンを終える。
「うわ、本当に上手ですね」
「亜蘭もな」
画家と漫画家、絵の方向性こそ違うがどちらも上手く描けていた。
ユートは漫画家でもあるけど。
昼餉を摂って、漸く足に痛みが和らいでいた。
だから茶々号から案内されると、シャワーを浴びて何なら確り肢体を磨き上げるかの様に洗う。
当たり前だけど期待しているとかでは無いが、何しろ同じ屋根の下で異性と過ごすなら考えてしまうし、それが本当に成ればどうするか?
勿論だが、別に受け容れたいと思っている訳では決して無かったのだけど、矢張り万が一を考えてしまうのは
「ふぅ……」
姿見を見遣る、寸胴とまではいかないと思うけど柔らかさには欠くかも、胸部装甲も無いとまでは思わないが薄いのも確かであろう。
美女では無い、ユートは『可愛らしい』と言ってくれたけど、自分でも
「ソバカスは……人によりけりですか。緒方さんは可愛らしいと言ってくれましたが、人によっては余り良くない印象に視られますからね」
今までは特に気にしなかった自分の容姿だが、異性に視られていると意識をしたら気になる。
平野亜蘭は一般的な照らし合わせで視たなら、謂わば陰キャで独りを好む性質が強いタイプだ。
半引き篭りに近い。
勿論だけど嘗ての佐倉双葉みたいなガチ勢では無いし、内向的なだけで本当に引き篭りに成ってしまっていると云う訳では無いのだけど。
「す、少しは気にして貰えてるん……ですよね?」
自分の思考が少しおかしいと
女の子としての身の上を鑑みれば万が一なんて無い方が良い、然しながらいつの間にか万が一に備えようなんておかしな思考であった。
茶々号から出して貰った女物の下着を着けて、新たに服を着ようとしていたけどユートがバスルームへと入って来てしまい、真っ赤に成って肢体を腕で隠してしまう。
「え、何で?」
「未だ入っていたのか、済まない。茶々号がさっさと入れと急かすから君は出たもんだとばかり」
「い、いえ……」
その後は亜蘭がバスルームに入り、ユートはさっさとリビングへ。
更に一〇分くらい経ってバスルームから出る、ホカホカと湯気を立てながら肌もピンク色に。
リビングのソファーに俯きながらも座っている亜蘭、時折にチラッチラッと上目遣いでユートの方を睨んで来ているのが可愛らしい。
「お、緒方さんは……私の事を可愛いと言ってくれますが、そ、それは本当に思っていますか?」
「うん? そりゃ勿論」
「しょ、証拠を見せて下さい」
「証拠とは?」
「お、男の人は……せ、性的に興奮したらオチ……ン…………おっきく成るんですよね?」
しどろもどろな口調、血流が良く成り過ぎてか真っ赤な顔に、そんな亜蘭が小さな声で呟いた。
「見たいのか?」
「み、見たいと言いますか……私を可愛いと言うなら、ぜ、是非とも証拠を見せて貰いたいです。ち、知識は漫画のネタに成りそうですから」
勿論であるが亜蘭もRー18漫画じゃあるまいし、見せて貰ったユートのJr.を描く訳では無いかと思われるが、漫画家や小説家は知識が必要だから。
「フッ」
「な、何故に鼻笑い?」
「欲望が強い娘だなと思ってね。知識欲っていう処かな?」
「よ、欲望って……」
寧ろ、欲望とか言われて今思い付くのは性欲。
当たり前だけど亜蘭はユートに抱かれたいという訳では無い、だけど言っている事はまるっきり痴女のそれなだけに『欲望』は心にクる。
「まぁ、良いけどな」
こうして、平野亜蘭とはとっても仲好く成れたのだとか。
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次回が有れば佐原海夕かな?