オラリオで安らぎを提供するのは間違っているだろうか   作:瀧栄 瑛

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常連客②~アイズ・ヴァレンシュタイン&レフィーヤ・ウィリディス~

―レフィーヤSide―

 

ロキファミリアの遠征が終わってからアイズさんの元気がない。ティオナさんとティオネさんも気になっていたようで、アイズさんを部屋から引っ張り出して買い物に連れていくことになった。

まさかあんなに布面積の少ない店に連れていかれるとは思いませんでしたが……今思い出してもいくらなんでもあれはダメだと思います。でも、その後に行った店でアイズさんにとても似合う服が見つかったので良かったです!少しずつですが元気が戻ってきたような気もします!

 

その後、ティオナさんとティオネさんは用事を忘れていたらしく、お2人とは別れてアイズさんと2人っきりになってしまいました。まさかこうなるなんて思ってなかったので軽くパニック状態です。ホントにどうしましょう!?何か、どこかいい所はなかったかな……あっ!1ヶ所良さそうなとこがあった!あそこなら……

 

 

「あの〜、アイズさん?ここから少し行ったところにお気に入りの喫茶店があるんですけど、えっと、もしよろしかったら一緒に行きませんか?」

 

「…うん、いいよ。案内よろしくね?」

 

「っ!はい!行きましょう!その店、チーズケーキがすっごく美味しいんですよ!」

 

 

そして私たちは目的地へ向かって歩き始めました。

 

 

―レイSide―

 

 

喫茶店の時間の営業時間もそろそろ終わりが近づいてきた頃、お客さんがほとんどいなくなったので軽く店の清掃とバーの準備をしようとすると、扉の開く音が聞こえてきた。

 

 

「こんにちは〜。店長さん、まだやってますか?」

 

「いらっしゃい。まだやってますよ、レフィーヤさん……とアイズさんも一緒?初めてですね」

 

「はい。そうなんですよ…って、アイズさん『も』?それになんでそんなに親しげなんですか!?」

 

「アイズさんもうちの常連さんですよ」

 

「うん。ここには、よく来るよ。レフィーヤもよく来るんだ?」

 

「えぇぇぇぇ!店長さんなんで教えてくれなかったんですか!?」

 

「なんでって、聞かれてませんしね。とりあえずお2人とも座ってください。あと、ご注文はいつものでよろしいですか?」

 

「はい。いつもの、お願いします」

 

 

そう言ってお2人とも席に着いた。レフィーヤさんが

 

「まさかアイズさんもよく来てたなんて……」

 

などとブツブツ言いながら座ったのを横目に、厨房へと注文を伝えに行った。

 

 

お2人ともの『いつもの』というのは偶然にもチーズケーキとドリンクのセットだ。ただし、レフィーヤさんはスフレチーズケーキとカフェラテで、アイズさんは小豆チーズケーキと緑茶という極東風のセットだ。

実はお菓子に極東の食材をアレンジしたり組み合わせると意外と相性がいい場合があり、アイズさんのもそれの一つと言える。

料理が完成したので2人の座る席へと運ぶと、2人の会話が聞こえてきた。

 

 

「…ごめん、レフィーヤ。私が落ち込んでいたから、気を遣わせちゃって、それ気づけなくて、本当にごめん」

 

「違うんです。気を遣ってるんじゃなくて、私はただ、アイズさんの力になれたらって、そう思って……」

 

「…途中から口を出すのもあんまり良くないですが、僕からアイズさんに一言」

 

「店長…さん?」

 

「アイズさん、こういう時は『ごめん』じゃないと思いますよ?」

 

「!…はい。レフィーヤ、ありがとう」

 

 

それを聞いたレフィーヤさんは本当に嬉しそうに、少しだけ照れくさそうに微笑んだ。僕もつい頬が緩んでしまうのを自覚しながら、注文の品を出して下がった。少し経ってからふと2人の方を見ると、とても楽しそうに、自然に笑いながらチーズケーキを食べていた。




ギリギリではありましたが、なんとかセーフってことにしてください(震え声)

怪物祭編が想像以上に進まず、少し展開を見直してたら間に合わないなと気づきまして、急遽変更しました。

次回こそ、怪物祭編です!………多分

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