ゼノブレイド2.5   作:ナマリ

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クリアの感動忘れぬうちにと思って書かせていただきました。
ゼノブレイド2はUIがクソと言われていますが、UIの意味を僕は良く知らないので僕にとっては欠点がないゲームです。属性玉付けて割りまくるの楽しいですよね。


プロローグ

俺達の住む世界。アルスト。

 

 

 

 

かつて、この世界は“雲海”と呼ばれるものに覆われていた。

聞いた話だが、雲海とはその名の通り雲が海のように広がっていたらしい。

 

その世界で、人々は怯えていた。

 

俺達は巨神獣(アルス)と呼ばれる大きな生物の上に家をたて、水を汲み、作物を育てて生活している。

しかし、巨神獣(アルス)には寿命があり、その寿命が尽きれば巨神獣(アルス)は雲海の中へ沈んでしまう。上に住んでいた生き物達は共に沈むか、もしくは別の巨神獣に移り住むか…

しかし、寿命がある以上、どの巨神獣(アルス)に移り住んでも結果は同じだ。そのうえ、巨神獣の数は今までにないスピードで消えていく。

やがてすべての巨神獣(アルス)が滅び、このアルストにはもはや雲海しか残されないことになる。

その事実に人々はただ怯えるしかなかった。

 

 

 

 

 

しかし、世界にはまだ希望が残っていた。

雲海の中に大きくそびえ立つ…世界樹。アルストが出来るはるか前、世界樹の上にある世界。そこで人はこの世界を作り出した神と共に暮らしていた。天空に築かれた、豊穣(ほうじょう)の大地。昼を夜にするも、雨を晴れにするも、自由に変えることができる理想郷…“楽園”と呼ばれるその世界。

 

楽園がもし本当にあるのなら、この世界は滅び行く運命から救われる。

国々が残った巨神獣(アルス)を奪い合うことも、人々が怯える必要もなくなる。

 

 

 

 

 

 

―――それを信じ、楽園を目指した一人の少年が居た。

雲海から物資を引き上げ、それを売る。数多といるサルベージャーの一人だったその少年は、深き雲海の底に沈む古代船で、一人の少女と出会う。

 

“天の聖杯”―――神が生み出したという特別なブレイド。その胸には翠玉色(すいぎょくいろ)のコアクリスタルを持っているという。

その運命は偶然か、それとも必然か。それを見つけた少年は“イーラ”と呼ばれる組織。少年に依頼をしたその組織の一人が少年の胸を貫き、少年は死んだ。

だが、彼は薄れゆく意識のなかで、聖杯の少女と出会う。そして少女は少年にあることを頼む。

 

 

 

「私を、楽園へ連れて行ってください」

 

 

 

そして少年は天の聖杯と同調し、そのドライバーとなった。

少年は自らの命を救った少女の願いを叶えるため、草原を駆け、荒野を駆け、山をも越えていく。

だが、その道筋は茨の道。

聖杯を狙う組織、聖杯を破壊せんとする者。

彼ら剣を交えるのは、聖杯のドライバーとなった者の宿命だろうか。

しかし、少年は最後まで楽園を目指すことを諦めなかった。

聖杯の少女を囲むように守るのは、彼だけではない。

 

白い虎のような姿のブレイドを持つ、グーラ人の少女。“人工ブレイド”と呼ばれる存在と同調したノポン族の少年。

帝国の宝珠と呼ばれるブレイドと共に剣を振るう男装の麗人。雷を纏う大剣を操るブレイドと。(カメキチ)柄の眼帯を身につけたドライバー。

 

彼らと共に居るからこそ、少年は楽園を目指すことができた。

交錯する思いに、少年達を襲うあらゆる勢力に、それぞれの過去。それらを乗り越えついに少年は楽園へ辿りつく。

 

 

 

 

 

 

「これで終わらせる―――そして進むんだ…!」

 

「未来に!」

 

 

翠玉色(すいぎょくいろ)に輝く大きな剣が、光を纏って振り落とされた。

 

 

 

「これが私にできる最後の手向けだ―――後は託したぞ、わが子達よ―――」

 

 

 

 

 

 

少年の旅は無駄ではなかった。

その旅は、この世界に大きな変化をもたらした。

 

―――凍り付いていた時が流れ出したかのように。明けるはずのない夜が明けた―――

 

雲海はその姿を変え、空の色を反射する大きな水たまり、“海”へと姿を変えた。

 

巨神獣(アルス)は雲海の上から海の上へとその生息地は変わり、数多くの巨神獣(アルス)は一つとなり、一つの大地へと変化していく。

 

人々は滅び行くこの世界に怯える必要はなくなった。むしろ、新たなる世界が生まれたのだ。

 

少年はこの世界を救った英雄として讃えられ、共に旅した仲間も共に讃えられた。

そして今もどこかで幸せに暮らしている――――――

 

 

 

 

その少年の名はレックス。

壮大な物語の後、彼は自らのブレイド、二人の天の聖杯と共に旅をしているという。

――――――それが残る最後の記録。今の彼がどこで、何をしているのか。

それは誰も知りえない。

 

 

 

 

 

 

これは、俺が直接見たわけではないし、雲海が海になる瞬間を体験したわけではない。

俺は生まれた頃からこの雲海のない世界に生きている――――――多くの巨神獣(アルス)が一つとなった、今でいう“アルスト大陸”があることは、今となっては普通のことだ。

 

既に雲海が無くなってから20年。あらゆる国々は突然の変化に適応するのは簡単なことではなかった。

しかし、土地を奪い合う戦争をする必要はなくなったといえる。

数年の月日をかけ、新たなる新天地を開拓している国もあれば、未だ巨神獣(アルス)の上、もしくは中で過ごしている国も存在する。

 

 

 

雲海のなくなったこの世界で、俺は確かに生きている。

 

 

 

 

 

そして、俺は戦っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

つながれたこの未来を守る為に。

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