◇◇◇◇◇
「そういや思ったんだけどさ。」
「ん、何?」
リュウギとミントは体を乗り出して、風を感じている。
そろそろ夜も明けてきそうだ。
「ミントの父さんと母さんって、どういう人なんだ?」
「私の、父さんと母さん?」
「ん…あぁごめん。最初にミントが死ぬとき、父さんと母さんのところに行けるって言ってたからさ…」
「まぁ気になっちゃうよね…」
ミントはうつむきながら言った。
「私の父さんと母さんはもう死んじゃってるんだ。まだ私が5歳ぐらいの頃に。」
「どうして死んじゃったんだ?モンスターに襲われたとか?」
「いや、殺されたの。」
「殺された…?」
「うん。父さんと母さんは旅人でさ。リベラリタス
辛い思い出だが、ミントはその時の様子を思い出しながら語る。
「父さんと母さんは道を教えて、そのまま立ち去ろうとしたんだけど―――突然、その男が父さんと母さんを後ろから刺し殺したの。」
雨が痛いほど激しい夜だった。
「私は怖かった。父さんと母さんを置いて逃げていった。」
その男は父と母を殺し、満悦といった顔をしていた。
雨のせいで泥となった地面を走るのは辛く、体力もより奪われる。
その男は返り血を受けた顔でこちらを見ていたが、追いかけようとはしていない。
「それで、近くにあったイヤサキ村ってとこで保護された。旅人だったから地元とか、ふるさとっていうのがなくて。」
リベラリタス
サルベージが盛んで、村の子供はここで雲海に潜る練習を幼い頃からするという。雲海がなくなった後は、青い海へと飛び込む。
「そこで去年までずっと世話してもらってたんだ。私の故郷だよ。」
「へぇ…」
「ま、父さんと母さんが居なくても私は強い子だし。村の人達からは気が強いってよく褒められてた。」
「それ、褒められてるっていうか?」
「こう見えて、村じゃ一番サルベージ上手かったんだよ?めったに手に入らないものをよく引き上げてたし。
…それで去年から一人前のサルベージャーになるために、リストさんとこで修行ついでに働くことになったの。」
「中断していいのか?いくら俺のためとは言っても…」
「いいっていいって!恩返しのが大事だしね?」
ミントはリュウギに笑顔を返した。
「ところで、リュウギのお母さんと、楽園に行ったっていうお父さんはどんな人なの?」
「んー…父さんは俺が2歳ぐらいの頃からいないもんだから、ほとんど記憶にはないなぁ。」
「そっかー。やっぱお父さんと会ってみたい?」
「もちろん。俺の目的だしな。
―――母さんはそんな父さんのことが大好きでさ。昔っからしつこいぐらい父さんの話聞かされて。」
「うらやましいね。お母さんとそんなに話してみたかったなぁ。」
「母さんとそのブレイド、あとひいじいちゃんと4人…いや、ひいじいちゃんは
「
「別に血は繋がってないけど。ひいじいちゃんの上に家構えて、海を回遊しながら生活してたんだ。」
「
「別に金があるからそこに家を建てれたってわけじゃないけどさ。」
「今度行ってみたいなぁリュウギの家。
「おいミント。そろそろスペルビアに到着だ。」
リリオの運転する
全員準備を終わらせ、
スペルビア新帝国。
機械技術がアルストで最も発達した国家であり、軍事力もアルスト一。
このスペルビア新帝国はアルストの3つの国家の中で一番最初に遷都を始めた。
それもそのはず。このスペルビアの
機械技術のせいで帝都アルバ・マーゲンを除く国土の大半が荒廃し、資源不足に陥っていた。
そのため、どこよりも先に開拓を始め、以前よりも安定した生活を送ることが出来るようになった。
アルスト大陸と一体となったスペルビアの
移った。砂漠に囲まれた土地から、草原に囲まれた土地へと変わったのだ。
ちなみに「新」帝国となっている理由は、スペルビアがアルスト大陸を中心とする国家となったことと、前皇帝、ネフェルの死から新たに生まれ変わったということから。
そんな今もなお、機械技術を利用し発展を続けている。
「ここがスペルビアかぁ…どこからか勇ましい音楽が聞こえてきそうだね。」
ミントがスペルビアの大地を見渡す。
「さて、俺の役目はここで終わりかな。」
リリオが手を叩き、その言葉を発した。
「グーラに帰っちゃうんだよね?」
「あぁ。リストさんに報告しないといけないし、スペルビアからじゃアニマ傭兵団の本部には行けないしな。」
「ありがとうリリオさん。おかげで助かったよ。」
「これで恩は返した。また困ったことがあったら助けてやるからな。」
リリオとクロヒョウは再び
「ばいばーい。」
ミントが手を振って見送った。
「よし、さっそく世界樹までの船を確保しに行くか…」
リュウギとミント、そしてツバキは歩みを進め、スペルビアの帝都、アルバ・マーゲンへと向かう。
スペルビアの大地は草原に囲まれ、草花、生き物が息づいている。