ゼノブレイド2で一番の推しはニアちゃんです。最初見たときからエンディングまでずっとかわいい。
“サルベージャーの一団”
――――どこまでも続く、広大な大地。このアルスト大陸はかつてのスペルビア、インヴィディアなどの大国の
一つとなって生まれたもの。人々は、新たなこの大地に息づいていた。
すべての
その
したたかな商人達の共同体。以前よりもこのゴルトムントに来る人々は多くなり、訪れる3割はノポン族。
4割は物資の買い物客。残る3割はサルベージャー。
雲海が無くなった後、雲海の代わりとして彼らが飛び込むのは青い海。白かった雲海とは違うその姿に最初は怯え飛び込むことができなくなったサルベージャー達。雲海がなくなったことによってサルベージャーは過去の職業になるのではないかと危惧されていたこともあった。しかし、雲海から海に変わっても海の底には旧文明の遺産や多くの物資が残っており、中にはいまだ見たことのない宝まで。サルベージャーは過去の職業となるどころか、より発展していった。
人々で賑わうゴルトムントのバザール。中心には海の底から引き上げられた宝を鑑定する交易所。
その交易所のすぐ横には、依頼や指名手配犯などの多くの情報が載せられている中央掲示板が存在する。
「やれやれ…」
一人の初老の男性が、中央掲示板に貼ってある一枚の貼り紙をはがす。その貼り紙には「早い者勝ち!グーラのマル秘サルベージポイント!」と大きな文字で書かれていて、その文字の下には小さく座標が書かれていた。
「どうしてその貼り紙を剥がすんだ?」
初老の後ろに立つ、みずぼらしい服を着たがたいの良い男が初老に話しかける。
初老は大勢の買い物客の話し声にかき消されそうなほど小さい声で返事をする。
「詐欺だよ。近頃サルベージャーを狙ってこんなウソの情報を書いた紙を張るやつがいる。困ったもんだよ。
こいつらさえいなければ、私の仕事はほぼ皆無。休みがとれるというのに…」
「ほう?こんなデマカセだと分かりやすいものにひっかかるサルベージャーがいるのか?」
「どうだろうねぇ。頭の良いサルベージャー達ならこんなものにひっかからないと思うよ。私だったらこんな
怪しいものは無視して、おとなしくそこらへんでサルベージするがねぇ…」
「面白いな、こんなのにひっかかる奴らは・・・」
がたいの良い男性はそう呟き、買い物客の中へと消えていく。
◇◇◇◇◇◇
「はぁ…はぁ…」
深い森、高い湿気に包まれながら、サルベージャーの一団は重い荷物を持って、前へ前へと進んでいく。
先頭にはリーダーと思われる坊主頭の男性、後ろにはサルベージャースーツを来た三人の男、そのすぐ後ろにはサルベージに使う器具を台車で引いて運んでいる、15才ほどの少女。すぐ隣には大きな黒猫のようなブレイドを連れた一人のドライバー。全員で6人である。
「ねぇ、リストさん…もうそろそろ休憩にしませんか…?はぁ…」
台車を引いている少女が、先頭の男性へ声を出す。
「どうしたミント?交代してまだ30分だぞ?」
「長いって…私はもうクタクタ。もう歩けないです…」
ミントという少女が引く台車はだんだんとスピードを落とし、ついに止まった。
「そんなんじゃ、一人前のサルベージャーは遠いぞ?」
ミントのすぐ目の前を歩いていた若いサルベージャーがミントにそう言った。
「俺は3時間台車を引いた。」
「俺は2時間。」
「俺は1時間だぞ。」
先頭のリストという男性から後ろへと順に、自分達が台車を引いた時間を言っていく。
「みんなは成人で、しかも男でしょ…私はまだ15だし、女だし…」
「弱気になっていいのか?若い奴ほど体力あるんじゃないのか?」
ドライバーの男性がミントの肩をたたく。
「うっさい。じゃああんたが代わってよ」
ミントはドライバーの男性に厳しい一言。
「俺の任務はお前達の護衛だけだ。それ以上のことはやらん」
「はぁ、めんどくさいドライバーだね…言っとくけど、あんたのとこの傭兵団が一番安かったから依頼したの。
一応お金は払ってるんだから、ちゃんと仕事してよ?」
「もちろんだ。アニマ傭兵団最強のドライバーであるこのリリオがしっかりと護衛しよう!」
ドライバーの男は腰のツインリングを天にかかげてそう言った。
「はぁ…」
ミントはそれを見てため息をつく。
リーダーのリストは、身に着けている腕時計に目をやり、驚いたように言った。
「もう20時か…」
「ミントの言うとおり、そろそろ休憩タイムにしますかねぇ?」
前から2番目の男が、リストの肩をたたく。
「そうだな。無理は禁物。今日はここでキャンプにするぞ!」
その発言と同時に、ミントは両手を上げて喜んだ。
「やったー!ようやく休憩だ!」
一団は足を止め、台車の中から折りたたみ式の大と中のテントをサルベージ道具をどかして取り出す。
サルベージャー5人が協力して取り出した大と中のテントを開く。一瞬で開くため、当たらないように注意を払う。
テントの準備を終えたら、再び台車の前へと進み、今度は台車の中から大量の布団を取り出した。
バケツリレーのように布団をテントの中へと運び、テントの準備は終了した。
「さぁて、ここからが私の出番だ!」
ミントは台車から鍋やフライパン、食材の入った材料取り出す。リストやリリオ、他の者達はテントの中で談笑している。
そんなことは気に留めず、彼女は料理の支度を続ける。次にポケットからマッチや塩、胡椒などの調味料を取り出した。
今度は箱の中から1匹、魚を取り出してまな板の上へ。
「さてとぉ…」
包丁を取り出したかと思うと、鱗を丁寧に取り除き、一気に魚の骨を取り除く。
右半身と左半身になった魚をさらに二つに切り、一匹の魚は4つに分けられた。
再び箱から魚を取り出し、同じような作業を6回続け、5匹の魚が30の刺身へと分けられた。
分けられた刺身は、フライパンの中へと入れられ、ジュージューと音を立てて焼かれていく。
魚が焼かれていくのと同時に、フライパンの中でソースが作られる。材料はマヨネーズに塩と胡椒。
そして即席のタルタリソース。
「おいしそうな匂いだな…」
リリオが鼻をすました。
「タルタリ焼きだな。ミントの得意料理だ。」
リストがリリオに語りかける。
丁度そのすぐ後、料理は完成。四人のサルベージャーとドライバー、ブレイドがテントの外のキャンプの
火を取り囲み、円になって座る。
「さぁてと!いっただきまーす!」
「「「いっただきまーす!」」」
ミントの合図の後に全員がいただきますの挨拶を行い、一斉にミントの作ったタルタリ焼きを食べる。
口に入れた途端、みんなの顔が笑顔になっていく。それと同時に話も弾んでいくようだ。
「旨いな…お前、サルベージャーの前職は料理人か?」
リリオがミントに聞く。
「それ、褒めてるの?貶してんの?」
「褒めてるんだ。こんな旨いものはここ数年は食ってない。」
「うちのドライバーさんはケチでねぇ。いつも質素なもんしか食ってないんだ」
リリオのブレイドである、“クロヒョウ”が口を開いた。
「仕方ないだろ?うちの傭兵団は安いからこそ続いてるようなもんだし…」
「安い分、仕事は適当だよねー」
「でもうちのドライバーはその中でも真面目に仕事してる方よ?同僚のリクスなんて仕事放棄は日常茶飯事でねぇ」
「うっわ、リリオってマシなほうなんだ…」
「マシってなんだよ。確かに大手のフレースヴェルグには劣るけどさ…」
「じゃ、どうしてリリオは傭兵団で仕事してるの?」
「稼いだお金で昔の仲間に仕送りするためだ。」
リリオは胸に下げたロケットペンダントを開き、中の写真を懐かしそうに見る。
「俺、グーラのイラーダ村ってとこの出身なんだ」
「イラーダ村?聞いたことないね…」
「無理もない。20年以上前に野盗に襲われて滅びたんだ。グーラの端で、元から人に知られてないんだ。」
「そうなんだ…じゃ、そこの生き残りなの?」
「ああ。俺を含めた子供しか生き残りが居なくてな。野盗に復讐しようと思ったことだってある。」
「復讐を?」
「コアクリスタルを盗んでな。でも結局クリスタルは元の持ち主に返したし、復讐もしなかった。
俺達の代わりに、その持ち主のドライバーが野盗に敵討ちをしてくれたんだ。しかも身寄りのない俺達に居場所をくれたんだ。」
「へぇ、不思議な話があるもんだね」
ミントがリリオのロケットペンダントを見ながら言う。
「そこで俺は仲間と一緒にサルベージャーになったんだ。」
「リリオって前職サルベージャーだったの!?」
ミントが驚いた声を出す。
「ああ。ドライバーになってからはこっちの方が儲かるからこっちをやってるけどな。うちの傭兵団では
満足するような額が稼げるとは言えないが…」
「まぁ、傭兵団の中で一番安いとこだし…」
クロヒョウがため息をつく。
「俺を助けてくれたドライバーの人はサルベージャーでもあったんだ」
リリオは立ち上がりながら言った。
「―――俺はいつかその人を超えたい。サルベージャーとしても、ドライバーとしても。」
「そんじゃ、まずはドライバーとしてしっかり働いてね?」
ミントが立ちあがったリリオの手を引いて座らせた。
「さっきモンスターに襲われたとき、ちょうどトイレでいなかったし…」
「仕方ないだろ、下半身丸出しで戦えるかっての。」
そんな会話を交わしながら、ミントの作ったタルタリ焼きはすべて無くなった。
夕飯も食べ終え、それぞれが汚れた皿をミントに手渡す。ミントはその汚れた皿を台車の中に雑に置く。
「さ、もうそろそろ寝る時間だ。全員寝床に入って体を休め。」
リストが中心で命令し、ミント含めた他のサルベージャーが返事をする。既にリリオとクロヒョウは寝床についていた。
ミントはテントの中に入り、サルベージスーツに付いている取り外し可能のヘルメットを外して横になる。
その瞬間、何かを思い出したのか、おもむろの自分のリュックの中からアンティーク調のオルゴールを取り出した。
「これこれ…っと。」
オルゴールを開くと、美しいメロディが流れる。その曲を聴くと、どこか懐かしい気持ちになれるのだ。
「それ、さっき拾ったオルゴールか?」
ミントの横で寝ていたリストが気付いた。
「あ、ごめんなさいリストさん…起こしちゃいました?」
「いや、なかなか寝付けなくてな。もとから起きてた」
リストは微笑み、ミントの持つオルゴールに手を伸ばす。
「この曲―――グーラの子守唄だな」
「知ってるんですか?」
「ああ。昔トリゴの町に行ったとき、トリゴリウトの路上ライブがやっててな。そこで聴いたことがある。」
「グーラの子守唄…なんというか、心の奥に沁みる曲ですね…」
ミントがオルゴールを手の中で鳴らしながら、感傷に浸る。
「そろそろ寝ろよミント。明日も歩くんだからな。」
「あとどのくらいで着くんだろ…」
「うーん…3時間は歩くだろう。」
「げっ、まだ3時間もあるんですか…」
「疲れたくなかったら早く寝ることだな。おやすみ」
リストはそう言うと布団を首までかけて眠りに入る。
「おやすみなさーい…」
ミントも布団をかけて眠りに入ろうとする。
――――しかし、枕に耳をつけた瞬間、足音のようなものが聞こえた。
果たして、ミントが聞いた足音の正体とは…?