もうちょい捻ればよかったなぁって(
「ひっろいなぁ。帝都まで着くのにどれくらいかかるんだろうな?」
ツバキがため息をこぼした。
「大丈夫。もう帝都は目の前に見えてる。」
「マジかよ。はえーなぁ」
リュウギが指をさした先にはスペルビア特有の金属の建物の集合体。つまりそれがスペルビアの帝都、アルバ・マーゲンだ。
3人が数分歩くと、もう帝都に着いてしまった。
「なかなか栄えてるね。トリゴ以上だ。」
ミントが少し驚く。
この帝都アルバ・マーゲンは大国の中心であるため、人々の行き交う数はトリゴをはるかに凌ぐ。
あまりにも人が多すぎるからか、すこしうるさいくらいだ。
「世界樹までの出航状況ってどこで見れるんだろ?」
「掲示板とかじゃない?」
周りを見渡すと、すぐに掲示板が見つかった。
掲示板には手配書や仕事の要望などが貼られているが、出航状況は書かれていない。
「あっ、この手配書ってガーンじゃない?」
「凶悪指名手配犯ガーン…賞金は20万G…」
「に、20万…すっごぉーい!こんだけあれば1ヶ月は苦労しない!」
「この前捕まえとけばよかったかなぁ…」
「今は出航状況調べるんじゃなかったか?港まで行けば分かると思うが。」
「あー確かに。」
3人は掲示板横の帝都の案内図を頼りにスペルビアの港へと向かう。
帝都を通り抜ける途中、大きな茶色の山を見つけた。
それはかつてのスペルビアの
ここからでは小さく見えるが、実際はとても大きいのだろう。
帝都を通り抜けると、大きな港が見えてきた。
スペルビアの船以外にもインヴィディアなどの
「この辺りに受付あるかなぁ?」
「そこの行列じゃねぇか?」
ツバキが指をさした先に長い行列が。並んだらかなり時間がかかりそうだ。
「うわぁ…なっが…」
「仕方ないよ。気長に並ぼう。」
リュウギがそう声をかけると、その行列に並びだした。
「そこで運行表もらった。」
「おー。世界樹行きの船って出てるかな?」
ミントが一覧表を指で追っていく。
「あったあった。うーんと…3日後か。物資運搬で行くらしいね」
「物資運搬で行くのか?」
「そうだよ。前に世界樹まで行ったときも物資運搬のついでに行ったし。」
「へぇ、普通の船じゃ行かないのか。」
「だってあの世界樹だよ?いくらなんでも普通の船は出てないよ。」
そんな話題を交わしていても、いっこうに列は進まない。
すぐ近くでチョコットを買って食べたり、すぐそこの玩具屋でこそこそスニーキングなるボードゲームを買って遊んだり、ちまちまと列が進むのを待つ。
「あーっ!今ズルしたでしょ!?」
「してないって!こういうルールなんだよ」
「いや、説明書を見るとそんなルールはないが…」
ツバキが箱の中から説明書を出した。
「え゛っ!?でもいつもこういうルールで…」
結局、勝利したのはミントだった。リュウギはどこか腑に落ちない様子。
すでに数時間経過し、日も落ち始めていた。
立ちながら列を待つのは神経をかなりすり減らす。みな眠そうにして、うつろになり始めていた。
「次の方ー、どうぞー」
「あっ、もう次か…」
ようやく自分達の番となった。さっそく用件を言う。
「なるほどなるほど…世界樹まで行きたいと…」
受付のおばさんが手元の紙にペンで何かを書きながら、こちらをたまにちらちらと見る。
書き終わったのか、こんなことを言った。
「それで、手形は?」
「は?手形?」
ミントがボーッとそんなことを言った。
「そう。世界樹まで行くには通行手形が必要なの。持ってないとか?」
「え、えーっと…通行手形…うーん…」
「ミント、手形持ってるのか?」
小声でミントにささやく。
「も、持ってるわけないじゃん…そんなの知らないって…」
「早くしてくれませんかねぇ…後ろに人がたくさん並んでるんだから」
嫌味たっぷりに受付おばさんが言う。
「あのー…手形ってどこで手に入るんですか?」
「はー。そんなことも知らんとはねぇ…あんた、どこ出身?」
「リベラリタスのイヤサキ村…」
「そんじゃそこの村長さんに手形もらわんとダメだよ。国か村の長の許可としてもらわないと。」
「ええーっ!?でもうちの村長さん頭固いしなぁ…手形なんてくれそうにないし…」
「持ってないならとっとと下がりな」
受付おばさんに言われ、3人はしぶしぶ受付から外れた。
「ねぇリュウギ、あんたどこ出身?」
「言ったろ。ずっと
「あー…そっかぁ…」
ミントはうつむき、一呼吸置いて再び話し出した。
「ごめん。手形が必要だったなんて知らなくて…」
「…まぁ俺も知らなかったんだし、仕方ないって」
「これからどうしようか…」
「もう遅い時間だ。どこかの宿で一旦休憩としよう。」
ツバキの提案に賛成し、近くの宿屋ジャルカマロに泊まることになった。