もうすぐ休みなので書きまくっておきます。
「えっ!?借りる部屋は一つだけ!?」
「仕方ないでしょ、節約しなきゃダメだし。あっ、リュウギとツバキは同じベッドで寝てね。女の子にいたずらしないように。」
「誰もしないって!」
その横でツバキは小さな舌打ちをした。
3人は泊まる部屋へと入り、荷物を置いた。
「見て見て!この宿屋って温泉があるんだってぇ!」
ミントが宿でもらったスペルビア観光案内をリュウギに見せながら言った。
「温泉かぁ。ここ数年は入ってないな…」
「やっば!女時間はあと20分だって!ちょっと温泉入ってくる!」
ミントは荷物を持って駆け出し、部屋から出て行く。
「はっや…」
その後、20分も経たないうちにミントが濡らした髪を拭きながら戻ってきた。「あんたたちも入ってきたら?」と言われ、ツバキとリュウギはしぶしぶ温泉へと向かった。
「あぁ~…良い湯だなぁ…」
リュウギが湯の中から顔を出した。
「なぁリュウギ、お前のそれって…」
ツバキが手で顔を拭きながらリュウギの胸を見る。
「コアクリスタルだよ。金色なんて珍しいだろ?」
「つまりはお前もブレイドか?」
「いやー…ブレイドではないかな。似たようなもんだとは思うけど…」
「なるほど。大体わかった…」
「分かったって何がだよ。」
「ま、ミントには内緒にしといてやる。」
「いや、ミントも知ってる。」
「マジかよ」
「別に隠してるわけじゃないし。ブレイドと同じで、なかったらそれはそれで俺の命が危うい。」
「しっかし金色かぁ…うらやましいな。俺の青色なんてありきたりだよな?」
「まぁそうかな。でも世の中には翠玉色のブレイドなんかもいるし。」
「天の聖杯…か。」
「あれ、ツバキ知ってるんだ?」
「あぁ。前のドライバーの記憶はないが…言葉や常識、知識とかは忘れてないからな。」
「へぇー…」
数分温泉の中で雑談した後、二人は温泉から出て宿の部屋へと戻る。
「どうだった?男二人、みずいらず?」
「まぁ、そんなとこかな。」
「もう一人女の子の仲間欲しいなぁ。一人で温泉はすこし寂しかったよ。」
「そりゃそうだろうなぁ…」
と、リュウギが相槌をうつ。
「それとさ…ごめんね。楽園に連れて行くって言ったのに…」
「気にしなくていいって、じっくり考えよう。他に方法あるかもしれないし…」
リュウギはタオルで頭を拭きながら、布団の中へと足を入れる。
「疲れたし今日はもうおやすみー。」
「はいはい、おやすみー。」
ミントが返事をし、同じように布団に入る。
「俺は…」
ツバキが言うと、ミントが指でリュウギのベッドを指す。
「そっち」
「はぁ…これでも俺はミントのブレイドだってのに…」
ぶつぶつ言いながら、しぶしぶリュウギの布団にもぐりこんでいく。
宿屋ジャルカマロに数人もの足音が入ってくる。スペルビアの兵士達だ。
宿屋の主人の前で立ち止まり、先頭の女性が声を出した。
「銀髪の少年にブレイドを連れたサルベージャーの少女がここに泊まっていると聞いたが…」
「あぁ、そんな子達なら確かに泊まっているけど…」
「どこの部屋だ?」
「204号室かな…何か問題でも?」
「犯罪者なのでな。危険人物は私達が対処する。」
そう言うと、兵士の一団は階段を登り、204号室へと向かう。
204号室に辿り着くと、鍵のかかっていなかったその扉を開け、大の字になって寝ているミント、むさくるしそうに眠る
リュウギとツバキに銃口を向ける。
「うーん…あっつ…ん?」
頬に冷たいものが触れ、ふいに目が覚めた。
「なん…!?だこれ…」
スペルビアの兵士達が自分達に銃を向けている。
「動くな。手を挙げろ」
リュウギは命令された通りに腕を挙げた。
「何々騒がしい…ひゃっ!?」
ミントも合わせて目が覚めて驚いた。
すると、扉の外から腰にサーベルを携えた女性が入ってくる。
「トリゴでの給水塔破壊の容疑で逮捕する。皇宮までご同行願おうか。」
「メッ…メレフ様ァ!?」
ミントが頬を赤くして手でおさえる。
「惚れてる場合かっての…」