ザンザさん好きです。ああいうキャラ大好きです。
◇◇◇◇◇◇
しばらく道を進むと、鉄製の扉を見つけた。
ガチャリ。
扉の先には兜を脱いだ兵士たちが数十人集まって、おかゆを食べていた。
「あれは…」
「さっき捕まえた指名手配犯だ!」
兵士達がこちらに気付くと、すぐに側にあった機関銃を持ち出した。
「うわぁまずい!どうしよう!」
「…ええい、とにかく突っ切るぞ!」
リュウギの大剣の中心の文字が「炎」に変わり、炎を噴出させながら走り出す。
ミントはナックルクローで兵士達を攻撃し、退けていく。
すでに皇宮中に知れ渡っただろうか。食堂を抜けた先には既に銃を構えた兵士が待ち構えていた。
「アースドライブ!」
ツバキの技で兵士達を吹き飛ばし、倒れた兵士たちを踏みつけながらさらに進んでいく。
「ねぇ、もうこれヤバいんじゃない?」
「炎の輝公子が来る前になんとしても出ないと!」
皇宮は思ったよりも広く、曲がり角を何度も曲がり、今度は会議室のようなところへ出た。知らせが皇宮中に広まったからか、誰もおらずがらんとしている。
「誰もいないな…」
「一旦ここに隠れる?」
「いや、隠れてもまた来るだろ。…」
その瞬間、外から足音が聞こえ、会議室の中に隠れる。
「ごめんね。私のせいでこんなことになっちゃって…手形のこと知ってれば捕まらずに楽園に行けたのに。」
「いいって。とにかくここから生きて帰るのが先だ。」
兵士の足音が聞こえなくなった瞬間に部屋から出て、近くにあったエレベーターに乗り込む。
「敵が目の前にいるかもしれない。構えろよ。」
ツバキが言い、二人はエレベーターの個室の中で敵の攻撃を構える。
しかし、その先には誰もいなかった。
「出口が見える!」
「よし、このまま突っ走って…」
3人がエレベーターから降り、出口に向かって走り出すが、突然、青い炎が目の前を塞いだ。
「蒼炎…まさか!」
リュウギが大剣を構え、炎の先を目を凝らして見る。二刀流のサーベルを持った炎の輝公子メレフが現れた。
「捕まって早々に逃げ出すとは…命知らずも居たものだな。」
「悪いがこんなところで捕まってる時間は無いんでね。楽園への道、断たれてたまるか!」
「楽園だと?」
メレフが刀を構えながら問う。
「なぜ楽園を目指す?」
「母さんとの約束なんだ。楽園に行って父さんを連れ戻す!」
「確証はあるのか?父が本当にそこへ行き、今もそこに居るという」
「ないさ…でも」
リュウギは拳を強く握り締めた。
「父さんは死んだりなんてしない!母さんは誰よりも父さんのことを知ってる!」
「私は助けてもらったし、その恩返しってことで」
「ほう?本当に楽園を目指すというのか…」
「ならばその意志、等しく力で見せてみろ、少年!」
メレフは両手を広げてサーベルを構えた。
それと同時にリュウギも大剣を振り上げ、ミントも構える。
「メレフ様と戦えるなんてこれ以上ない経験というか…」
「何言ってんだ。行くぞ!」
大剣の中心の文字が炎に変わり、大きな炎波を出した。
メレフはサーベルで打ち消し、カグツチに剣を投げ渡す。
カグツチはリュウギに迫り、サーベルの乱撃を喰らわせる。
大剣で防ぎ、最後の一撃をかわして横から思い切り剣を降った。
「ダブルスピンエッジ!」
「ぐあっ!」
カグツチが叫んだ。
メレフが駆け寄り、剣を持ってさらに攻撃を加えた。
「横から!」
ミントがナックルクローを剣に突きつけた。
「戦うのは気がひけるけど、やらないといけないなら!」
「まだまだ初心者だな…その程度の攻撃!」
メレフは二人の攻撃を退け、後退する。
カグツチと剣を分け合い、そのサーベルをしならせる。
「蒼炎剣・弐の型・閻魔!!」
大きな炎が迫る。大剣の文字を「水」に変え、迫り来る炎を蒸気へと変えた。
「水だと!?」
「あの少年、今まで炎の技を使っていたはずでは…」
「ただのブレイドではないようだな… ならばこちらも全力で!」
メレフとカグツチが走り出し、炎の弾を出現させる。
それを水の弾で次々と蒸発させていく。互いの体にはいまだダメージはないが、疲れは溜まりはじめていた。
「フレイムノヴァ!」
巨大な球状の炎がメレフを包み込む。
「この程度か!」
それを破壊し、リュウギのほうへ走り剣を振る。
「今だ!ツバキ!」
「ああ!ランディックブレイク!」
さらに土の球がメレフの周りに現れ、攻撃を行う。
サーベルの一太刀でそれらを破壊する。
「コンボか…だがその程度の攻撃!カグツチ!」
「陽炎!」
大きな炎の球が二人を攻撃する。
「ぐっ…」
「私がメレフ様をひきつける。その内に一撃を!」
「ああ、頼む!」
「言っとくけど、殺さないでね?」
「了解!」
ミントが走り出し、メレフに攻撃を加える。
「芸がなさすぎるぞ!」
「ツバキ!」
ナックルクローを投げ渡し、ツバキが手を大きく広げた。
「アースエンド!」
土の塊が勢いよくメレフへと攻撃し、カグツチがそれらを燃やして炭と変えた。
「これで…!」
大剣の文字が「水」から「斬」へと変わった。
「ハアァァァーッ…」
強く力を込め、剣を振る。
「ディバインソード!」
水の玉がメレフとカグツチの周りに浮かび、爆散した。
その衝撃に二人は後退した。
「ぐっ…今の攻撃は…」
ミントがナックルクローを腰に戻し、リュウギはその剣の先をメレフに突きつけた。
「これで分かっただろ。俺の力…邪魔されるわけにはいかないんだ。」
地面に落ちた水溜りに炎を向け、煙が出現。
その煙が消えた後、三人の姿はなかった。
「逃げられたか…」
メレフは落ちたサーベルを拾いながら言った。
「メレフ様、あの少年の攻撃…」
メレフは顔を暗くし、地面を見つめた。
「メレフ特別執権官!」
後ろから数人の兵士が現れた。後ろからワダツミもついてきたようだ。
「すまない。ペルフィキオの調査をしていて遅れてしまった。それで脱走した者達は?」
ワダツミが言った。
「すまない、逃げられてしまった。」
「そうか…」
「ワダツミ、それに兵士の皆に頼みがある」
「はいっ!なんでございましょうか!」
「今すぐ帝国内の船をすべて停止させろ。彼らをなるべく早く捕まえるんだ」
「了解だよ」
「ですがメレフ執権官…」
「もうあの少年はいいのではないでしょうか?給水塔を破壊したとはいえ、彼らより大事なことが…」
「いや、あの少年…ただの犯罪者ではない。二つの属性を操り、あの攻撃…」
「メレフ様、カルマ皇帝へ報告へ行った方がよろしいかと。」
「そうだな。ワダツミ、あとは頼んだぞ」
メレフとカグツチは近くのエレベーターに乗り込み、ワダツミの周りの兵士は敬礼をしていた。
◇◇◇◇◇
「ここまで逃げてきたけど…」
ミントは手をつき、ゼェゼェを息を吐いている。
街から離れた原っぱに横たわっている。
「これでもうスペルビアの船も使えないだろうね…」
「まぁ…仕方ないさ。」
リュウギがため息をつく。
「それに宿もな。」
「えーっ!じゃあ今日は野宿する…ってこと!?」
「まぁ、仕方ないだろうな…」
ツバキが腕を組んでいると、風に吹かれて一枚のチラシが飛んできた。
「ん?なんだこれ…」
チラシには下手な字で「簡単なアルバイト!」と書いてある。
「おいミント、これ…」
「何々、“トラ・ブレイド研究所…サルベージと部品集めしてくれる人募集中だも…”」
「何だそれ?」
リュウギが顔を覗いた。
「アルバイトついでに泊めてくれるかも…」
「んなことあるかよ」
「一応!ダメもとで行ってみようよ!」
ミントが強く言った。
「確かにこのままじゃ何も出来ないしな…行くか。」
ここでキャラクター紹介
〈カグツチ〉
メレフのブレイドであり、「帝国の宝珠」と呼ばれる蒼炎を操るブレイド。代々スペルビア皇帝に仕えている。
連結型のサーベルを持っており、しならせ色々な形に変えることが出来る。
コアに戻る前の日記を肌身離さず持っており、そこには過去の出来事も書かれている。
リュウギの正体をメレフと共に探ろうとする。