もう日も沈み、闇が世界を覆いつくす。
リュウギとミント、ツバキがチラシに書いてある地図を頼りに進んでいく。
どうやらブレイド研究所があるのは街からかなり離れたところらしい。
アーチ上の地形を抜けた先に、木製の建物が見えた。
中からはがちゃがちゃと騒がしい音が聞こえ、家の前には巨大な看板が立っている。
「トラ・ブレイド研究所」
「ここかなぁ?」
「看板見る限りそうだろ。」
3人は建物にあった扉に近づき、3回ノックをした。
しかし、中の騒ぎはいっこうに消えず、誰も出てこない。
再び3回ノックした。
「あのー、すみませーん!チラシ見て来たんですけど…」
ついに扉がガチャリと開いた。
中からは白い毛の小さなノポンが出てきた。
「もーっ!ついにバイト来たも!師匠ー!」
ノポンが扉を閉めた後、走っている音が聞こえた。
数分後、また再び扉が開いた。今度は茶色の毛の大きめのノポンが出てきた。
「ほんとだも!人に会うのは久しぶりだも!さぁさぁ!中に入ってくれも!」
そのノポンに背中を押され、3人はその中へ入っていった。
中には大量の機械がギシギシと音を立てて動き、いたるところで歯車が回っている。
奥からはさきほどの白いノポンと二つの小さな銃を腰に携えた男性が現れ、その後ろから走って機械を体にまとわせた少女がやってきた。
「トラのブレイド研究ナカマだも!」
「ブレイド研究…?」
リュウギが首をかしげた。
「その名の通り、この世の全てのブレイドを研究し、世のためになるようなことを目指しているんだも」
「へぇー…」
ミントが腕を組んで言った。
「ちなみにあそこに居るのは僕の弟子のウマ、その横にいるのは世にも珍しいエーテルツインガンを持つウマのブレイドのアスカ、そしてトラの最大の発明!人工ブレイドのハナだも!」
「ほぉ、人工ブレイド!」
ミントが驚いて声を出した。
「ハナって言いますも。よろしくお願いしますも!」
「それじゃあウマは三人を客間に案内しても。トラはお茶持ってくるも!」
トラという茶色いノポンが人工ブレイドを連れて奥に消え、白いノポン、ウマに連れられるがままに奥の部屋へと案内された。
ふかふかの赤いソファに透明なテーブル。さっきの部屋と比べて小綺麗だ。
3人はそっと腰をかけた。
「3人はやっぱりアルバイトで来たのかも?」
「え?えぇまぁ…」
リュウギが頭をかしげた。
「良かったもー!あのチラシ貼ってから全然人が来なかったんだも!これで10ヶ月になるも!」
「10ヶ月も…」
「まぁ怪しいチラシだったし…」
「そういや名前聞いてなかったも。オトコの子のほうはどんな名前だも?」
「俺はリュウギ。色々あって街の宿で泊まれなくなってさ…」
「私はミント。バイト代はいらないからちょっと泊めてほしいなぁ…って」
「俺はツバキ。言うことは特にない。」
「そーなのかも!大丈夫だも!うちの研究所は広いし、師匠の心も広いからきっと泊めてくれるも!」
「おー!そりゃ良かった!」
ミントが手を叩いて喜んだ。
「せっかくだから見て欲しいものがあるも!」
ウマが後ろを振り返り、カーテンを開ける。
そこにはさきほどの茶色いノポン、トラとその人工ブレイド、ハナが立っている絵が飾られていた。
「師匠はアルストで初めて人工ブレイドを作り出した大天才だも!しかもいくあてのないウマを拾って弟子として受け入れてくれたノポンの鑑だも!」
「へ、へぇー…」
「もー!ウマ!それトラがやろうと思ってたのにー…」
トラが扉から現れた。人工ブレイドのハナがお茶の置かれたお盆を持っている。
「師匠!この子達、宿に泊まる金がなくて、アルバイトついでにここに泊まりたいらしいも!」
「もちろん大丈夫だも!見たところ女の子のほうはサルベージャーかも?」
「はい、そうです!」
「良かったもー!ちょうどサルベージしてほしいものがいっぱいあったんだも!…でも今日はもう遅いからまた明日だも!」
「ご主人、そろそろご飯の時間にしますかも?」
ノポン二人のペースにのせられ、3人はハナ特製の夕飯を食べることに。
あまあまういんなが皿いっぱいに載せられ、二人のノポンとウマのブレイドががつがつと食べている。
3人も負けじと食べ始める。
「この武器すっごいも!後で調べみてもいいも!?」
食事中、トラがリュウギの傍に置かれた大剣を舐め回すような目つきで見る。
「え?別にいいけど・・・」
「ええっ!?リュウギくんってブレイドなのかも!?金色のコアクリスタルだなんて珍しいも!」
ついつい口を滑らせ、ミントが言ってしまった。
「あっ、ごめん…」
手をあわせ、申し訳ないという顔でリュウギを見つめる。
「ブレイド研究してきて2、30年!そんなブレイドは初めて…」
「師匠、リュウギくんたちも困惑してますも」