ゼノブレイド2.5   作:ナマリ

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モナドっていいですよね。振り回してみたいです。漢字が浮き出る剣なんてもはや男のロマンの具現化じゃないですか。


“ブレイドの種類とその存在について”

◇◇◇◇◇◇

 

 

食事の後、リュウギは紅緋色の大剣や、胸のコアクリスタルをトラに見せた。

 

「ほー…青色でも、赤混じりでも、翠玉色でもないも…」

 

トラが首をかしげながらじーっと見つめる。

 

その頃ミントはお風呂を借りていた。浴室は汚いが、入れないよりはマシだ。

 

風呂場を抜けると、リュウギとトラ、そしてウマが椅子に腰かけその剣をまじまじと見ている。

それを横目にしながら進んでいくと、図書室があった。

 

図書室といえるほど大きくはなく、本棚が5つしかない。しかし本はパンパンに敷き詰められている。

 

「どれもブレイドに関するものばっか…」

 

ブレイドの秘密、ドライバーは語る、天の聖杯について…ブレイド研究所に相応しい本ばかりだった。

だがどれもほこりを被っている。まったく読んでいないのだろうか。中にはブレイド関係なく「萌え萌えパンジーちゃん読本!!」なる本も。トラの趣味だろうか。

苦笑いで本棚を目で追っていくと、一つの本に目がついた。

 

「“ブレイドの種類とその存在について” 著者:エチェル・C・レビア…」

 

その本を手にし、かぶったほこりを手ではたき、表紙をめくった。

 

 

「基礎知識 ブレイドとはコアクリスタルから生まれる亜種生命体。ドライバーと同調することによってその姿を持つ―――」

 

「天の聖杯 神が生み出したという特別なブレイド。記録によると僕(デバイス)と呼ばれる兵器を使役していたという。黒き聖杯、メツはアーケディアのマルベーニと同調し、翠玉の聖杯、ヒカリはイーラのアデルと同調した―――」

 

「ブレイドイーター 亡国ユーディキウムの技術によって、人間にコアクリスタルを移植することによって生まれる存在。すべてのコアを移植されればブレイドと等しい存在となり、一部であればそのブレイドの能力が扱えるようになるという―――」

 

「マンイーター ブレイドに人間の心臓などといった細胞と融合させることによって生まれる。ブレイドにとってドライバーと共に生き続けることができる方法。人間の細胞を手に入れたブレイドは普通のブレイドと異なり、さらなる能力を有するという―――」

 

事細かにあらゆる種類のブレイドについて書き記されていた。ミントの知らないところまで。

 

「いろいろなブレイドがいるものだねぇ…」

 

再びページをめくると、そこには見たことも聞いたこともない単語が載っていた。

 

 

 

「ハーフ…ブレイド…?」

 

「ハーフブレイド 前例はわずか一体のみ。ユーディキウムでのマンイーターと人間との交配実験により生まれた。人間の細胞とコアクリスタルの完全なる融合であり、成長すれば天の聖杯をも超える強力な存在になるのだという。一説によるとマンイーター、そしてブレイドイーターの存在はハーフブレイド誕生の副産物だと言われている――――」

 

 

「私には病に侵された愛する娘がいる。不死であるブレイド…その力があれば助かるかもしれない。私はこのブレイド研究による成果、そして知識をこの本に書き留めた。この記録があなたの手助けとなるよう。」

 

最後のページはこの言葉で終わっていた。

 

「何見てるんですも?」

 

突然ハナが顔を覗き込んできた。

 

「うおぉっ!?…なんだハナちゃんか。ごめんね、勝手に本読んでて。」

 

「心配ないですも。ご主人は大量に本を買ってまったく読んでないんですも。実質ゴミみたいなもんですも。」

 

「ゴミって…」

 

「それ面白かったですも?」

 

「まぁまぁかな…でもドライバーになりたての私には有益な情報得られたかなって。」

 

「それはよかったですも。さぁ、明日に備えて早く寝ますも。」

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

「おいっちにーさんしー」

 

ミントが外にあるサルベージポイントで準備体操をしているようだ。横でリュウギがじーっと見ている。

既に太陽は真上。もうお昼だ。

 

「早速シリンダ持ってきたも!」

 

トラが家の中から大量のシリンダの入った箱を持ってきた。

 

「すごーい!これって全部ゴールドシリンダじゃん!!」

 

「倉庫の中に眠ってたけどまだ使えると思うも」

 

「私金欠だからノーマルしか使ったことないんだよね~。たまに贅沢してシルバー使うぐらいで…」

 

「そんなに変わるもんなのか?」

 

リュウギがゴールドシリンダを一つ取った。

 

「当然!でも初めてだからなぁ…まぁ物は試しか!」

 

ミントがメットとシリンダを装着。

 

「行ってきまーす!」

 

サルベージポイントから飛び上がって海へと飛び込んだ。

水しぶきをリュウギとトラはじーっと見つめていた。

 

「大丈夫かな…」

 

「そんなことより、リュウギくんにも頼みがあるも!」

 

「えっ?俺にも?」

 

予想していなかったという顔。

 

「当然だも。ウマと一緒にこの植物をとってきてほしいも」

 

トラが一枚のメモを手渡す。

 

「オイルリーフ…潤滑液ってことか…」

 

「これが一番エコで一番使いやすいんだも。お願いするも!」

 

「了解。」

 

「ってわけで出発するも!」

 

突然奥からウマとそのブレイドが現れた。

 

「うおっ、びっくりしたぁ…」

 

◇◇◇◇◇◇


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