ゼノブレイド2.5   作:ナマリ

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4ヶ月ぶりですね。何もしてませんでした。本当にごめんなさい。


“オイルリーフ”

◇◇◇◇◇◇

 

「ほう…つまり、その少年は二つの力を扱っていたと・・・?」

 

スペルビア新帝国皇宮。皇帝陛下は玉座で肘をつき、メレフからの報告を聞いていた。

 

「はい。水と炎…相対する二つの属性攻撃。相手が炎による攻撃しかしないと思い、油断してしまい…」

 

「不思議だな。ただの人間が、しかも二つの力を同時に扱うとは――――ブレイドだとしても。」

 

皇帝は腰を上げ、メレフに近づく。

 

「そう気に病むことはない。既に帝国内の船は全て停止したんだろう?ならば彼らが逃げることはないはず。」

 

「君にとって捕まえるのは容易なことだろう?メレフ特別執権官。その者の操る力は既に把握しているはずだ。」

 

「――――彼の繰り出した技、見覚えがあるのです。」

 

メレフの脳裏に、かつて共に戦った少年の、後姿が思い出された。

 

「なるほど。ならば更に放っておくわけにはいかないな。」

 

皇帝がメレフに後ろ姿を向けた途端、皇帝の部屋への扉が開き、中から書類を持った男が現れた。

 

「カルマ陛下。世界樹への交通手形の認証書、インヴィディアとの貿易に関する書類…大量に溜まっている分、今日こそ終わらせてもらいますからね」

 

「あーゴウ…今はメレフ執権官との大事な話を…」

 

「そう言ってまた逃れるつもりですか?」

 

書類を机の上に勢い良く落とし、それを叩きながらゴウと呼ばれた男は皇帝陛下をむ。

 

「・・・わかった。わかったよ。」

 

皇帝は歩き出し、椅子を引いて机に座った。

 

「メレフ、この件については君に任せる」

 

「それにその炎と水を操る少年…私の目の前に連れてきてくれないか?」

 

「了解しました。カルマ陛下。」

 

メレフは扉へと近づく。

 

「ああ。天国のネフェルのためにも…ね?」

 

メレフはうなずき、そのまま扉の奥へと消えた。

 

 

 

 

 

「二つの属性を操る力か…」

 

「ようやく、手に入れるチャンスが来たということか。」

 

カルマは書類を片付けながら、不敵な笑みを浮かべた。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

「なぁウマ、オイルリーフってどこにあるんだ?けっこう森も深いところまで来たけどさ…」

 

「オイルリーフは森の中でも深い、ふか~いところにあるんだも。茶色い葉っぱが特徴的だも。」

 

「茶色の葉っぱかぁ…ここまでで一枚も見てない。ってことは…ないんじゃないか?」

 

リュウギは頭をかいた。

 

「ところが!アスカさえ居ればすぐに見つかるんだも!アスカ、頼むも!」

 

「わかりました!」

 

アスカは胸に手を置いて気を集中させた。

 

「これは…」

 

「アスカは土属性なんだも。普通のブレイドと違って感覚を極限まで研ぎ澄ますことができるんだも!」

 

「へぇ~…」

 

数十秒後、アスカはハッとして指を森の奥へさした。

 

「あちらから油の感覚がします」

 

「それじゃあそっちにレッツゴーだも!」

 

「本当にあるのか・・・?」

 

3人が指差したほうに歩きながら、リュウギは半信半疑でついていき、ウマはいつも通りだというような

 

表情で進んでいく。

 

「これって…」

 

リュウギが一枚の葉っぱに目をやる。それは紛れも無く茶色の葉っぱ…オイルリーフだった。

 

「そうそう、これがオイルリーフだも。」

 

「へぇ…なんか油っこいなこれ」

 

「せっかくだから葉の苗木ごと持って行きましょう。これは水無しでも1年は持つんですよ。」

 

「1年も?不思議な植物だなぁ…」

 

リュウギがちらりと周りをみると、オイルリーフが大量にあったことに気付く。

 

「これも全部持ってくか?」

 

リュウギが一つのオイルリーフの苗木を引き抜いてウマに見せた。

 

「一本で十分だも。それにあんまり持ってくとここのオイルリーフが絶滅しちゃうも。」

 

「あーなるほど…」

 

リュウギがそれを再び地面に戻そうとするが、

 

「いや、やっぱこれも持ってくも。」

 

「今いらないって…」

 

「十分といらないはまったく違う意味だも!これはウマの特別開発に使うんだも!」

 

「特別開発・・・?」

 

「ここだけの話、師匠の開発はマンネリしてるんだも」

 

「美少女系の才能は天才的だけどそればっかりだから弟子のウマとしてはなんというか…もっと別の方法でオトコの心を刺激するものを作ってほしいんだも。」

 

「はぁ、オトコの心…」

 

リュウギはそれを聞いて首をかしげる。アスカは地面になぜか耳をあてている。

 

「何度説得しても曲げてくれないからウマが作ることにしたんだも。熱い熱いオトコの心にぶっ刺さるような新たな人工ブレイドを!」

 

「厳密には人工ブレイドの技術を応用したエーテルスーツですけどね。」

 

アスカが地面から耳を離し、そう言った。

 

「その名もストロングファイター!“着る”人工ブレイドだも!これがあればブレイドを使役することなくブレイドにも等しい力を扱うことができるんだも!!デザインもかっこよくすれば大儲け間違いなしだも!」

 

「我々ブレイドとしては複雑なところですが同調できない人達にとっては人工ブレイド以上に扱いやすいかもしれないですね。」

 

「ストロングファイター・・・ねぇ。」

 

リュウギが立ち上がると、突然アスカがホルスターからエーテルツインガンを取り出し、リュウギのほうへ向けた。

 

「うおっ!?いきなりなんだよ!?」

 

「やはりさっきからブレイドの気配がすると思ってました…」

 

「いや、俺はブレイドじゃ…」

 

「違います。別のブレイドの気配…」

 

「アスカは他のブレイドの気配も感じることができるんだも」

 

ウマが小声でリュウギに言った。リュウギはそっとアスカの後ろ側に回り込み、銃口から避けた。

 

「1体だけじゃない。5体ほど…」

 

「こんな森の奥に…オイルリーフ探しにきた人かもしれないも?」

 

「まさか。そんなブレイド引き連れてオイルリーフ探しに来るようなところじゃないだろ…たぶん野盗か何かだ。」

 

その時、奥の森から話し声が聞こえてきた。

 

「なぁ親分、誰かの話し声が聞こえまっせぇ?」

 

「ようやく人がいたかぁ…早速殺っちまうかぁ!」

 

アスカは威嚇射撃をして後ろへと走り出した。

 

「こちらは3人…相手は最低でも7人…逃げます!」

 

「お、おう…」

 

「ひぃぃ!ウマは美味しくないもー!」

 

3人は姿が見えない追跡者から逃げるために森の中を走っていく。気付けば相当奥まできていたようで、出口の光は全く見えない。

逃げる途中、突然アスカが右に急旋回した。ウマはアスカにつかまっていたからいいものの、リュウギはそれに追いつくことができなかった。その先は崖になっていた。

 

「うおおっ、ちょっと待っ…うわぁぁぁーっ!」

 

そのまま崖の下にリュウギは落ちてしまった。

 

「リュウギィィィィ!」

 

ウマの叫びもむなしく、リュウギの姿は見えなくなった。しかし、追跡者はまだ二人を追い続け、二人も逃げるしかなかった――――――――

 

 




書き溜めが残っているので、今月分は投稿できるかな・・・って感じです。
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