その瞬間、空が光り、白い光の矢が降り注いできた。
「何…!?」
アルジェントは即座に身をかわし、すんでのところで光から逃れた。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
リュウギは光を纏った剣を下げた。光の力を行使するのはそうとうな体力が必要らしい。
「なんだなんだ・・・?その程度かぁ!?」
アルジェントは疲れきったリュウギに向かって走り出す。
リュウギがアルジェントに目を向けると、突然視界が赤みかかったものになった。アルジェントの動きに軌跡が現れ、アルジェントの形の軌跡はリュウギの近くにまで近づき、素早い攻撃を加えた。その瞬間に赤い景色は元に戻り、アルジェントはさきほどの位置に戻っていた。そしてアルジェントが再び向かってくる。それは今見た軌跡と同じルートで向かってきていた。
「そうか、予測か…!」
アルジェントが近づき、その攻撃をリュウギは受け止めた。
「なんっ!?」
光の纏った剣を素早く男の横腹に加えると、アルジェントは遠くへと吹き飛ばされた。
「ハハッ、なかなかやるじゃねぇか…」
リュウギは光を剣の先から発射し、アルジェントに攻撃する。しかしその攻撃はかき消された。
「何で!?」
「思った以上の収穫だな…また会える日を楽しみにしてるぜ?」
そう言うとアルジェントは後ろの海の中へと飛び込み、姿を消した。
「逃がさないも!」
ウマが海に向かって連射するが、その姿は見えない。
「ももーっ…」
リュウギは剣を落とし、息をハァハァと吐いた。
「大丈夫?」
ミントがリュウギに近寄る。怪我した足を引きずりながら。
「お前だって、足怪我してるだろ…」
「このぐらい大丈夫だって。」
ミントがリュウギを抱えて研究所のほうへ足を伸ばす。
「ねぇ、さっきのあれ…リュウギ、前からあんな力使えたっけ?」
「いや、俺も初めてだ…」
「ミントが危ないって思ったから…さ。必死に頭の中でどうやってあいつを倒すか考えてたら…」
その瞬間、突然蒼い炎が目の前に立ちふさがった。
「こんなところにいたとはな。スペルビアの全兵を投じてようやく見つけたぞ」
「メ、メレフ様!?」
炎の輝公子メレフが兵士と二人のブレイドを連れて現れた。
「こんなところまで・・・!」
リュウギはミントを離し、メレフに大剣を向ける。ミントもツバキからナックルクローを受け取った。
「どうしてスペルビアの炎の輝公子様がこんなところにいるんだも?」
ウマがアスカと顔を見合わせる。
「この者たちはグーラの給水塔を破壊した犯人だからだ。」メレフが答えた。
「そりゃあいけないことだも!でも全兵挙げてわざわざすることかも?」
「まさか。他にも聞きたいことがたくさんあるのでな…特にそこの少年には。」
リュウギはキッとした顔を見せた。
「なら、俺を倒したら答えてやる!」
リュウギはメレフに挑む。それにメレフは腰のサーベルを掴み、攻撃をかわし、横から攻撃をする。
リュウギとメレフはつばせりあいとなった。リュウギは体力が減っているからか、押し負けていた。
「教えろ少年!貴様はなぜ炎と水の力が使える!?」
「知るかよそんなもん!」
そこにミントが割り込み、メレフのサーベルに蹴りを入れた。リュウギは少し後退したメレフに炎撃を加えるが、メレフがサーベルから刀に武器を変え、逆に水流でその炎をかき消した。
「なんかよくわかんないけど、アスカ!加勢するも!」
「了解です!」
二人は走り出し、メレフに射撃した。
「やらせるかよ!」
メレフの後ろについていた数人の兵士がウマたちに射撃。避けながら兵士達のほうへとつっこんでいく。
「それはこっちのセリフだも!アスカ!」
ウマがアスカにツインガンを渡し、アスカは高く跳ね、ツインガンを合体させてライフルとし、エネルギーを溜めた。
「アースブレイク!」
土の力を込めた砲撃が兵士らを吹き飛ばした。
「メレフ様!」
メレフのブレイドであるカグツチがメレフに声をかけ、メレフは二つあるサーベルのうち片方をカグツチに渡し、攻撃の構えをとる。
「「蒼炎剣・参の型・不知火!!」」
リュウギは強力な攻撃に大きく後退させられたが、それでもメレフに向かう。
「少年!教えろ、貴様の母を!父を!一体何者だ!」
メレフは走りながらリュウギに問いた。
「そんなこと知ってどうするつもりだ!?」
再びリュウギとメレフはつばせりあいになる。
「ならば問おう!貴様の母は…」
メレフはリュウギにだけ聞こえる大きさで人の名前を呟いた。リュウギはそれを聞いて目の色を変えた。
リュウギは再びメレフに押し負けたが、再びメレフに向かう。
「どうして―――――どうして母さんのことを!?」
「図星か…ならばもう逃がすわけにはいかないな!」
「させるか!」
リュウギは再び剣の真ん中の文字を「光」に変え、空から光の矢を降らせた。
「なんだと…!?」
メレフはその攻撃を避けようとしたが、その攻撃の一つを喰らってしまった。
「メレフ様!」
カグツチがメレフに駆け寄る。
「大丈夫ですか!?」
「光の力…やはりあの少年は…」
メレフはサーベルのひとつをカグツチに手渡した。
「カグツチ、ワダツミ、殺さぬ程度にとどめを!」
メレフとカグツチ、ワダツミは必殺技の構えをとった。
この威圧にリュウギは後ろに下がってしまった。光の強い力をまだ制御はできていなかったため、疲れ果ててしまった。
「させないもー!」
突然、研究所のほうからトラがハナと共に走ってきた。
「トラ!?ハナ!?」メレフは目を丸くして驚いた。
「ハナ、JKモード!」
「了解ですも!」
ハナは子供の姿から、成長した姿に急変した。そしてロケットやミサイルをメレフたちに向かって撃った。
「ちょっとご主人の手当てしてましたも。遅れてすみませんも!」
ハナは頭を申し訳なく下げながら言った。
トラはハナからアームズという武器を受け取り、メレフらに攻撃をする。
「メレフ!こんなことやめるも!!」
「トラ、たとえ昔の仲間だとしても邪魔をすることは大罪になる!それでも邪魔をするつもりか!」
トラは歯を食いしばり、メレフらの攻撃を反射していく。
「ウマ!」
トラがウマを呼んだ。
「師匠!なんですも!?」
「研究所の近くに小さな船があるも!それに乗って逃げるも!」
「でも師匠!」
「こっちのことは気にしなくていいも!早く行けも!」
ハナはリュウギらを掴んで船のあるほうへ飛んでいく。
ウマとアスカはトラたちのほうを時折振り返りながら走っていく。
「奴らを逃がすな!」
「ハッ!!」
兵士たちがウマたちを追いかけるが、既に全員船に乗っていた。
「ハナちゃんはいいの?」
ミントがハナに聞いた。
「ハナはご主人のブレイドですも。ご主人の手助けするんですも!」
と言ってハナはトラのほうへ飛んでいった…が、すぐに戻ってきた。
「そこのボタン押すと発進しますも。スピードの出しすぎには気をつけるですも」
「ああ、ありがとう!」
そしてハナはまたすぐに戻っていた。
ミントがボタンを押すと、船は急発進した。乗員はリュウギとミントとツバキとウマとアスカ。
「クッ!」
メレフはトラを弾き飛ばし、船に向けて蒼炎を放ったが、届かなかった。
兵士達も銃を撃つが、意味はなかった。
「メレフ様、ここからではもう…」
カグツチが言った。
「一度ならず二度も逃すとは…」
メレフはサーベルを腰に据えた。
「トラ、なぜ少年達を逃した?」
トラはうつむきながら答えた。
「リュウギのことを見てると、なんだか…」
「アニキのこと、思い出したからだも。」
第3話 光