ゼノブレイド2.5   作:ナマリ

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受験期かつすごく忙しいですが、6月中にはなんとかこの5話を終わらせたいなぁ・・・と思っております。


"水のドライバー"

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

一方、カルマの行方を追うミント達。王都の人々は少なからずこの騒動に気づいている様子で、通り抜ける途中でもその混乱はわかるほどであった。

雪道を通りぬけ、ゲンブ港前のリザレア広場へ。途中モンスターと何度も遭遇したが、戦って経験を積んでいる暇はない。リュウギ救出が先である。

ゲンブ港にたどり着くと、そこには巨大な黒い船…戦艦だろうか。

 

「あれはスペルビアの巨神獣船ではない…あれは…イーラの戦艦か!?」

 

それを見て真っ先に反応したのはメレフであった。吹雪く中では見えづらいが、重厚な装甲を纏ったそれは鉄の獣のような威圧感を感じる。

 

「あの中にリュウギが!?」

「あの船が出発する前に救出するぞ!」

 

ツバキの合図で一同は戦艦にとびかかる…ことはなかった。黒い戦艦の中から、カルマがゴウと共に現れたからだ。

 

「しつこい連中だな…そんなにあの少年が大事か?」

「もちろん!大事な仲間だ!」

「貴様らの企みに少年が必要ならば、我々にとってあの少年は大事ということになる」

 

その中でも一番カルマに対し感情をむき出しにしていたのはネフェルであった。そのこぶしを握り締めてカルマを睨む。

 

「カルマ…!皇帝の座を利用し、人々を陥れるような真似をするなど…許せません!」

「ネフェル―――この死にぞこないめ。死んでいないならもう一度殺すだけだ」

 

リリオとメレフの、そしてネフェルの言葉にカルマは口を尖らせる。ゴウから武器を受けとり、ミント達の前へと現れる。

 

「そんなに大事なら…力づくで奪って見せろ。私は正々堂々と立ち向かうがな」

 

カルマは水を纏った武器を両手に。サーベルを振り風を切るとその空気は水滴へ変わり、水の弾丸となりメレフ達へと飛ばす。蒼炎のサーベルでそれをすぐさま打ち消す。

 

「だけどそっちは一人!輝公子様と含めてドライバー4人相手に戦う気かも?」

「舐めてもらうと困るな…私はペルフィキオの―――ボスだぞ?」

 

カルマは水を纏い、音よりも早くメレフの前へ移動し、そのサーベルでメレフを吹き飛ばす。あまりの速さにメレフとカグツチは驚いているようだった。そこから間髪入れずにカルマのサーベルはミントとウマ、そしてリリオを狙った。水の力を宿すそのサーベル。炎の力を持つカグツチのサーベルとは相反する属性。ただの反対属性というだけでなく、その水の力はまさしく鉄をも裂く激流のごとく凄まじいものであった。

 

「なんて速さ…!手も足も出ない!」

「ミント、ここは一度アイツを崩してダウンさせ…」

 

しかしその動きを行う前に再びカルマの攻撃が一同を吹き飛ばしていく。

 

「その程度か…?炎の輝公子を仲間に入れたとて私に手も足も出ないとは哀れだな……」

「貴様の好きにさせるかッ!カグツチ!」

 

カグツチがメレフへ送るエーテルの流れを金色に変える。それを見計らい、メレフはアーツを繰り出す。

 

「蒼炎剣!弐の型!明王!」

 

蒼き炎がカルマを覆いつくす。しかし全くその攻撃は効いていないようだ。

 

「バカな!?」

「炎を打ち消すもの、それは清き水……貴様の持つ蒼炎などゴウの炎の前には無駄なのだよ…ッ!」

 

カルマがゴウに水のサーベルを手渡す。サーベルは蛇のようにうなり、滝のような水を迸らせながら襲い掛かってくる。

 

「フォール・オブ・テンペスト!!」

 

ゴウのその技名と共に、流れ出る水はミントたちを覆いかぶさり、爆発するかのように爆散した。

 

「まさか…こんな…っ!」

 

ミントはもはや腕が上がらない。倒れこみ、ただカルマの顔を睨むことしかできなかった。

 

「さてと、君たちを始末すればいいとは思うが…いかんせんこの国の住民に計画がバレてしまった可能性がある。これを他の国にまで伝えられると我々は困るのだ――――巨神獣ごと沈んでもらおうか」

 

カルマが見つめたその上空には、太陽の光がさしこむゲンブの背中の穴。しかし太陽は大きな影によって隠される。

紫色の、まるで蛇のような巨大な僕(デバイス)に。

 

◇◇◇◇◇◇

 

「やめて…どうしたんや王子…ッ!」

 

雪道に黒く引きずられた跡が残る。屈強な体躯をした男が女性を引っ張っている――

男に引きずられているのは…雷の力を操るブレイド、サイカだった。そして引きずっているのは彼女のドライバー、ジークだった。

ジークの目は虚ろになり、大剣を片手に雪道を歩いている。サイカの呼びかけに一切耳を貸さない。まるで死人が歩いているように……

 

「離して…離して…っ!」

 

サイカが必死にジークの手を離そうと叩くが、一切痛がるような素振りはない。一体何を考えているのか、サイカにはまったくわからない。こんなジークは何十年もの間一度も見たことが無い。

突然豹変した彼にサイカは涙を浮かべながら抵抗を続ける。

 

その瞬間、弐つのリングがジークの腕に激突した。衝撃でその手からサイカは離された。

 

「ツインリング…?誰や…?」

 

サイカは落ちたリングを手に、このリングの持ち主を探すと…

 

「やれやれ、本当に亀ちゃんは手がかかるねぇ…」

 

誰かがこちらへと歩いてくる。その声にサイカは聞き覚えがあった。懐かしい声だ。

 

「その声…あんた…!?」

「ほら、そのツインリング返して」

 

その人物はサイカの手からツインリングを奪い取り、ジークへと向ける。

 

「ビャッコ、頭ぶっ叩いて亀ちゃん正気に戻すよ!」

「承知!」

 

白い虎のようなブレイドと共に、その人物は大剣を構えるジークへと走り出す。

 

 

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