ゼノブレイドとは関係ない話なんですけど、テイルズオブシンフォニアをプレイしております。
なんか終盤の世界観がゼノブレイド2っぽいなって思っている最中です。
アヴァリティア商会はアルストが統合されアルスト大陸となった後、その未開拓地に大きな交易港を作り出した。どの国よりも先に。一番乗りだった。
ノポンは非常に多欲で、降り立って2年ほどで大きなアヴァリティア商会中央交易港ならびに交易場を作り上げた。前アヴァリティア商会の会長のバーンの失脚から立て直した会長代行ニルニーはその腕を買われ、今やアヴァリティア商会の会長となった。そこからのアヴァリティアの発展は凄まじく、ノポンの人口も大幅に増えた。新たな居住区としてサイオク村などといった村や町が交易港周辺に作られていった。
今やアルスト中の物資がここを中間とするといっても過言ではないほど巨大になっていき、他の商会もほとんどがアヴァリティアに吸収された。
中央交易港にそびえたつノポンの上にノポンが立って金のインゴットを持っている通称「肥やしの像」はアヴァリティアの名物である。
そんな話をビャッコから聞きながらリュウギ達は気づけばアヴァリティア商会の中央交易港に着いていた。
せわしなくノポンを含めたあらゆる人々が歩き回っていて、見ていて目が疲れてくる。
「いたっ」
ミントの頭に落ちてきたのは星型のねじ回しだった。どうして上から・・・と見上げてみると、頭上ではケーブルに吊り下がったトロッコが動いていた。
この中央港は巨大な木製の建物で囲まれていて、かなりの高さがある。見てみるとエレベーターなどもいたるところに設置してあり、あらゆる階層で様々な取引がされているのが分かる。市場もここからまっすぐ見えるところだけでなく、いろんな階層にあるようだ。建物と建物をこのケーブルトロッコで行き来して物資を運搬しているのだろう。
「ま、後で返しに行こ」
ミントは落ちてきたねじ回しをポケットに突っ込んだ。
「手形を手に入れるにはまず手続きが必要だな」
「まずはアヴァリティアの会長の許可が必要やな。ニルニーは旧知の仲や。特別受付に行ってアポ取ってくるわ」
ジークの提案により、一行は特別受付を目指すことに。
「なんだかトリゴみたいだな」
「ゴルトムントっぽくも感じるけど…」
建物や床には木だけでなく金属も使われているようだ。雰囲気としてはトリゴの街が近いだろうか。
中央の建物へと近づいていく。扉は無く、開いた入口を通っていくと、目の前にカウンターがある。受付だろうか。受付にはノポン族が座っている。座っているというより、椅子の上に立っていると言った方が正しいだろうか。ジークはそのノポンに話しかける。
「ここでは物資の配送や物資の状況を確認する受付ですも」
「アヴァリティア商会の会長に会いたいんやが、どこの受付でそういうのやっとるんや?」
「ニルニー会長は今ものすっごく忙しいんですも。でもまぁ一応確認してみるといいですも。会長関連受付は5階ですも」
「おおきに」
5階へはエレベーターで行くことになった。受付のすぐ横にあったので総勢9人で乗り込むことに。
「おい、狭すぎるだろ」
「ツバキが幅とってるでしょ」
「なぁ、もう少しだけ奥行ってくれないか?」
さすがにエレベーターに9人は狭い。ここのエレベーターは動くのがすごく遅いらしく、5階まで行くのに4分もかかった。階段で行った方がよかったかも…と全員後悔した。
エレベーターから降りると、今までの雰囲気とは異なる、豪華なフロアが目の前に広がった。
赤いカーペットの先には会長関連受付が。その横にはおそらく会長室があるであろう扉が。
ジークは受付のノポンのもとへと行く。
「今会長さんと謁見できるか?」
「会長さんは様々な書類の整理ですっごく忙しいんですも。お引き取り願いたいも」
「ほーん。じゃあ一言だけ伝えてくれるか?」
「それぐらいだったら大丈夫ですも」
「じゃ、『雷轟が来た』と伝えてくれ」
「了解ですも。時間割けなくて申し訳ありませんも」
ジークはノポンに頭を下げて後退した。
「えっ?会長さんと会えないってことは謁見できないんじゃ…」
「心配すんな。ワイが来たと知ったらニルニーも書類放り投げてワイらと謁見してくれるはずやからな」
心配するミントにジークが自信満々に答える。
「いやー、亀ちゃんよりは書類とると思うよ?雷轟が来たってだけじゃあまりにも弱すぎると思うけど…」
「なんやニア、ワイのことそんな軽~く見とるんか?」
「っていうか、亀ちゃんは私たちといることがすでにスペルビアとバレてるだろうし、もしアヴァリティアにリュウギの件がバレてたらそのまま逮捕されちゃうんじゃ…」
「……確かに。ま、まぁニルニーはそんなことせぇへんやろうし……それにノポンの兵士相手だったらワイらのが強いやろ」
ハハッと笑うジークに一同は少し不安を感じた。
次のエレベーターが来るのを待っていると、後ろから声がかかった。
「ニルニー会長があなたたちと会いたいと言っていますも」
「えっ、本当?」
「当然やろ。ま、お尋ね者ってことがバレてなきゃいいけどな……」
まさか雷轟と言っただけで…と驚くニア。会えるのなら会うしかない。一同は会長室へと入っていく。
会長室は外の小綺麗な様子と違って、山のように重なった書類だらけだった。
当たって崩れないように、まっすぐ慎重にニルニー会長のもとへと行く。
「あの……ニルニーさんですか?」
ミントが目の前の書類だらけの机の先にいるノポンに声をかける。
「いかにも、私がニルニーですも。ところでどうしてジーク様がここに来たんだも?」
「手形欲しくてな。世界樹への」
「だめですも。そう簡単に渡せるものじゃないんですも」
「ええやないか。ワイとニルニーの仲やないか」
ニルニーと話をつけるジーク。リュウギはそっとサイカに聞いた。
「なぁ、ジークとニルニーって仲いいのか?」
「それほど濃密な関係があったわけちゃうけど……立場的に似てるし、しばしば会ったり話したりしてたからやな~」
ニルニーとジークの話は続く。
「もし発行するってことを了承しても、少なくともこの書類を全て片付けたあとですも」
「この書類全部って…」
リリオが見渡す。山になっている書類はゆうに100は超えていてもおかしくない。
「一か月ぐらいかかりますも」
「ええっ!?そんな待てないよ!」
ミントが声をあげた。
「アヴァリティアの会長は代々忙しいんですも。とくに他の商会と合体したせいでさらに仕事量が増えたんですも」
「そうなんだ……」
「悪いですけども他をあたってほしいですも」
一同は肩を落としながら会長の部屋を出ていく。ジークは「別でニルニーと話したいことがある」と言って部屋に残った。
「ジークどうしたんだ?」
「さぁ、ウチにもわからんね」
「ところでさ、ニルニーは私たちがお尋ね者ってこと知らないのかな?」
「あの様子じゃ、まだ知ってないみたいだね」
ミントの問いにニアが答えた。
ジークはリュウギ達を扉の向こう側に締め出した。この部屋に残るのはジークとニルニーだけ。
ジークは書類に手を付けているニルニーに話しかける。
「なぁニルニー、手形のことやないんだが……ひとつ聞きたいことがあるんや」
「何ですか?なるべくすぐに答えられるような質問で…」
「世界樹で……あの上で一体何があったんや?」
ニルニーは手を止めた。まぶたを閉じて考え、ジークにこう答えた。
「それにはお答えできませんも」
「親父もそう言っとった!なんで言えないんや?そんなに隠さなきゃいけないことなんか?」
「これは重要機密事項なんですも。各国首脳にそれに連なる立場の者のみ知っている――― それは外部に情報が漏れないためなんですも。下手に言ってそれが外に漏れたら……」
「ワイはそんなことせぇへん。なぁ教えてくれんか?ボン……レックスは世界樹に言ったって聞いた。それと関係あるんか?」
「な、なんでそのことを……まさかさっきのニアさんが……」
「ほら、いい加減吐いたらどうや?」
「……」
ニルニーは一呼吸おいて答えた。
「やっぱり答えらえませんも。吐けば私、いやアヴァリティアそのものの立場が危うくなりますも。今は独立を講じている中。下手なことはできませんも」
「そうか……なら、仕方ないな」
ジークは肩を落としてニルニーに背中を向け、部屋を出ようとする。
「手形の件、もう一考だけ頼むわ」
その一言を遺してジークはニルニーの部屋を出ていく。
「……すみませんも。でも、これはアルスト全体に関わることなんですも」
「レックス様……事は解決したのでしょうかも……」
ニルニーは窓から世界樹をのぞむ。