海の少女たちと車のライダー   作:シーチ

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はい、第12話です。
今回からアニメ1期2話に入ります!
では第12話、ご覧下さい!


第12話 彼女はなぜピアノを弾けなくなったのか

〜前回のラブライブ!サンシャイン!!、海の少女たちと車のライダー!〜(ナレーション 南翔太)

梨子と再開した日の翌日の朝、スクールアイドルを本気でやろうと思っている千歌の姿を見て、曜もスクールアイドルになる事を決意した。そして俺も、マネージャーとして2人のサポートをする事を決めた。

 

部員数が1人から3人に増え、俺達は部活動申請書をもう1度黒澤先輩の所へ持っていくが、申請の許可は降りなかった…

さらに、俺は早めに職員室へ向かうように言われていた事をすっかり忘れていた事で、転校初日から生徒会長である黒澤先輩のお叱りの言葉を受けてしまう…

 

そして、俺のクラスの副担任の中村先生、担任の小林先生に挨拶をし、俺と梨子は自分のクラスへと挨拶をする。梨子が挨拶をし終えた時、

「奇跡だよ!!スクールアイドル、一緒にやりませんか!」

「ごめんなさい!」

千歌がスクールアイドルの勧誘をし、梨子はそれを断ったのだった…

 

って、結局、俺の挨拶はどうなるんだよぉ!

 

 

 

 

 

〜side 梨子〜

私は夜、ピアノの蓋を開け、ピアノを弾こうと鍵盤の上に手を持ってくる。

しかし、私はある事を思い出してしまい、結局弾けなかった…

〜side out〜

 

 

 

〜side 翔太〜

「ごめんなさい。」

「だからね、スクールアイドルっていうのは…」

俺と梨子が転校してきた次の日、千歌は梨子にスクールアイドルの勧誘をするが、断られている。

 

ちなみに、昨日の千歌のいきなりの勧誘を梨子が断った後どうなったかっていうと、千歌と梨子のインパクトが強すぎて、俺の事などすっかり忘れられそうになっていた時、小林先生が俺にも挨拶をするように言ってきてくれた。そして、無事(?)挨拶をする事が出来た。まぁ、中村先生が言っていたように、初の男子生徒という事もあり、質問攻めに合ったが…

 

「ごめんなさい。」

食堂で千歌がまた梨子に勧誘するが、梨子はやはり断る。

「学校を救ったりも出来たりして、すごく素敵で!」

しかし、それでも千歌が諦めず、しつこく勧誘していると…

 

トンッ!

 

梨子が持っている缶を大きめの音を立ててテーブルに置いて、千歌の言葉をやめさせた。その事に千歌だけでなく、後ろで苦笑いしながら見てた俺と曜、その他の生徒達も少し驚いた。その隙に梨子はその場を離れていく。

 

「どーしても作曲出来る人が必要でぇ!」

「ごめんなさーい!!」

体育の授業で走っている時も、千歌は梨子を追いかけながら勧誘しているが、梨子は全く受ける気はない。

 

 

そして放課後、中庭でダンスの練習をしている千歌と曜を、俺は前のベンチで見ている。

「また、ダメだったの?」

曜の言葉に、

「うん。でも、あと一歩、あと一押しって感じかな!」

そう答える千歌。

「本当かよ…」

俺がそう言った後、曜はスマホから流しているµ’sの『START:DASH!!』の曲を止め、ベンチに座る。

「だって最初は、『ごめんなさい!』だったのが最近は、『はぁ…ごめんなさい…』になってきたし!」

先程の俺の言葉に対する答えを言った千歌に、

「嫌がってるようにしか、思えないけど…」

と、曜が言った。それは俺も同意見。絶対に嫌がってる。けど、今千歌がやった梨子のモノマネは似てたな…

「大丈夫!いざとなったら、なんとかするし!」

千歌は音楽の教科書を取り出してそう言った。

「それはぁ、あんまり考えない方がいいかもしれない…」

あぁ、曜の言った通り、考えない方がいい。今から1からやってると、絶対に高校生の間には出来なくなってしまう…

「それより、曜ちゃんの方は?」

「描いてきたよ!」

 

 

そして、俺達は1度教室に戻り、曜にスケッチブックを見せてもらう。その理由は、曜は裁縫などが得意なため、衣装作りの担当になった。今は、その衣装の案を描いた絵を見せてもらってるのだが…

「どう?」

「すごいねぇ…でも、衣装というより制服に近いような…」

曜が描いた絵は、駅員さんの制服を着た女の子。スクールアイドルの衣装ではなく、制服だった…

「スカートとか、ないの?」

千歌がそう聞くと、曜は「あるよ!」と返事してスケッチブックのページをめくる。

すると出てきた絵は、

「えっ?いやぁ、これも衣装というよりか…もうちょっと可愛いのはないの?」

婦人警官の衣装を着た女の子。だからなんで制服なんだよ…

俺がそう考えている間に、曜はまたページをめくる。

「武器持っちゃった…」

今度はとうとう武器を装備しちゃいました…

 

曜のやつ、なんでこんな制服の絵ばっか描いてきてんだ?」コソコソ

俺は小声で千歌に尋ねた。

そっか、翔くんは知らないんだったね。翔くんが東京に行ってから少しした時、曜ちゃんすっごい制服マニアになっちゃって、色んな制服とかも買い集めてるんだよ。ほら、昔から制服とか好きだったのは知ってるでしょ?」コソコソ

あぁ、そういえば、昔も制服とか見ると、目をキラキラ輝かせていたな…曜のお父さんが船長で、その制服とかを見て好きになったんだっけ?まさか、ここまで進化してるとは思ってなかったけど…

 

「可愛いよねぇ!」

曜は自分で描いた絵を見て、そう言った。

「可愛くないよ!むしろ怖いよ!」

千歌がそう言うが、曜はどこが可愛くないのか全く分かってない様子。本当に制服が好きらしい。

「もっと、可愛いスクールアイドルっぽい服はないのぉ?」

千歌が少し呆れ気味にそう聞くと、

「と思って、それも描いてみたよ!ほいっ!」

曜がまたページをめくった。すると、今度はちゃんとスクールアイドルの衣装が描かれていた。最初からそれ出したらよかったのに…

「わぁ、キラキラしてる!こんな衣装作れるの?」

この絵には、千歌も大満足な様子。

「うん、もちろん!なんとかなる!」

「ほんと?よしっ、挫けてるわけにはいかない!」

こうして、千歌はさらにやる気を出したのだった。が…

 

 

「お断りしますわ!」

「こっちも!?」

俺達は黒澤先輩に、部活動申請書をまた出しに来たが、また断られてしまう。

「5人必要だと言ったはずです。それ以前に、作曲はどうなったのです?」

「それはぁ、多分、いずれぇ、きっと!可能性は無限大!」

千歌のその自信は、どこから出てくるのだろうか…

「でも、最初は3人しかいなくて、大変だったんですよね、ユーズも。」

その言葉を聞いた途端、黒澤先輩の眉毛がピクっと動く。しかし、それは黒澤先輩だけじゃない、俺もだ…

「知りませんか?第2回ラブライブ優勝、音ノ木坂学院スクールアイドル、ユーズ!」

千歌の言葉を聞いていくうちに、震えていく俺と黒澤先輩。

「それはもしかして、µ’s(ミューズ)の事を言ってるんじゃありませんわよね?」

ゆっくりと立ち上がって、そう千歌に尋ねる黒澤先輩。

「あっ、もしかして…あれ、ミューズって読む…「お黙らっしゃーい!!」

千歌の言葉を遮って、そう怒鳴る黒澤先輩。本来なら、俺も怒鳴りたいぐらいだ…まさか、µ’s(ミューズ)の事を、まだユーズと言う人がいるなんて…

「言うに事欠いて、名前を間違えるですって!?あぁん!」

黒澤先輩はかなり怒っているようだ…ってあれ?でも、スクールアイドルの事嫌いなんじゃ…

「µ’sはスクールアイドル達にとっての、伝説、聖域、聖典。宇宙にも等しき生命の源ですわよ!その名前を間違えるとは、片腹痛いですわ!」

かなり怖い顔で千歌に迫っていく黒澤先輩。

「ちっ、近くないですか?」

「ふんっ…その浅い知識だと、たまたま見つけたから、軽い気持ちで真似をしてみようとか思ったのですね?」

黒澤先輩のその言葉に、

「そっ、そんな事…」

少しムッとして答える千歌。

「ならば…µ’sが最初に9人で歌った曲、答えられますか?」

黒澤先輩がそんな問題を出してきた。けど、まあこんなの簡単な問題だし、答えられるよな…俺が心の中でそう安心していると、

「えっ、えっと…」

千歌が迷っていた…えっ?まさか、こんな簡単な問題も答えられないのか…?

「ぶぅー、ですわ!」

仕方ない、ここは手助けしてやりますか…

「ぼく…「僕らのLIVE 君とのLIFE。通称ぼららら、ですよね?」

「「えっ?」」

俺は黒澤先輩が答えを言うのを遮って、そう答えた。その事に、千歌と曜は少し驚いている。

「南さん!今は、高海さんの知識を試しているんですのよ!助言は控えてください!」

「あれ?黒澤先輩、俺に負けるのが怖いんですか?」

俺は少し挑発的な言葉を、黒澤先輩へと言った。

「なっ!?そんなわけないでしょう!いいでしょう、なら南さん…あなたにも解答権を与えましょう。」

よしっ、これでひとまずはなんとかなるだろう…

「では第2問。第2回ラブライブ予選で、µ’sがA-RISEと一緒にステージに選んだ場所は?」

「ステージ?」

千歌はこの通り、全然分かってないようだが、ことり姉達のライブをずっと見てきた俺にとっては簡単な問題。

「秋葉原UTX屋上。あの伝説とも言われるA-RISEとのライブ会場を、答えられないわけないでしょう?」

「まっ、まあいいですわ。次、第2回ラブライブ決勝、µ’sがアンコールで歌った曲は…「あっ、知ってる!僕らは今のなかで!」

流石にこれは千歌も分かったようだが、黒澤先輩がこんな簡単な問題は出さないだろう。問題は最後まで聞かないとな。

「ですが、曲の冒頭、スキップしてる4名は誰?」

「えぇ!?」

そう言った千歌に、どんどんと近づいていく黒澤先輩。それにより、千歌は後ろに下がった。その時、千歌は何かの機械を触ったような気がしたが、まあ気のせいだろう。

「ぶっ、ぶっ、ぶぅーですわ!正解は…」

黒澤先輩が正解を言おうとするが、

「絢瀬絵里、東條希、星空凛、西木野真姫、ですよね?」

俺が先に答えを言った。

「南さん…なかなかやりますわね…しかし、こんなのまだまだ基本中の基本ですわよ!」

「すっ、すごい…」

「生徒会長、もしかしてµ’sのファン?」

「当たり前ですわ、私を誰だと…んっ、一般教養ですわ!一般教養!」

「「「へぇー?」」」

黒澤先輩の言葉に、俺と千歌と曜は疑いの目を向ける。

「とっ、とにかく、スクールアイドル部は認めません!」

結局、黒澤先輩にスクールアイドル部を認めてもらう事は出来ず、結局今日も諦めて帰るのだった。

 

 

その後、他の人達に聞いた話では、最後の問題の時から全校生徒に放送で俺達の会話が聞こえてたらしい。なるほど、千歌があの時何かの機械を触ったように見えたのは、放送のボタンだったのか。って事は、俺がすごいドヤ顔でクイズに答えてたのも聞かれてたのか!?でも、放送だからドヤ顔かどうかは分からなかっただろうけど…恥ずかしっ!!

 

 

帰りのバスが来るのを待っている間、俺達は海を眺めて待っている。

「前途多難すぎるよぉ…」

「じゃあ、やめる?」

「やめない!」

曜の少し挑発的な言葉に、そう言い返す千歌。

「だよね!」

その言葉を聞いた曜は、笑顔でそう言った。

「あっ、花丸ちゃん!おーい!」

すると、同じくバス停に来たこの前の花丸という女の子を見つけた千歌は、大声で名前を呼んだ。

「こんにちは。」

「やっぱり可愛い〜!んん…?」

すると千歌は、何かを見つけた様子。

「あっ、ルビィちゃんもいるー!」

「ピギッ!」

あっ、本当だ…確かに、木に隠れている赤髪でツイテールの少女、ルビィちゃんも発見した。

「ほーらほら。怖くないよ〜食べる?」

千歌は棒付きのキャンディーを取り出し、ルビィちゃんに少しずつ近づいていく。

「わっ、えへへ…うゅ!」

「よっと!」

ルビィちゃんは飴を取ろうと手を出して行くが、千歌が少し下がってしまい、飴を取ることが出来ない。そんなやり取りを数回繰り返した後、千歌は、

「とりゃぁ!」

「あっ…」

飴を上に投げて、ルビィちゃんがそれに気を取られている間に、

「捕まえた!」

勢い良く抱きついた。そして落ちてきた飴が、運良く口に入る。それより、道路でこんな事して、車が来たら危ないでしょうが…

 

 

帰りのバスに乗った俺達5人。

「スクールアイドル?」

花丸ちゃんが疑問の声をあげる。

「すっごく楽しいよ、興味無い?」

今は千歌が、1年生2人にスクールアイドルの勧誘をしている。1番後ろの席に千歌が、その前の席に1年生2人が、そして千歌の少し離れた隣に曜が座っている。俺はその曜の隣に座り、少し離れて千歌の勧誘の様子を見ている。

「いえ、マルは図書委員の仕事があるずら。……いや、あるし。」

「そっかぁ…ルビィちゃんは?」

「えっ?あっ、あぁ…ルビィはその…お姉ちゃんが…」

「お姉ちゃん?」

「ルビィちゃん、生徒会長の妹ずら。」

千歌の疑問に、花丸ちゃんが答える。へぇ、黒澤先輩の妹…あんまり似てないような感じだけど、目の色とか、ところどころ似ている点はあるな…黒澤先輩の妹って事は、本名は黒澤ルビィか…男がいきなり、下の名前にちゃん付けだと気持ち悪いと思われそうだし、黒澤さんでいいか。

「なんでか嫌いみたいだもんね、スクールアイドル。」

「はい…」

曜の言葉に、落ち込んで答える黒澤さん。けど、あんなにµ’sの事を知ってる黒澤先輩が、スクールアイドルの事を嫌いだとは思えないんだけどなぁ…さっきだって、µ’sクイズをあんなノリノリでやってたぐらいだし、何か事情があるのか…?

「今は、曲作りを先に考えた方がいいかもな。」

「そうそう、何か変わるかもしれないし。」

「そうだねぇ…」

俺と曜、千歌がそう言った後、

「あっ、そういえば、女子校の浦の星女学院になんで男の子がいるずら?……いるんですか?」

すっごい今更なことを、花丸ちゃんが聞いてきた。

「あぁ、俺は浦の星女学院の共学化試験生として転校してきたんだけど、聞いてない?」

「あっ、そういえば先生がそんな事言ってたような気がするずら。……するな。」

それ、最早言い直す必要あるのかと思いながら、俺は次の話を話し始める。

「じゃあ、改めてはじめまして。俺は南翔太、よろしくね。」

「国木田花丸です。よろしくお願いします。」

「……」ジーッ…

俺の言葉を聞いて、国木田さんが丁寧に挨拶をしてくる。黒澤さんは何故か俺の事をじっと見てくる。

「黒澤さん、どうかした?」

「ピギッ!あの、ルビィと、どこがで会った事ありますか?」

「えっ?黒澤さんと、会った事…?ないと思うけど…」

俺は突然の黒澤さんの質問に、俺は少し戸惑いながらも答えた。

「そうですよね…ルビィの勘違いだったみたいです。」

「わぁ…」

俺と黒澤さんが話してると、今度は国木田さんがキラキラした目で俺と黒澤さんを見てくる。

「えっと、国木田さん…?どうかした?」

「ルビィちゃんが、男の人と話してるずら…」

「へ?」

俺は国木田さんの予想外の言葉につい間抜けな声を出してしまう。

「ルビィちゃん、究極の人見知りな上に、それ以上に男性恐怖症ずら。普段なら、こんなに近くにいるだけでもダメなのに、不思議だなとは思ってたんだけど、まさかお話まで出来るなんて、未来ずらぁ!」

未来なのかは分からないけど、凄いって事は何となく分かった。

「あっ、ほんとだ…ルビィ、男の人とお話出来てる…」

当人も驚いているという事は、本当に男の人が苦手なんだろう。しかし、何故俺が?まさか、俺って男っぽくないのか…?それはそれで、ショックなんだけど…

 

「花丸ちゃんはどこで降りるの?」

今度は千歌が、国木田さんにそう聞いた。

「今日は沼津までノートを届けに行くところで。」

「ノート?」

「はい、実は入学式の日…」

 

国木田さんの話では、1年生のクラスの自己紹介の時間…

『堕天使ヨハネと契約して、あなたも私のリトルデーモンに…なってみない?うふっ。………ピーンチ!』

その後、ヨハネ?善子?ちゃんは教室を飛び出していったのだとか…

 

「それっきり、学校に来なくなっちゃったずら。」

「そうなんだ…」

これには聞いている俺、千歌、曜、それを直で見ていた黒澤さんまでもが苦笑い…なるほど、その子はいわゆる、厨二病っていうやつなのか。

 

 

俺と千歌は降りるバス停に着いたため、バスを降りた。

「じゃーねー!」

千歌は大声で手を振りながら、そう言った。しかし、隣にいる俺からしたら、大声を出されるのは恥ずかしいためやめて欲しいのだが…

「そういえば、翔くんもµ’sの事よく知ってたね?」

「まぁ、好きだしな。ファンだったらあのぐらいの知識はあると思ってたけど、今になってもまだµ’s(ミューズ)の事を、ユーズだなんて言ってる人がいるなんて思ってもなかったよ…」

「あはは…それは、なんというか…あれ?」

すると、今度は千歌が横の砂浜の方を見て何かに気づいた。

「あっ、桜内さーん!」

千歌の言葉を聞いて俺も砂浜の方を見ると、砂浜には千歌の言葉通り梨子が立っているのが見えた。

「はぁ…」

そして、千歌の声が耳に入った梨子は、ため息をついた。まぁ、梨子からしたら、またしつこい勧誘を受ける事になるからな。ため息もつきたくなるだろうな…俺がそんな事を考えてると、一足早く梨子の元へ行った千歌が、梨子の制服のスカートをめくって一言…

「まさか、また海に入ろうとしてるんじゃあ…」

「してないです!」

確かに、千歌はこの前勢い良く海に飛び込んだ梨子の事が心配なのは分かる。しかし、その後ろには俺…異性である男子高校生の俺がいる事を思い出してほしい。そう、千歌がスカートをめくった時にチラッと梨子の下着の色が見えたのだ…なるほど、桜色か…うん、梨子らしい色…って、何考えてんだ俺は!

「って、翔太くんもいたの!?……もしかして、見た…?」

梨子は俺がいた事に気づき、心配そうに聞いてくる。もちろん何の事かは、聞かなくても分かる。先程の桜色のアレのことだろう…まぁ、ここは知らないふりをしておかないとあとが怖いため、知らないふりをしよう…

「何の事だ?」

「そう、なら良かった。………本当に見てないのね?」

「あぁ、俺は見てないぞ。」

「そう。本当に見てないのね?」

「だから見てないって。桜色なんて1度も見てない。梨子らしい色で可愛いなとか、少し理性が飛びそうになったって思ったりもしてない。 あっ…」

俺は馬鹿だ…何故ここでこんなミスをしてしまうのだろうか…しかし、俺が今こう思ったところでもう遅い…

「なっ…//翔太くんのぉ、バカァァァァ!!//」

俺が気づいた時には、俺の頬に綺麗な赤いもみじがついていた。

「翔くん、今のはダメだよ…」

千歌はジト目で俺を見てくる。元はと言えばお前のせいだろ!と俺が言えばまた話がややこしくなるため、我慢して黙っておく。

「本当に翔太くんは!もう…//」

そう言って、顔を赤らめる梨子を見て、俺はビンタを受けたぐらい安いもんだと思った。その答えは簡単、可愛い梨子が見れたから!

「それに高海さんも、こんな所まで追いかけてきたって、答えは変わらないわよ?」

「えっ?あっ、違う違う、通りかかっただけ。そういえば、海の音、聴くことは出来た?」

「……」

千歌の言葉に、顔を暗くする梨子。

「じゃあ、今度の日曜空いてる?」

「どうして?」

「お昼にここに来てよ。海の音、聴けるかもしれないから。」

「聴けたらスクールアイドルになれって言うんでしょ?」

「うーん…だったら嬉しいけどぉ、その前に聞いて欲しいの!歌を。」

「歌?」

「梨子ちゃん、スクールアイドルの事全然知らないんでしょ?だから、知ってもらいたいの!ダメ…?」

「あのね。私、ピアノやってるって話したでしょ?小さい頃から、ずっと続けてたんだけど、最近やっても上達しなくて、やる気も出なくて…それで、環境を変えてみよって、海の音を聴ければ、何かが変わるのかなって。」

梨子…

「変わるよ、きっと…」

そう言って、そっと梨子の手を握る千歌。

「簡単に言わないでよ…」

「分かってるよ。でも、そんな気がする。」

「変な人ね、あなた。とにかく、スクールアイドルなんてやってる暇ないの。ごめんね…」

梨子は千歌の手を離そうとするが、千歌は握ったまま離さない。

「分かった。じゃあ、海の音だけ聴きに行ってみようよ。スクールアイドル関係無しに。ならいいでしょ?」

「ほんと、変な人。」

そうして、次の日曜日、海の音を聴きに行くことになった…

 

 

「翔くん。」

「……」

「翔くん?」

「……」

「翔くん!!」

「うわっ、千歌!?急に大声だすなよ…」

「急じゃないよ!さっきから、ずっと呼んでるよ?」

あの後、十千万に帰ってきた夕食を食べ、風呂上がりの俺は考え事をしていたため、千歌の声に気づかなかったらしい。

「そっか、悪い。どうかしたか?」

「なんか翔くん、さっきから元気ないように見えるけど、どうかしたの?」

「いや、そんな事、ないよ…」

「嘘、そんなふうに見えないよ?さっきの、梨子ちゃんの話を聞いてから元気ないもん。もしかして翔くん、何か関係あるの?」

なんで千歌は、こういう時だけ勘が鋭いんだろうか…幼馴染だからか、不思議と分かってしまうのだろうか…

「いや、別になんでもない。じゃあ、俺は戻るわ。おやすみ、千歌。」

「ちょっ、翔くん!」

こうして、俺は逃げるようにして自室に戻った。千歌が心配してくれのは嬉しいけど、これは俺と梨子の問題だしな…千歌達にこれ以上、余計な心配はかけたくないしな…

 

 




次回の、海の少女たちと車のライダー!

翔太、千歌、梨子、曜の4人は海の音を聴くために、ダイビングをする事に。
そこで、海の音を聴く事が出来た梨子は、お礼に千歌達の曲作りを手伝うことに。一緒に作業していくうちに、梨子は千歌のスクールアイドルに対する想いに触れ、魅力に気づいていく…

次回、『第13話 作曲を手伝う彼女は何を思うのか』




今回の最後、梨子ちゃんの話を聞いた翔太の様子に異変が…翔太と梨子ちゃんに、過去何があったのかもお楽しみに!

そして今日の3rdライブ、福岡公演へ行かれる方は、安全に十分注意して楽しんできてください!僕は、ライブビューイングで参加しますが、僕が住んでる地域でも雨が凄いので気をつけたいと思います。

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