海の少女たちと車のライダー   作:シーチ

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はい、第13話です。
先日、UAが4000を突破しました。見てくださってる皆様、本当にありがとうございます!
では第13話、スタートです!


第13話 作曲を手伝う彼女は何を思うのか

〜前回のラブライブ!サンシャイン!!、海の少女たちと車のライダー!〜(ナレーション 高海千歌)

スクールアイドルを本格的に始めるため、転校生の桜内梨子ちゃんを勧誘する私。しかし、梨子ちゃんに断られてしまった…

そのあとも、梨子ちゃんに何度も勧誘する私だけど、断られるばかり…更には、ルビィちゃんと花丸ちゃんへの勧誘も、生徒会長のダイヤさんには部活動申請を断られてしまう…

 

そして私は、梨子ちゃんが昔からやっていたピアノが上手くいっていない事を聞いた。私は梨子ちゃんに、スクールアイドル関係無しに、海の音を聴いて欲しくて、日曜日に一緒に海の音を聴きに行くことになった。

 

けど、梨子ちゃんの話を聴いてから、翔くんの様子がおかしいような気がしたけど、何かあったのかなぁ…

 

 

 

 

 

 

日曜日、俺と千歌と梨子と曜は、海の音を聴くために家がダイビングショップを営んでいる果南姉ちゃんの家にやって来た。それから今は、俺以外の3人と果南姉ちゃんはダイビングスーツに着替えて、果南姉ちゃんの操縦する船に乗って潜る場所へ向かっているところだ。俺が何故着替えないのかは…まぁ、今はいいか。

「音ノ木坂から来た、転校生?」

「そうなんだよ、あのµ’sの!」

「そんなに有名なの?」

果南姉ちゃんと千歌の言葉に、不思議そうに聞く梨子。まぁ、梨子がピアノばかりやって来たのは事実だし、梨子からしたら、俺の姉のグループだから知っているだけで、本当にそんなに有名なのかは疑問なのかもしれないな…もし、俺と梨子が出会っていなければ、梨子はスクールアイドルを全く知らなかったのかもしれない。

「へぇ、知らないんだ。」

「それにね!翔くんも、音ノ木坂学院にいたらしいよ!」

「翔太は、µ’sの事は知ってるの?」

千歌の言葉を聞いた果南姉ちゃんが、俺にそう問いかけてくる。

「まぁ、一応ね。」

「ふぅん…」

そこで、スクールアイドル関係の話は終わる。やっぱり、果南姉ちゃんはスクールアイドルの話をあまりしようとはしていないような気がする…

 

 

少しして、潜る場所へ着いたら、千歌と曜は慣れてるため、梨子を含めた3人で潜って行った。俺と果南姉ちゃんは、船の上でお留守番。えっ?なんで俺は潜らないのかって?それはだな…

「それにしても、まだ翔太は泳げないんだ。」

そう…果南姉ちゃんが言った通り、俺は泳げない。浅い海で遊んだりする事は出来るが、泳ぐ事は出来ない。だから、ダイビングも出来ないため、俺は待っているというわけだ。

 

しばらく、果南姉ちゃんと雑談しながら待っていると、梨子達が上がってきた。

「ダメ?」

「残念だけど…」

曜の言葉に、落ち込みながら答える梨子。

「イメージか…確かに、難しいよね。」

3人が潜る前、水中では人間の耳には音が届きにくいからイメージが大切だと果南姉ちゃんに言われていた。

「簡単じゃないわ。景色は真っ暗だし。」

「真っ暗?」

「そっか、分かった。もう1回いい?」

梨子の言葉に、千歌は何かを思いついたようだ。そして、3人はまた潜って行った。

 

 

 

〜side 梨子〜

高海さんに言われて、もう1度潜ってきた私達。けど、やっぱり何も聞こえない…そんな私は、コンクールでピアノが弾けなかった事を思い出してしまった。

すると、海の上から光がさしてきた。高海さんと渡辺さんは、私に上を見るように指を上に向けた。

すると、私の耳には、とても綺麗な旋律が聴こえてきた。私はその音を聴いて、つい目を見開いてしまった…

〜side out〜

 

 

 

「翔太は、千歌達のマネージャーをするんだよね?」

もう1度3人が潜ってから、果南姉ちゃんがそう聞いてきた。

「そうだよ。」

「そっか。しっかりと、千歌達を支えてあげなよ。」

「えっ?うん、もちろん。」

私達の様には、ならない事を願ってるよ…

「えっ?」

果南姉ちゃんの声が小さくて聞こえなかったため、俺が聞き返した時、

 

バシャン!

 

3人が上がってきた。

「聴こえた?」

「うん!」

「私も聴こえた気がする!」

「ほんと?私も!」

そう言って、笑い合っている3人。どうやら3人は、海の音が聴こえたらしい。そんな3人を、果南姉ちゃんは少し悲しげな表情で見つめている。最後の果南姉ちゃんの言葉、小さくて聞こえなかったな…なんて言ったんだろ?けど、何故か果南姉ちゃんが、悲しい顔をしていたように見えた。

 

 

翌日の放課後…

「えっ、嘘!?」

「ほんとに!?」

「えぇ。」

梨子が突然、千歌達の曲作りの手伝いをしてくれると言ってくれた。

「梨子…本当にいいのか?無理はしなくていいんだぞ?」

「私は大丈夫よ。だから、曲作りの方は私に任せて。」

俺の言葉に、梨子はそう答えてくれた。

「そっか、ありがとう。」

「ありがとぉ…ありがとぉぉうぉっ、うわっ…!」

勢い良く梨子に抱きつこうとした千歌を、梨子は回って避けた。そして、千歌は奥にいた友達の、確か…むつっていう子に抱きついた。

「待って。勘違いしてない?」

「へぇっ?」

「私は曲作りを手伝うって言ったのよ?スクールアイドルにはならない。」

「えぇ…」

「そんな時間はないの。」

「そっかぁ…」

「無理は言えないよ。」

「そうだねぇ…」

曜の言葉に、落ち込みながらも納得した千歌。

「じゃあ、詞を頂戴。」

「しぃ?しってなに〜♪」

「多分、歌の歌詞のことだと思う〜♪」

「「歌詞?」」

梨子が言った言葉が分からず、何故かミュージカルのように歌いながら会話する千歌と曜。

 

 

 

「あれ?ここ、旅館でしょ?」

作詞をするため、俺達は十千万へとやって来た。案内された梨子は、不思議そうに言った。

「そうだよ。」

「ここなら、時間気にせず考えられるから。バス停近いし、帰りも楽だしね〜。」

梨子の言葉に、千歌と曜が答えた。すると、梨子は少し離れた所にいる千歌の家の飼い犬、しいたけに目が移った。あっ、そういえば梨子って…

「いらっしゃーい。あら曜ちゃん、相変わらず可愛いわね!」

すると、志満さんが出迎えに来てくれて、そう言った。

「そちらは千歌ちゃんの言ってた子?」

志満さんは梨子を見て、千歌に聞いた。

「うん。志満姉ちゃんだよ!」

千歌は志満さんの言葉に答えた後、梨子に志満さんの事を紹介した。

「桜内梨子です。」

梨子はお辞儀をしながら自己紹介をした後、もう1度しいたけを見る。すると梨子は、少し怯えた顔になる。何故なら、梨子は犬が苦手だからだ。

「よろしく〜。こちらも美人さんねぇ。」

「そうなんだよぉ、流石東京から来たって感じでしょ!」

そんな梨子に気づく様子もなく、志満さんと千歌はそんな事を話している。

すると、美渡さんが出てきたが、千歌のプリンを食べていた事で、千歌は美渡さんを追いかけていった。それとほぼ同時に、しいたけが吠えて梨子も走って旅館の中へと入って行った。

 

 

そして、俺達は千歌の部屋へとやって来た。

「酷すぎるよぉ…志満姉が東京から買ってきてくれた、限定プリンなのに…そう思わない?」

千歌は美渡さんにプリンを食べられたのに怒りながら、不機嫌そうにそう聞いてきた。

「それより作詞を…」

 

ドンッ!

 

梨子が作詞を始めようと言おうとしたが、俺の部屋とは逆の方の千歌の部屋の隣の部屋、美渡さんの部屋の襖が開く音によって遮られた。

「いつまでもとっとく方が悪いんですー!」

美渡さんは謝る様子もなく、舌を出しながら憎たらしくそう言った。

「うるさい!」

そう言って千歌は持っていたぬいぐるみを投げるが、間違って美渡さんではなく、梨子に当たってしまう。

「甘いわ!そりゃー!」

今度は美渡さんが浮き輪を投げてきたが、これも運悪く梨子の首にはまってしまった…

「ヤバっ!」

美渡さんがそう声を出すが、梨子はゆっくりと立ち上がって、

「失礼します。」

低い声でそう言って、襖を閉めた。

「さぁ、始めるわ…」

梨子がそう言って、振り返ると、

「曜ちゃん、もしかしてスマホ変えた?」

「うん!進級祝い!」

「いいなぁ!」

千歌と曜は呑気にそう話す。お願いだから、これ以上梨子を怒らせないで!梨子が怒ると、かなり怖いんだから…

俺がそう思った時には、既に遅く、

 

ドンッ!!

 

「はぁ、じぃ、めぇ、るぅ、わぁ、よぉ!」

梨子は色んな意味で迫力のある顔をしながら、低い声でそう言った。

「「「はっ、はい…」」」

俺達は、素直に返事をしたのだった。

 

「うーん…うぅーん…」

作詞を初めてしばらく経ったが、中々いい歌詞が思いつかない…

「やっぱり、恋の歌詞はやめた方がいいんじゃない?」

「いや!µ’sのスノハレみたいな曲作るの!」

千歌の希望で、曲のテーマは恋の歌。千歌はどうしても、µ’sの曲の中でもかなり有名な曲であり、µ’sの最初の恋愛ソングである『Snow halation』のような曲を作りたいらしい…ラブライブ地区予選で、当時ナンバーワンスクールアイドルと言われていたA‐RISEに勝った曲でもあり、かなり有名な曲。さらにこの曲は、希さんのµ’sに入った時から秘めていた願いから生まれた曲だ。

「けど、千歌には恋愛経験もないんだし、無理だと思うぞ?」

「なっ!千歌にだって、恋愛経験ぐらいあるもん!//」

俺の言葉に、顔を赤らめながら反論してくる千歌。

「えっ!?千歌に好きな人?誰だ…俺がいない間に、千歌に好きな人が…」

俺がそんな事を考えていると、

「「「はぁ…」」」

千歌と曜と梨子の3人が、ため息をつきながらジト目で見てきた。

「ん?なんだよ、どうかしたか?」

「昔からだったけど…」

「翔太くんって、本当に鈍感だよね…」

「あったばかりの私ですら、気づいたのに…」

千歌、曜、梨子の言葉にますますわからなくなる俺。

「どういう事だよ?」

「「「別にー。」」」

「別にって、どういう事だよ?」

「けど、じゃあµ’sの誰かがこの曲を作ってた時、恋愛してたって事?」

俺の疑問はスルーされ、千歌はそう聞いてきた。いや、けど当時µ’sに恋愛していた人はいないはずだ…まぁ、俺が知らなかっただけかもしれないが…少なくとも、ことり姉には絶対いないな!もしいたら、相手の人を弟として1発ぶん殴る!

「翔太くん、どうしたの?顔、怖いよ?」

どうやら俺は顔に出ていたらしく、曜にそう聞かれてしまった。

「いや、なんでもない。」

「ちょっと調べてみる!」

気になったら止まらない千歌は、パソコンでµ’sのメンバーが恋愛していたのかを調べ始めた。そんな事、調べても確証のある事なんて出てこないだろ…

「なんでそんな話になってるの…作詞でしょ?」

「でも気になるし!」

「千歌ちゃん、スクールアイドルに恋してるからね…」

「本当に…」

曜と梨子が呆れ顔でそう言った。確かに、千歌はスクールアイドルに恋してるな…って、ん?恋…

「「「あっ…」」」

俺と曜と梨子は顔を見合わせ、千歌の事を見る。

「何?」

「今の話、聞いてなかったか?」

「スクールアイドルに、ドキドキする気持ちとか、大好きって気持ちとか。」

「それなら、書ける気しない?」

「あっ…!」

俺達の言葉で気づいた千歌は、

「わぁ!うん、書ける!それならいくらでも書けるよ!」

と言って、千歌は紙に書き始めた。

「えっと、まず輝いてる所でしょ!それから…ふふっ、うふふふっ…」

大好きなスクールアイドルに、真っ直ぐキラキラした目でそう語る千歌を、梨子が羨ましそうに見てるように見えた。

 

それから、2分ぐらい経ったら、

「はい!」

千歌は梨子に紙を渡した。

「もう出来たの?」

「参考だよ。私、その曲みたいなの作りたいんだ!」

その紙をみると、書かれていた曲は『ユメノトビラ』。µ’sがラブライブ予備予選でA‐RISEと同じステージで歌った曲。

「ユメノトビラ?」

「私ね、それを聞いてね、スクールアイドルになりたいって…µ’sみたいになりたいって、本気で思ったの!」

「µ’sみたいに?」

「うん!頑張って努力して、力を合わせて奇跡を起こしていく。私にも出来るんじゃないかって…今の私から、変われるんじゃないかって、そう思ったの!」

「本当に好きなのね。」

「うん!大好きだよ!」

 

そうして、今日は解散となった。俺は梨子に話があったため、外に出てきて梨子と2人でいる。

「悪いな、呼び止めちゃって。」

「それはいいけど、どうしたの?」

「あのさ…俺が梨子にこんな事言う資格ないってのは分かってるんだけど…スクールアイドルになって欲しいって話、もう少しだけ考えてみてくれないか?」

「えっ…?」

「梨子がピアノを弾けなくなってから、俺に何か出来る事がないかって、考えてた…けど、俺には何もする事が出来なかった…」

「そんな事…」

「けど、こっちに引っ越してきて、千歌が梨子をスクールアイドルに誘ったって聞いた時、これは梨子がまたピアノを弾くことが出来るチャンスなんじゃないかって思ったんだ…俺にはこんな事を頼む事しか出来ないけど…もう少しだけ考えてくれないか?」

「……うん。」

「ありがとな。じゃあ、また明日。」

「うん、また明日。」

そして、俺はまた十千万へと歩き出した時、

「翔太くん!」

梨子に呼び止められた。

「どうした?」

俺が聞きながら振り返ると、

「私は、翔太くんが何もしてないなんて思ってないよ!翔太くんは、落ち込んでいた私を何度も励ましてくれた!私は、翔太くんに何度も助けてもらった!本当にありがとう!」

梨子は少し顔を赤らめて、必死で言ってきた。

「梨子…ありがとな!」

そうして、俺は梨子と別れて十千万へと帰っていった。

 

それにしても、梨子がそんな風に思っててくれたなんてな…

 

〜side out〜

 

 

 

〜side 梨子〜

 

千歌ちゃんの家で作詞をしていた日の夜、私はスマホで動画サイトを開き、千歌ちゃんの言っていた『ユメノトビラ』という曲を検索した。すると、たくさんの動画が出てきた。私は、その中から1つ選び、動画を見始めた。

 

確かに、千歌ちゃんの言った通り、その人達はキラキラと輝いていた。

 

動画を見終わった私は立ち上がり、ピアノの所まで行って蓋を開ける。しかし、またコンクールで弾けなかった事を思い出してしまう。

けど、私は心を決めて鍵盤に手をかける。そして、ピアノを弾き始めた。千歌ちゃんが言っていたユメノトビラを、歌いながら…

 

私がピアノを弾きながら歌っていると、空いている窓の向こうから、隣の旅館に住んでいる高海さんがこちらに手を振っているのに気づいた。

〜side out〜

 

 

 

〜side 翔太〜

俺が風呂に入りに行こうとした時、十千万の隣の家から綺麗なピアノの音色と歌声が聴こえてきた。俺は聴いただけで分かった、これは梨子が弾いて歌っているのだと…

 

そう思いながら、俺が窓の方へと行くと、

「高海さん…私、どうしたらいいんだろ…何やっても、楽しくなくて…変われなくて…」

梨子の声が聞こえてきた。そこには、梨子の家のベランダと、十千万から窓を開けて会話している梨子と千歌の姿が見えた。

「梨子ちゃん…やってみない?スクールアイドル。」

「ダメよ…このままピアノを諦めるわけには…」

千歌の勧誘を、ピアノを諦めたくない梨子は断ろうとするが、

「やってみて、笑顔になれたら…変われたらまた弾けばいい。諦めることないよ。」

千歌はそう言った。

「失礼だよ…本気でやろうとしている高海さんに…そんな気持ちで…そんなの、失礼だよ…」

「梨子ちゃんの力になれれば、私は嬉しい。みんなを、笑顔にするのが、スクールアイドルだもん。」

そう言って、窓から身を乗り出して梨子のいるベランダへ手を伸ばす千歌。

「千歌ちゃん!」

俺は2人にバレないように、万が一千歌が落ちた場合すぐ助ける事が出来る位置まで移動しながら、2人の話を聞いていた。

「それって、とっても素敵な事だよ。」

「あっ…ふんっ、うぅ…!」

千歌の言葉を聞いて、梨子も千歌の方へと手を伸ばす。

「流石に、届かないね…」

梨子がそこで諦めようとすると、

「ダメー!」

千歌はさらに身を乗り出して、手を伸ばす。そんな千歌を見た梨子も、さらに手を伸ばしていく。

 

そして…

 

 

「「わぁ…!」」

 

 

2人の手が届き、そして梨子は、スクールアイドルになる事を決意したのだった…




次回の、海の少女たちと車のライダー!
本格的にスクールアイドルを始めため練習を始める千歌達3人と俺の前に、浦の星女学院の新理事長が現れる。
そして、ドライブの新たな姿に変身するためのシフトカーが登場する!

次回、『第14話 ニューボディに変身するにはどうすればいいのか』





はい。次回はとうとう、浦の星女学院の理事長に就任した彼女が登場します!
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