無個性な僕は丑の戦士に助けられた   作:シマユウ

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お久しぶりです
とりあえず体育祭終わります

誤字脱字の報告いつもありがとうございます。気を付けていますが多々あるかと思います。
申し訳ございません。

よろしくお願いいたします



19話

『さァいよいよラスト!! 雄英1年の頂点がここで決まる!! 決勝戦!! 轟VS白井!!』

 

 僕は準備運動をしながら轟を観察した。緑谷戦で使ったあの爆風は食らいたくないね。そして轟が最初に取る行動は……。

 

『START!!!』

 

 氷の大波がこちらに向かってきた。

 

『いきなりかましたあ!! 白井との接近戦を嫌がったか!!』

 

『白井相手なら無理をせず遠距離攻撃で戦った方が倒せるだろう……だが』

 

 その波を木っ端微塵に斬り刻みながら進んでいった。

 

『あいつを倒すならもっと威力のある攻撃じゃないと無理だろう。あれぐらいの氷はあいつはものともしない』

 

 轟は僕との接近戦を嫌ってか氷を出し続けた。それを真っ向から斬り刻んだ。

 

「おいおい、これだと戦闘訓練と同じだよ、轟」

 

「……………」

 

「緑谷の時みたいに左を使ってきなよ」

 

「……………」

 

「うーむ。黙りか……なら」

 

 僕は猛攻を仕掛けた。轟も応戦のように氷結をだすがそれを全て斬り刻んでいった。しかし左を使う素振りは見えない。僕は距離をとった。とりにとって、そして場外ギリギリの所で座った。

 

『ど、どうしたんだあ!? 白井のやつ、場外手前で座り込んだぞ!!』

 

 観客もざわついている。

 

「……なんのつもりだ」

 

「ようやく喋ったね。見ての通りさ。今のキミを倒してもねぇ」

 

「…………」

 

「なんか悩み事? 話ぐらいは聞くよ」

 

 少しの沈黙の後轟は話始めた。

 

「……緑谷と戦ってからいろんな事考えた」

 

「ほうほう」

 

「自分が正しいのかどうか、自分がどうすればいいのか。わからなくなっちまったんだよ」

 

 うーむ。こういうときはどんな言葉をかけるべきなのか。

 

「そうだなぁ。……うん。言葉が見つからないけど、僕の信念は、①すると決めて、②する。きちんと段階を踏む事。①の段階にいながらにして、②を悩むのは、愚の骨頂だよって教わったよ 」

 

「………………」

 

 僕は立ち上がり剣を抜いて構えた。

 

「今は戦ってから考えよう。キミの悩みも全てを僕に全力でぶつかってきなよ。僕はそれを全力でつぶしてあげるから本気でかかってこい」

 

「俺は……」

 

 僕は駆け出し轟の距離をつめ攻撃しようとした。しかしまだ踏ん切りがつかないのか氷結で応戦している。その時

 

「負けるな頑張れ!!!!」

 

 緑谷の言葉に轟の左から熱量が帯びていった。

 

『緑谷戦で見せたあの炎再びだあ!! 轟も本気ってことだあ!!!』

 

 これはなかなか凄いな。ていうか緑谷効果絶大だね。スゴいね。

 

「黒ちゃーーん!! 頑張れーー!!」

 

 チラッと見ると蛙水と芦戸の応援する姿が見えた。そうだよな。僕もカッコいい姿見せないとな

 

『白井も爆豪戦で見せたあの剣撃の暴風で応戦だあ!!!』

 

 炎は避けて氷は切り刻みながら進んだ。

 

「炎の威力は申し分ないが初心者マークだから怖くないね」

 

「チッ!!」

 

「炎ばっかりじゃなく氷も一緒に使うんだ」

 

「んなこと分かってる!」

 

「分かってんならやってみろよ!」

 

『な、なんか、白井が轟にアドバイスしているぞ?』

 

 なるほど教えるのはこんなに難しかったのか。とりあえず伝える事は伝えたし後は……

 

「他にもあるけど最後に君の弱点を教えておくよ」

 

「弱点?」

 

「それは……」

 

 僕は駆け出した。轟は応戦するがそれを全て避けて目の前まで近づいた。

 

「くっ!?」

 

「実は攻め方が大雑把だよ、轟」

 

 僕は剣の柄の部分で轟を殴った。轟はそのまま倒れた。

 

「轟くん行動不能!! よって白井くんの勝ち!!」

 

『以上で全ての競技が終了!! 今年度雄英体育祭1年優勝は…───A組 白井 黒!!!!』

 

 歓声に答えるように僕はガッツポーズをした。それと同時に疲労などで意識を失い倒れた。

 

※※※※※※

 

 目が覚めるとそこは保健室だった。隣には蛙水と芦戸の姿が居た。僕が目を覚めたのを気づくと

 

「「黒ちゃん!!」」

 

 二人は僕に抱きついてきた。

 

「心配したのよ」

 

「ふぇーん。よかったよお」

 

 騒ぎを聞きつけた他の皆がやってきた。体育祭は終わったとのことだった。表彰台にあがりたかったな……。すると芦戸が

 

「はいはーい! それじゃあ、優勝した黒ちゃんにメダルの授与をします!! はい、梅雨ちゃんよろしくね」

 

 蛙水の手にメダルがあり僕の首に掛けてくれた。そして照れながら僕の頬にキスをした。

 

「えっ!?」

 

「おめでとう、黒ちゃん」

 

「あぁー、ずるーい! 私も!!」

 

 芦戸も反対側の頬にキスをした。

 

「うぇい!!?」

 

 変な声を出してしまった。二人も他の皆も笑っていた。そんな中血涙を流している峰田の姿がいた。こうして体育祭は僕の優勝で終わった。

 

 各々もこの体育祭で思う事があるのだろう。それを乗り越えてこそ雄英高校。『Plus Ultra!!』って奴だね。

 

※※※※※※

 

 僕は帰宅すると同時にロビーで倒れ込んだ。リカバリーガールに治癒はされたがそれでも疲れは出る。やはり爆豪戦が一番堪えた。起きあがろうとしたら呼び鈴が鳴った。僕は玄関を開けるとそこには不景気で眠そうな男子高校生が居た。

 

「? あのー、どなたですか?」

 

「白井黒ってアンタの事?」

 

「えっ!? うん、そうだけど……あなたは?」

 

「うん? ……あぁ、こう答えれば分かるみたいだな」

 

子の戦士『うじゃうじゃ殺す』寝住

 

 『戦士』という言葉に僕は失井の事が頭をよぎる。寝住は

 

「とりあえずあんたにコレを渡しておくよ」

 

 渡されたのは僕が持っているのと同じ、しかし使い古された牛蒡剣があった。

 

「……これ……は?」

 

「分かるだろ? コレの意味を……。俺が此処にいるって事の意味を……」

 

 まさか。まさか。まさか。ありえない。彼が……。あの彼が……

 

「彼は……死んだの……ですか?」

 

 寝住は気怠げに頷いた。僕は自分の剣を抜き寝住に襲いかかった。それをあっさり避けた。

 

「おいおい、いきなり何すんだよ」

 

「…………」

 

 僕はなりふり構わず何度も斬りかかった。それをまるで分かっていたかのように避けられる。逆に寝住に足を引っ掛けられて体勢を崩してしまい転けてしまった。

 

「……とりあえず話でも……」

 

「くっ!! うぉおおお!!」

 

 僕は何度も何度も斬りかかった。しかしその刃が届く事はなかった。

 

「気はすんだか?」

 

「……うん………そう、だね」

 

 目が濡れていたがそれを拭いながら僕は仰向けになった。そうか、彼は死んでしまったのか……。

 

「……丑の旦那は最後まで正しい事をしていたよ」

 

「……そうか。なら……仕方……ないな」

 

 いつの日か彼に認められたかった。その時は彼といっぱい話をしたかった。それはもう叶わない。でも彼は彼らしく正しい事をして死んだんだ。涙がまた零れた。

 

「……仕方ないな」

 

 僕は俯いていると寝住は近くの椅子に座った。

 

「俺はそれを渡してと言われただけだ。まあ、それが旦那の最後の台詞だったのも確かだ。あっ、その前に大戦の話が先だったか」

 

「大戦?」

 

 寝住は僕に十二大戦という戦いについて話はじめた。十二年に一度開催される十二支の戦士が集い争う大戦。頂点に立ったものは『どうしても叶えたいたったひとつの願い』を成就する事が出来る。最凶の強敵、憂城とともに潔く散ったこと。

 

「………そして優勝したのは俺だったってわけ」

 

「……彼は何を願っていたのですか?」

 

 寝住はばつの悪そうな顔を浮かべて

 

「………悪い、それについては旦那は教えてはくれなかったよ」

 

「そう……ですか」

 

 彼の願いとは何だったんだろう。それに……

 

「寝住……あんたの願いってなんだ?」

 

「俺?」

 

「叶えたいたったひとつの願いってのは……」

 

 寝住はもっとばつが悪そうな顔をし

 

「……それは考え中ってやつ」

 

「そう……見つかるといいな」

 

 寝住は立ち去ろうとした。一応見送りをした。すると

 

「アンタが旦那のようになれば良いんじゃない?」

 

「僕はあの人のように強くない」

 

「違う。アンタは旦那のような生き方をすればいいだろ」

 

 ………そうか、そうだよな。それこそが彼の意志を継ぐことになるはずだ。僕は決意をし

 

「あぁ。なってみせる。必ず!!」

 

「そう。まあ、影ながら応援してるよ」

 

 寝住は手を振りどこかに行ってしまった。僕も寝住が願うたったひとつの願いが見つかるように願っておこう。家に戻りロビーの惨状は片付けが大変だと思った。その近くに合った彼の剣を拾い上げた。それを見ると彼が本当にこの世に居ないという事実に僕はまた泣いた。

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