無個性な僕は丑の戦士に助けられた   作:シマユウ

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20話

 体育祭の二日後。天気は生憎の雨だ。僕は学校に行く道中様々な人から「優勝おめでとう」と言われた。なんか恥ずかしいな。子供からはサインや写真をねだられて書いた。

 

※※※※※※

 

「超声かけられたよ、来る途中!!」

 

「私もジロジロ見られて何か恥ずかしかった!」

 

「俺も!」

 

 教室に入ると僕と同じように他の人も声をかけられたみたいだった。一日で注目の的になるとは雄英すげぇ。チャイムがなるとみんな席につき静かに待った。

 

「おはよう」

 

 相澤先生が入ってきた。すると蛙水が

 

「相澤先生、包帯取れたのね。良かったわ」

 

「婆さんの処置が大ゲサなんだよ。んなもんより今日の“ヒーロー情報学” ちょっと特別だぞ」

 

 特別という言葉に一瞬緊張が走る。皆は身構えていた。

 

「『コードネーム』ヒーロー名の考案だ」

 

『胸ふくらむヤツきたあああああ!!』

 

 相澤先生が個性を発動しそれを見た皆は騒ぐのをやめて静かになった。

 

「というのも先日話した『プロからのドラフト指名』に関係してくる。指名が本格化するのは経験を積み、即戦力と判断される2、3年から……」

「つまりは今回来た“指名”は将来性に対する“興味”に近い。卒業までにその興味が削がれたら一方的にキャンセルなんてことはよくある」

 

「大人は勝手だ!」

 

 相澤先生の言葉に峰田は机を叩くがまあそんなもんだろうなと思った。

 

「頂いた指名がそんまま自身へのハードルになるんですね!」

 

「そ。で、その指名の集計結果がこうだ」

 

 黒板に集計結果が写し出される。

 

「例年はもっとバラけるんだが三人に注目が偏った」

 

 体育祭の順位、つまり僕と轟と爆豪に指名が多く集まっていた。嬉しいかったり、不満だったりと様々な反応がでていた。

 

「これを踏まえ……指名の有無関係なく、いわゆる職場体験ってのに行ってもらう」

 

 ほうほう、職場体験ですか。

 

「おまえらは一足先に経験してしまったが、プロの活動を実際に体験しより実りある訓練をしようってこった」

 

「それでヒーロー名か!」

 

「俄然楽しみになってきたァ!」

 

「まァ仮ではあるが適当なもんは……」

 

「付けたら地獄を見ちゃうよ!! この時の名が! プロ名になってる人多いからね!!」

 

『ミッドナイト!!』

 

 相澤先生の言葉を遮りミッドナイトが教室に入ってきた。

 

「まァそういうことだ。その辺のセンスをミッドナイトさんに査定してもらう。俺はそういうのできん」

 

 相澤先生は教壇の下からゴソゴソと寝袋を取り出した。この人寝るつもりなのか……。

 

「将来自分がどうなるのか。名を付けることでイメージが固まりそこに近付いてく。それが『名を体で表す』ってことだ。“オールマイト”とかな」

 

───15分後───

 

「じゃ、そろそろ出来た人から発表してね!」

 

 発表形式か。ふむふむ。これはなかなか度胸がいるね。トップバッターは芦戸だ。

 

「じゃあアタシね! エイリアンクイーン!!」

 

「2!! 血が強酸性のアレを目指してるの!? やめときな!!」

 

「(三奈ちゃん……それは違う)」

 

 僕は心の中で呟きながら映画に出てきたエイリアンと芦戸を足して2で割った姿がよぎった。………ないな。

 

「じゃあ次私いいかしら」

 

『梅雨ちゃん!!』

 

「小学生の時から決めてたの『フロッピー』」

 

「カワイイ!! 親しみやすくて良いわ!! 皆から愛されるお手本のようなネーミングね!」

 

((((((ありがとう梅雨ちゃん、空気が変わった!!))))))

 

 みんなからはフロッピーコールが教室を優しく包んだ。それに続いてみんなも発表していった。爆豪の『爆殺王』には吹いた。

 

「残ってるのは再考の爆豪くんと……飯田くん、そして緑谷くんに白井くんね」

 

 飯田は自分の名前にしたみたいだ。緑谷は……

 

「!? えぇ、緑谷いいのかそれェ!?」

 

「うん。今まで好きじゃなかった。けどある人に“意味”を変えられて……。僕にはけっこうな衝撃で……。嬉しかったんだ」

 

 そこには、真ん中に大きく『デク』と書かれていた。

 

「これが僕のヒーロー名です」

 

 いいな。そういうの。なら僕も……。僕はあるもの片手に前にでた。それは修行の一環としてやっていた敵退治の際に使っていた仮面を付けて言った。

 

「今度はちゃんとした名前で活動するよ。仮面ヒーロー『シロクロ』」

 

 するとミッドナイトは

 

「いいわね。でもヒーロー活動は学生のうちにはしちゃっだめよ」

 

「………………」

 

「はい、勿論です!」

 

 なので睨まないで下さい、相澤先生。僕の言葉を信じたのか相澤先生は睨むのを止めてくれた。さっさと席に戻った。ちなみに爆豪は

 

「『爆殺卿』!!」

 

「違う、そうじゃない」

 

 やっぱり面白いな。時間も無いので後日となった。もう『爆心地』とかで良いんじゃないかな。

 

「指名のあった者は個別にリストを渡すからその中から自分で選択しろ。

 指名のなかった者は予めこちらからオファーした全国の受け入れ可の事務所40件。この中から選んでもらう。

 それぞれ活動地域や得意ジャンルが異なる。よく考えて選べよ」

 

 おいおい、この量から選ぶのか。嬉しい悲鳴だよ。

 

「今週末までに提出しろよ」

 

「あと二日しかねーの!?」

 

 うーむ。これはどうしよう。早く決めようっと。……おや? この事務所って、確か……。

 

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