僕は地下闘技場で様々な相手と戦った。死にかけた事もあった。それも良い経験と思い戦った。そして彼と出会って一年が経った。つまり明日、約束の時がきた。僕は彼に頭を下げ
「一年間本当にありがとうございました。明日は必ず結果をだします」
彼はいつも用にいつもの椅子に座り珈琲を飲んでいた。
「そうか……。私も明日この町を発つ。そして二度と戻らないだろう」
「えっ!? ど、どこに行くんですか!?」
「それは言えない。戦士として戦いに赴くだけだ」
そうか、明日で彼とはお別れなのか……。なんだか少し寂しさがある。すると彼は立ち上がった。剣を持ち構えた。
「最後だ。これは実戦訓練ではない。全力で相手をしてあげよう」
彼の言葉に僕は剣を構えた。これが最初で最後の彼の全力の戦闘。僕はこれまでのすべてをぶつける!!
「よろしくお願いします!!」
「では……いくぞ」
二人は構えて一気に駆け出して、剣と剣が交わった。
※※※※※※
大の字になって傷だらけで倒れている僕。彼は僕の横に立っている。彼の頬に一筋の傷が見える。これが僕の一年間の成果だ。
「私は全力でキミの相手をした。そして私に傷をつける事ができた。見事だ。これならば明日は大丈夫だろう」
「ぼ、僕は、アナタの、ように、なりましたか?」
「うむ……。それはキミ自身が決めてくれ。本当に私のように、なるのであればより一層強くなりたまえ。そして、正しいことを正しく行うのだな」
本当に最後の最後まで彼らしいな。それでも
「なります。僕はアナタのようになります」
最初からそしてこれからも僕の目標だ。
「……今日はゆっくり休みたまえ。明日に備えるんだな」
彼は寝室に向かった。僕も手当てをして寝ることにした。
※※※※※※
朝起きると枕元に手紙が合った。内容はこの館はどう使っても良い事。ただそれだけが書かれてあった。僕はいつものように朝の運動をして朝食をとりいよいよ対決の時がきた。僕は自宅に向かった。
自宅兼父親の事務所に向かうと父と何人かが玄関先に立っていた。
「どうも、あなた方を倒しにきました」
「ふん、ほざけ。まずは私のサイドキック達を倒してから言え」
父はサイドキックの人達に向かい言い放った。
「相手は子供だが敵だと思え!! 殺す気で戦え!!」
「「「「「「「はいっ!!!!」」」」」」
父は個性『武器庫』を使い武器を作り上げ彼ら一人一人に渡した。渡し終えると家の中に入っていった。
僕を囲むようにサイドキック達は武器を構えた。何をされたか分からないが彼らの目は少し血走っている。僕も牛蒡剣を構えた。
*父親視点*
優秀なサイドキックを選び、一人一人の個性に合った武器も渡した。それ以外に妻の個性『薬効』によりドーピングしている。
これでアイツが勝てる確率なんてゼロに等しい。私たちはサイドキックの連絡がくるまでリビングでくつろいでいた。
時間的に一時間は経つ。連絡がきても可笑しくない。すると部屋の扉をノックする音が鳴った。
「入れ」
ようやくきたかと、思っていたら有り得ない声が聞こえた。
「なんだ。リビングにいたんだ」
※※※※※※
僕は悠々とリビングに入った彼らは、驚きをかくせていなかった。
「どうして貴様が……。サイドキック達はどうした!?」
「彼らは戦闘不能にしたよ。手足の一本を斬ったから動けないよ。仕方ないよね。相手は殺す気できたんだ。それに対処しただけ」
父は母に目配せし、母はどこかに向かった。恐らくサイドキック達のもとに向かったのだろう。リビングには父とその後ろで養子くんと僕だけになった。
僕は剣先を父親に向けた
「どうします? ここで戦いますか?」
父は場所を移動するそうで「ついて来い」と言った。向かった先は隣接するトレーニングルームだ。ここで日々の鍛錬をしていた。
「ここなら良いだろう」
「そうですね」
僕は剣を鞘に収め、近くに合った訓練用の木刀を構えた。
「……なんのつもりだ」
「一応親ですし……。致命傷は避けてあげようという僕の配慮です」
「私をなめているのか」
「そうですね。これぐらいのハンデは必要だと思いました」
僕の言葉に父親は個性『武器庫』を使い剣を作った。
「いくぞ、餓鬼」
「(あんたの実子なんだけど)……どうぞ」
僕は父を注視する。戦い方……予測。持っている剣の形状からして……予測。予測。予測。予測。予測。
父はその剣を投擲してきた。僕はそれを軽々と避け、瞬間的に剣の持ち手を握り、逆に投げ返し父親の頬を掠めた。そして僕は距離を一気に詰め父親の首に木刀を突きつけた。
「なっ!?」
「はい、これで一回死にましたね」
父は舌打ちをし、個性を使い二丁の銃を作りだし距離をとろうとしたが僕は父の作られた銃を叩き落とし、父の首筋に当てた。
「これで二回目」
「くっ!?」
それから父の攻撃に対して簡単に避けて急所に寸止めで攻撃をした。
「………ほら、右腕斬られたよ」
「なめるな!?」
「次は両足斬られたよ」
「くそ!!」
「…………」
数十分後
僕は攻撃の手を止めた。父も僕が止まった事に気づいたみたいだ。
「もう、いいや」
「……なに?」
「分かっているでしょう。アナタは僕に勝てない」
「っっ!」
「本気で打ち込んでいたら何カ所も骨折はしている所を僕の温情で寸止めにしていたんだよ。分かる? アナタなんて簡単に倒せると言ったんだ。……それともコッチを使おうか?」
僕は腰にある牛蒡剣をみせた。
「………」
父は持っていた武器を手放した。
「それとも……」
僕は入り口に向けて木刀を投げつけそこの壁に突き刺さった。
「ひぃい!?」
「アナタが相手しますか、母さん?」
先ほどから介入しようとしていた母は、腰を抜かしその場に座り込んでしまった。僕はこの場を後にする事にした。そういえば……。
「君はどうするの、養子くん?」
「……えっ!?」
「君も戦うかい? ヒーローを目指すなら親のピンチくらい助けてあげなよ」
養子くんは首を横に凄い勢いで振っていた。少しは戦おうと思えよ。この場には戦意のなくなった父、腰をぬかしている母、戦おうとはしない養子。なんだか不憫に感じた。
「僕の勝ちってことで。僕の言うとおりにして貰うよ。基本的に書類とかのサインは必ずやってね。金銭面もよろしくね。後この家では住まないよ。それでも良いですか?」
父も母も聞くことしか出来なかった。僕はため息をして家から出て行った。なんだか不完全燃焼で終わってしまったので地下闘技場で汗を流すことにした。
何回か戦って僕は館に帰宅した。今後はどうしよう。悩んでいるとテレビ番組で雄英高校ヒーロー科の紹介をしていた。
「………これだ」
そうだ。次の目標は雄英高校ヒーロー科に入ろう。そう思った来年中学3年になる僕であった。