ルクスレイ・ヴァルレクスは自らを正義などとは一度も思ったことなんてない。
所詮自分がやっているのは自己満足に過ぎないし、快楽主義者が快楽のために人を殺すのと同じで、自分も悪を許容できないから殺す。
それがたまたま民衆の英雄像と重なったに過ぎない。
だからこそ彼は自らを英雄と呼ばずに裁かれるべき悪だと信じ込んでいる。
だがそれでもヴァーリはここで殺さなければ
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そもそもヴァーリは勘違いをしていた。
彼と戦う事が楽しいなどと思う事自体間違っているのだ。
彼と戦うということは雌雄を決するまで終わらないし、止まらないのだ。
それにだ、彼と戦うという時点で彼に勝利するなんてそれこそ闇の奥底の深淵で
だからこそ、この結末は当たり前だった。
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今ここにいる各勢力は目の前の光景に驚くしかなかった。
魔王の血筋であり、二天龍の片割れの白龍皇でもあるヴァーリ・ルシファーは歴史上最強の白龍皇だ。
その力は神殺しすら可能なほど強い。
そう、そのはずなのだが
殴ろうとすれば
「ハァッ!」
「遅い!」
カウンターで数十発殴られ
魔法を放とうとすれば
「これでどうだ!」
「まだだ!」
魔法が刀で切り裂かれ、その鎌鼬がヴァーリを斬りつけ
「
「そんな覚悟で俺の力を奪えると思うなよ!」
強すぎる力に吐血し、その上殴打斬撃を直接貰ってしまいヴァーリは満身創痍だった。
そのままトドメを刺そうと彼に近づき、あと数十メートルのところでひとりの鴉が眼前に立ち突然頭を下げてきた
「頼む!どうかこいつを見逃してやってくれ!俺の首でいいなら差し出すから!」
それは懇願だった。
1人の息子を守るために命すら投げ出す父親に対して返ってきたのはーー
「断る」
拒絶だった。
流石にその返しは予想してなかったのか鴉は固まり慌てながら言った。
「な、なら金か?女か?名誉か?何でもやるから「その口を閉じろ鴉」っ!?」
「俺が欲するのは奴の首一つだ。奴の思想は危険だ、戦うためなら殺人窃盗戦争生物として侵してはならないことすら起こす。そんな奴を野放しにすることなど出来ん」
「だが!そうなるとは限らないだろう!こいつだっていつか自分がしていることに気づいて「それは何時だ?そのために何人何十人何百人何千人が犠牲になればいい?そいつが殺した犠牲者の親兄弟親戚になんて言うつもりだ?」そ、それは・・」
「それこそ貴様らが人間を家畜、劣等だと思っている証拠に他ならない。数が多いから死んでも何も思わないし、何も感じない。減れば増やせば良いと思っている」
人外にとって人間とは食料であり、遊ぶ対象であり、道具であるとヴァルレクスは言った。
「もう貴様らのような人外が出てきて良い場所はないんだ。これから先は人間の時代だ、人間はもう一人で歩いていける時代なんだ。だからこそ表の世界に出てこようとするそいつを殺さねばならない。だからそこを退け鴉」
「・・・嫌だ。こいつは俺の一人義息子だ。義息子を差し出してのうのう生きるなんて絶対に嫌だ」
「そうか。――理解した。血の繋がらない義理の息子だとしてもそのために命を賭けるお前に対して俺は最大の敬意を払おう
二人同時に飛び出し光の槍と刀がぶつかりあった。