そして投稿遅れてすいませんでした!何でもるので許してください!
『いい..や...ま...だだ!ーー今こそ俺は黄金の天雷で遍く闇を討ち滅ぼそう!!!』
その瞬間空気が凍った。
誰もが目の前の光景を受け入れることが出来ずにいた。心臓を刺された人間が立ち上がり、子供が押せば倒れそうなくらい死に体のはずなのに、しかしそれが嘘と感じる程尋常ならざる
「う、嘘よ」
「そんな、バカな!」
「なんだ彼奴は!?」
「ば、化け物」
兵藤一誠は、一般人だったから知っている。
人間の意思の弱さ、身体の脆さを知っている。だからこそ心臓を刺され、死んだ方がマシとも言える激痛を感じながらそれでもなお立ち上がった
「あぁ理解しているとも。俺が
ーーそして彼はその恐怖を是定した。
誰よりも自らの力を知っているが故に、彼はどこまでも自らの狂気に気づいていた。即死の傷、数多の出血、普通なら即死する筈なのにそれを
「だからこそ、貴様等に立ち向かうことの出来ず、怯えさせられ、泣き寝入りするしかない者達の為に、俺が貴様等に立ち向かうのだ!貴様等が劣等と貶め、辱め、殺してきた者達の為に俺が存在することを理解しながら絶命しろ!」
ーーだからこそ彼は言う、
今も泣いている誰かがいる。今まで犠牲になった者達、犠牲にしてきた者達がいる。ならば彼は進み続けるだろう。それが破滅の道であったとしても。
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転生者である兵藤一誠は前世で好き勝手に過ごしてきた。そして今世であるこの世界で彼は自分をオリ主と信じ込み、今まで好き勝手に過ごしてきた。だから自分はオリ主である、自分は未知の相手にも主人公特有のご都合主義が働き、新しい力に覚醒して勝てると思っていた。
しかし彼は知らない、ご都合主義はあくまで創作の世界で起こる出来事で、そんなもの現実には起こらないことを。そして、それを自らの力で引き起こす
「ならその前に俺がお前を殺してやる!
『Welch Dragon Balance Blake!!!』
「これが俺の
しかしそれを見ても彼は眉一つ動かさない。そしてそれを見た一誠は苛立ちを覚えた、まるでお前なんて眼中にないと感じたから。しかし、他の者達は違う、一誠がここで禁手を至ったことに驚き、そしてもしかしたら勝てるかもしれないという希望を抱いてしまった。一誠が着いていれば自分達に敗北はないと信じ込んでしまった。
魔王、天使長、堕天使総統も一誠が禁手を出来たことに驚きはしたが、それでも彼等の顔色は晴れなかった。それもそうだろう、一誠は時間限定で禁手を一度使ったがそれでも上級悪魔であるライザー・フェニックスと互角だった。だがルクスレイ・ヴァルレクスは素の状態でカテレア・レヴィアタンを圧倒したのだから。それに加えて、最強の白龍皇を一方的に倒した上に、堕天使総統と互角の戦いをした。そんな奴が傷だらけとはいえ、パワーアップして復活したのだ勝てる確率なぞ、地球が誕生する確率にも等しい。自分達の戦力を加算してもそれは無に等しく、
ーー
その考えが彼らの頭によぎった。
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一誠の気合いの声ととも倍加した。
「ハァァァァァァァァァッ!」
『BBBBBBBBBBBBBBBboost!!!』
何千倍、何万倍にもされた一誠の力は、今や上級悪魔をも圧倒する力を手に入れた。そして彼が地面を蹴ったその瞬間、一誠はソニックブームを生み出しヴァルレクスに突っ込んだ。
ルクスレイ・ヴァルレクスは人間である、そんな彼がソニックブームを生み出し突っ込んでくる一誠を止めることなどできない。そんなことをすれば彼の身体は木っ端微塵に吹き飛び、贓物を撒き散らしながら死を迎えるであろう。そしてそれは一誠も理解しており、一誠はヴァルレクスが避けた瞬間倍加した魔力弾をぶつけて終わりだ考えていた。
ーーそう、ヴァルレクスが普通の人間だったならここで死んでいただろう。
ヴァルレクスは目のまで迫った突進の勢いを利用して地面に叩きつけた。
「!?…カハッ!」
『!?!?!?』
誰もがありえないその光景に目を見張った。自分達ですら避けることすらできない攻撃をいとも簡単に返したことに驚愕と畏怖を抱き、それと同時に彼の異常さを再確認させられる羽目になった。それだけでは終わらず彼は倒れている赤龍帝に落とした刀で剣戟を放った。
「ウォォォォォォォォォ!!!」
「!?ハッ!」
それを事前に感知した一誠は飛び退き避けそれに皆がホッとした。しかし次の瞬間一誠がとてつもない速度で吹き飛ばされた。皆が呆然としていた所でヴァルレクスの方を見ると、彼はなにかを投げた姿勢になっており、それ見た瞬間彼がなにをしたのか理解した。彼が一誠に対し刀を投げたのだ。そして砂煙で見えなかった彼の腹には刀が刺さっており、このままでは死んでしまう彼を助けようとリアス達が動いた。
『一誠(くん)(さん)!』
リアスが彼の刀を抜き、アーシアが癒し、それ以外が追撃を警戒する。しかし突如彼の周りから霧が発生し二人の男が現れた。
「何の用だ曹操」
「ハッ!これ以上ここで戦闘を行うと結界が壊れてしまい、街の者達にも被害が及びます」
「そうなのかゲオルグ?」
「はい。この結界では閣下の全力に耐えきれず壊れるのは明白でしょう」
「そうか、ならば帰還するとしよう」
そんな彼等の話を聞いていた者達は驚愕で固まっていた。
ヴァルレクスが全力ではないのも驚きだが、先ほど呼ばれた者達が過去の英雄の名で呼ばれたからだ。そこに疑問を抱いたアザゼルが聞いた。
「そこの二人は曹操やゲオルグの子孫か何かか?」
「そうだ。彼等は英雄の末裔であり、魂を受け継いだ者達だ」
「…まじかよ」
流石のアザゼルもその答えには驚いていた。
すると彼等の周りに霧が発生し彼等を包み始めた
「俺たちは人類を守護する者『
それを最後には霧に包まれ消えた。
戦いは終わったはずなのに三大勢力の顔には安堵や安心といった表情が浮かんでいなかった。彼の最後の言葉が彼等の心にあった安心や安堵の感情を消しさったのだ。そしてそれは魔王達も同じで、彼等の心にも安心や安堵といった感情が存在しなかった。寧ろ自分達が仕出かしてきた事がこんな事態を招くとは思っても見なかったのが余計に彼等の心を苦しめた。