よぉ、此所でこうして会うのは初めてだな。俺の名はリブロム、本だ。
唐突だがお前ら、魔法の存在は信じるか?
あ?魔法だよ、魔法。映画やゲームであるだろ?
杖振って呪文唱えりゃ火や氷が出るアレだ。
何?なんで俺が映画やゲームを知ってるか?
んな細けぇ事は良いんだよ。で、信じてんのか?信じてねぇのか?
…よし、お前らの考えは解った。
それを踏まえて話していくが、この世界には魔法が存在する。
映画やゲームで出てくる魔法…ありゃ、元は偶然魔法を見た奴が、それを素に考えたもんだ。
奴らが見た魔法は精霊魔法…西洋魔術、なんて呼ばれ方もしてるな。
四大元素や自然に宿る精霊を自分の魔力と呪文で制御し、神秘を行使する。
それが、お前達がイメージする『魔法使い』って奴だ。
奴らは普段、人間社会に紛れて生活している。
会社に通ってる奴も居れば、学校に通う奴だっている。
お前達の隣に居る奴も、本当は魔法使いかもしれねぇぜ?
人間は、自分たちとは違う異端を嫌う生き物だ。
だからこそ、魔法使いは人前じゃ魔法を使わねぇし使わせねぇ。
其れを破れば罰せられる…それが魔法使いのルールだ。
だがな…この世界には、もう一つ魔法が存在する。
それは杖を使わねぇし、呪文なんてのも唱えねぇ。
ただ、その魔法には一つの
『代償』と『犠牲』…それが、その魔法の法則だ。
力を得るには、それ相応の代償が必要。
お前らが飯を買うのと一緒だ。
欲しい食い物に見合った金を払うように、奴らは魔法を使う為に代償を払わなけりゃならねぇ。
魔法で武器を造りたければ、そのベースになる供物に宿る力を払う。
奴らは、そうして魔法を行使する。
だが、供物に宿る力は無限に有る訳じゃねぇ。
魔法を使えば供物の力は消費され、使いすぎれば供物は壊れる。
ましてや、大きな魔法を使うとなると、供物以上の代償を払う必要がある。
だったら、何を代償として払うのか…
それは、奴らそのものだ。
全身の皮や目玉一つ…中には、自分や仲間の命を犠牲にしなきゃならねぇ魔法だってある。
杖振って呪文唱えりゃ奇跡が起きる、なんてご都合主義のない
『代償』と『犠牲』を払って起こす
それが、もう一つの魔法。
そして、それを使う奴らを西洋魔術師はこう呼ぶ…『古の魔法使い』とな。
これは、そんな血腥い『古の魔法』を使う男と、西洋魔術師達が紡ぐ物語だ。
同じ魔法使いでありながら、在り方の違う奴らが築いて行く未来
それが栄光輝く救済か、屍の山聳える破滅の道か。
はたして、どっちなんだろうな…?