そういえば、ソルサクが討鬼伝とコラボしますね。
麻帆良学園女子中等部学園長室…此処に、6人の人物が集っていた。
近衛近右衛門、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル、タカミチ・T・高畑、桜咲刹那…そして、ガトウ・カグラ・ヴァンデンバーグと、未だフードで顔を隠している少年だ。
「よくいらした、古の魔法使い殿」
重苦しい沈黙を破るように、近右衛門が口を開いた。
タカミチと刹那が、その言葉に疑問の表情を浮かべるも意に介さず、近右衛門は言葉を続ける。
「儂が此の学園の長、近衛近右衛門じゃ生徒を守って頂いた事、誠に感謝する」
「…」
近右衛門の言葉を聞きながらガトウが少年に目配せすると、少年は顔を隠していたフードを外して顔を露にした。
齢は恐らく14、5くらいだろう。
灰色にも似た銀髪にブラウンの瞳、端正ではあるが、幼さの残った顔。
鋭く、猛禽を思わせる瞳が近右衛門を捉えると、少年は近右衛門へと深く頭を下げた。
「シグトだ…此方こそ、領地に無断で入ったうえ、魔法を行使して申し訳ない」
「いや、それは生徒を助ける為の行為故。此度の件は手打ちに致そう…して、聞かせてくれるかの?」
少年…シグトの言葉に笑みを返すと、近右衛門は先を促す。
その言葉でシグトは目の前の老人が魔法を使い、自分たちの会話を聞いていた事を察した。
「話が早くて助かる…既存生物の異形化。俺たちはそれについて調べている」
「!…何処でその情報を知ったかの?」
シグトの言葉を聞き、近右衛門は驚愕の表情を浮かべるも、すぐさま眼光を鋭くさせる。
何故ならば、シグトが口にした内容は、学園…否、魔法関係者の中でも上層部に組する者でなければ知る筈も無い内容だからだ。
「…あ、あの…学園長?」
睨み合う両者の間に流れる緊迫した空気に堪えられず、刹那は小さく声を洩らした。
隣に立っているタカミチでさえ、両者の間で話されている内容に訝しげな表情を浮かべている辺り、此の話は彼女達には知らされていない内容なのだろう。
「下の奴らに教えていなかったのか…この際だ、アンタ達も知っておいた方が良いだろう」
「いや、まだ詳しい事が分からん内に話すのは…」
「それで、事が起きたらアンタは責任を持てるのか?」
刹那達の様子を見たシグトが口を開いた瞬間、近右衛門が制止の言葉を掛けようとした。
だが、次に放たれた言葉に言い淀んでしまう。
それを横目で見たシグトは、刹那達に視線を移して話を続ける。
「数年前、魔法世界の一部地域で、ある現象が起きた…これまで何の変哲もなかった生き物が突如異形化する、という現象がな」
「既存生物の異形化…?」
小さく呟いた刹那の言葉に小さく頷くと、シグトは一枚の写真を見せる。
其処に写されていたのは、自分達の知るものに似ているが、まったくの別物だった。
「なんなんですか…これは…」
身体の輪郭は、ネズミに酷似している。
だが、多くの箇所が違っていた。
躯体は仔馬程の大きさを持ち、左腕が異常に発達している。
身体は闇色の汚泥のようなもので覆われ、瞳は燃える石炭のよう。
何より…鼻に位置する場所
其処には、人間の頭蓋骨があった。
「ゴブリン。俺はそう呼んでいる」
「コレの他にも、異形化した生物が居る。猫や鴉、樹木と言ったものから…人間までな」
シグトの言葉に続いて発せられたガトウの言葉に、全員が息を呑んだ。
「人間…って、どういう事ですか?!」
「そのままの意味だ。何が原因かは分からない…ただ一つだけ、分かっている事は」
刹那の言葉に小さく返しながら、シグトは更に数枚の写真を見せた。
5mはあるであろう巨大な肥満体に翼を持った人面鳥
幾つもの眼球を持った悍ましい槍を持つ単眼の怪物
黒い体毛に覆われ蝙蝠の羽を持つ、悪魔を連想させるような怪人
其処に写っているものは、どれもが人間が異形となった姿だという。
「異形化した生物はどれも、強い欲望を持っていた…という事だ」
次回は主人公とガトウの設定を公開予定。
以前構想していた設定とは大幅に変わっているかもしれないです