魔法科高校の劣等生~錬鉄の継承者~   作:アゲハチョウ

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3話

あの後、ほのかと雫が一緒にホームルームを見に行かないかと誘われたが、用事かあるという事で断った。

 

(何故、二人とも少し寂しそうな表情をしていたんだろう?)

 

断ったときの二人の表情が例えるなら主人にあまり構ってもらえなく寂しそうな犬や猫みたいに見えた。

 

「さて、鍛練を始めよう」

 

家の地下にある鍛練室でいつも日課として行っている鍛練をしていた。

 

「まずはいつも通りに自分の体を解析してみよう」

 

目を閉じて、頭の中で回路に電源をいれるイメージと共に言葉を紡ぐ。

 

解析、開始(トレース オン)

 

――身体に目だった怪我なし

 

――魔術回路 五十四本

 

――精神汚染・洗脳なし

 

「ふぅ、特に変わったところなし」

 

強いて言うなら夢の中に出てくる僕よりは魔術回路と呼ばれる魔術を使うのに必要なものが多いってところだけだ。

 

「次は本命と行きますか」

 

イメージで作り出したのは黒と白の双剣。夢の中で自分が最も愛用していた剣である。

 

(余計なことを考えるな。常にイメージするは最強の自分)

 

基本骨子想定を完璧に、構造に穴を作るな。自分が作るのは…。

 

「自分が作るのは真に迫った贋作だ」

 

回路に電源をいれるイメージと共に再び言葉を紡ぐ。

 

投影、開始(トレース オン)

 

投影したのは夫婦剣。その概念は互いに引き付け合う磁石のような力と怪異に対しては強い力を発揮する。

 

「ふう、なんとか上手くいった」

 

剣を視てみると基本骨子の想定は完璧だ。構造にも穴はない。

 

「次はこれを強化してみるか」

 

本来なら別のものを強化したりするのだが、今日はじめて自分が投影したものを強化する。

 

強化、開始(トレース オン)

 

骨子の隅々までに強化を施すためそれなりに神経を使う。

 

「ぐっ、結構厳しかったけど。上手くいった」

 

強化が施されているのを確認して、振るうことにした。

 

(今日も相手よろしくね)

 

イメージしたのは全身蒼いタイツ姿に身を包み、紅い槍を持つ男の人だ。

 

「ふっ、せい!」

 

その男の人のは命を奪われたことがあった。夢の中では戦った記憶を何度も見てきた。

 

「その手は通じないぜっ!」

 

故にイメージしやすく、またどんなことをしてくるのか予想もつきにくく、スピードも最も速い相手でもあった。

 

 

 

 

また、夢を見ていた。そこはまるで廃墟となった城のような場所。隣には自身の■■■■での相棒である■■■■がいる。

 

(いつも大事な部分にはノイズが走り、また大切な人たちの顔には影がかかってい見えないよね)

 

それでも自身の顔だけははっきりと見えていた。そして、これからやって来る相手の顔もだ。

 

『英霊■■■。それがお前の真名』

 

現れたのは紅い外套に身を包み、白い髪に灰色の瞳の男だった。

 

『■■■の理想を、英雄となった姿が貴方ではないなのではないのですか。なのに何故、こんな自分を殺すような真似を』

『確かにオレは理想通りの英霊になった。人間を救い、世界の危機とやらを救ったこともあった』

 

■■■■の問いに答えながら歩んでくる。その姿はまるでどこか後悔しているように感じた。

 

『だが、その果てに得たものは後悔だけだった。……残ったものは死、だけだっただったからな』

『死……だけ』

『できるだけ多くの人間を救う為に、殺して殺して、殺し尽くした。己の理想を貫くために多くの人間を殺して、殺した人間の数千倍の人々を救ったよ。そんなことを何度繰り返したのか、分からないんだ。■■■■』

 

その表情はもうかつての自分とは違うものだった。人を救うことに疲れたような表情。まるで理想が間違っていたと言いたげなものだった。

隣にいた■■■■も少し後ずさっていた。

 

『オレがこの環から抜け出す術はない。……そう、ただひとつの例外を除いて』

 

そう言って彼は過去の自分()を睨み付けていた。

 

『お前、後悔してるのか』

『無論。オレ、いや、お前は英霊になどなるべきではなかった』

『それじゃあ、俺達は別人だ』

 

そう、断言した。自分達は別人だと。

 

『俺は後悔だけはしない!だから、お前のことも認めない!間違った理想はおれ自身の手で叩き潰す!』

『分かっているようだな。オレとは剣製を競い合うことだと言うことを!』

 

そして、その男は何かを唱える。

 

体は■で出来ている(I am the bone of my■■■■■)

 

目の前に炎をがよぎる。そして現れた世界は―――。

 

 

 

 

携帯のアラームが鳴り響き夢から覚めた。

 

「うーん、もう朝なの?」

 

あの夢は必ず二回ほど分かれてみる。そして、その後に広がる世界についてもよく知っている。

 

「さて、登校しないとね。遅刻なんてしたくないから」

 

そのまま、一階へと下りていった。

 

「おはよう、雫にほのか」

「おはよう、コノハ」

「おはようございます、コノハさん」

 

教室に入れば、昨日知り合った雫とほのかに挨拶した。

 

「お、おい、司波さんが来たぞ」

「やはり、美しいですね」

花冠(ブルーム)の鑑ですわ」

 

周りが騒がしくなったので、ドアの方へと目を向けるとそこには達也くんの妹で今年の新入生総代を務めた司波深雪さんがいた。

 

(偶像崇拝、に近いかもね)

 

周りはまるで彼女を信仰対象みたいになっている。

 

「おはようございます」

「お、おはようございます!司波さん!」

「おはよう、深雪」

「おはよう、司波さん」

 

僕たちも挨拶を返す。

 

(ほのかさんは緊張しすぎじゃないかな?)

 

「そう言えば、自己紹介がまだだったね。僕は影宮コノハだよ」

「わ、私は光井ほのかです!」

「北山雫。よろしく」

「ご丁寧にありがとうございます。私のことは知っていると思いますが司波深雪です」

 

そのまま先生が来るまで四人でしょうもない話をしていた。

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