野原刑事 登場
??side
6月7日 18時00分
違う、俺は犯人じゃない。
でも、誰も信用してくれない。
どうして誰も信じてくれないんだ。
そうだ、彼に相談しよう。
彼なら俺の無実を証明してくれるはずだ。
しんのすけside
白蛇マンション 6月8日 8時00分
「ここが事件現場か」
オレの名は野原しんのすけ。嘗て嵐を呼ぶ園児と呼ばれたオレも今年で25歳になった。
今じゃ刑事になり、結婚して一児の父親になっている。
人生ってのは解らないもんだ。
今オレは殺人事件の起きたマンションを訪れている。
「すごい出血量だな」
「鈍器なような物で後頭部を殴られてる。たぶん死因はこれだね」
オレに死因を教えてくれたのはボーちゃん。
今じゃ鑑識課に配属されているエリートでもある。
「被害者の名前は白滝美恵、24歳、独身。この部屋、246号室の住人。職業は宝石商で日本を離れる事も多かったみたい。因みに近所の人の評判は、若いのにしっかりしてるとか言われてたよ」
「なるほどね。それで目撃者は」
「目撃者は新聞の勧誘にきた黒川星雄、42歳、男。新聞の勧誘に来た際に容疑者が手に鈍器を持っていた所を目撃していたみたい。ほら、遺体の横にブロンズ像があるでしょ。それが凶器だと思われる。死亡推定時刻は昨日の16:00から17:00頃だね」
「それでその容疑者の名前は」
「河村やすお、25歳、男。フリーター」
河村やすお、どっかで聞いたことのある名前なんだけど?
「ねえ、ボーちゃん。オレ、その名前にすごい心当たりがあるんだけど、気のせいだよね」
現実逃避を図る俺だがボーちゃんの一言で現実に引きずり戻される。
「しんちゃん、現実逃避はダメ。幼稚園の時の同級生の河村やすお。あだ名は、チーター」
今回の事件の容疑者は幼稚園の時からの幼なじみの一人だった。
同日 22:00
オレは今自宅に帰ってきた。
現場調査をしていたら遅くなったので詳しい事を考えるために、一旦自宅で横になることに決めた。
因みにオレは免許証を持っている。
家に帰ると黒髪黒服でサングラスをかけた人が出迎えてくれた。
「お帰りなさいませ、しんのすけさん」
「ただいま、黒磯さん。悪いけど車を車庫に入れといてもらえる?」
そう、この人はオレの妻で旧姓は酢乙女あいと呼ばれた少女のボディーガード兼SPの黒磯さん。
昔に比べると少しだけ白髪が増えたが、未だに元気だ。
この一言で気づいたと思うが、オレは正式にあいと結婚した。
あの時はマサオ君が大泣きしていたのを今でもはっきりと思い出せる。
「かしこまりました。それと夕飯を用意しておりますので召し上がりください」
「ありがとう」
オレはそう言うと食卓へと向かった。