今まで全く使った事のない未知なる強大な力を与えられて、使いこなせる人っているのかな?
そう考えた結果がこれです
皆さんはWEB小説で人気のあるカテゴリは何だと思いますか?
これは私の持論なのですが……異世界物、これに尽きるでしょう
ちなみに2番目はVRMMORPGです、聞いてないですか、そうですか
そして話を戻しますが、異世界物と言って物様々なものがあります
純粋に異世界が舞台になっている”異世界物”
何等かの事情でそのまま異世界に飛ばされてしまう”異世界トリップ”
現実世界で死んでしまった後に、その異世界の人間として生まれる”異世界転生”
このあたりが一般的に知られている異世界物のジャンルでしょうか?
そしてなぜ私が今その話をしているのか、わかりますか?
これはそう、まさにあれです
「事実は小説より奇なり……まさかの異世界転生ですか」
そう、私はまさかの異世界転生を果たした現実世界の人間なのです
びっくりしましたか?安心してください、私もです
この世界は魔法が使える世界であり、この世界の人間は15歳になったに3月に
これが無ければ戦闘などを行う上で非常に不利になってしまいます
わかりやすくRPGで例えると、普通の人間は
「まぁ、それよりも荷ほどきを終わらせましょうか」
それは己の意思の強さや魔力が向上したりすると、
その魔法は
まぁ、早い話が
「んー……本、本置く場所は……」
……それは己の持っている魔力の量です
別に魔力が少ない人が弱いと言っているわけではありませんが、それでも魔力量が魔法の強さにも反映されてしまうので魔力量は大変重要なのです
そして魔力量はある程度遺伝してしまうので、王族や貴族が多く住む王貴界にいる人間は必然的に魔力量は多い
平民が住む平界も王貴界に住む人間ほどではないが、そこそこの魔力を持っている
王貴界から最も遠い場所……恵外界に住む下民は、生活を補助する程度の魔力しかもっていないことが多い
言っては悪いが、下民はあまり強くありません
「……あー、荷ほどきの前に先輩方に挨拶してきた方がいいでしょうか……?」
私は幸運にも王族として生まれ、さらには私の1番上の兄と同等ぐらいの途方もない魔力を持っている
私が生まれてすぐに母親が死んでしまったが、父親は健在で兄2人と姉が1人がいます
家族仲は……はっきり言いましょう、最悪です
そしてその原因は私にあるのです
私は……魔力のコントロールというのが全くできません
私の魔法属性は水で、水を球体にしてその場に留める程度のコントロールは出来ます……しかし、それだけです
「でも、下手に動いて迷子になってしまったら、先輩方に迷惑をかけてしまうかもしれませんが、どうしますかねぇ?」
魔力を操作するというとのは、いうなればもう1つの手足を動かすようなものだ
この世界の人間は生まれた時から持っているものだから、精密なコントロールはともかく全くコントロールが出来ないというわけではない
でも現実世界から転生した私はそうじゃありません
いきなり手足がもう1本生えて、それを自在に動かす……?
結果、まったくできませんでした、俺TUEEEEEEなんてありませんでした
それでもあきらめず、ひたすらに修練を積んだ結果、何とか水を球状に留める程度までコントロールが出来るようになりました
「晩御飯の時間に顔を……でもご飯を食べる時だと遅いでしょうか……?」
ほんのちょっぴりコントロールが出来たとはいえ、出来るのは水の球体を出すだけ
王族として生まれ、魔力チートであるにも関わらず、コントロールできない
私は、あの家では完璧な出来損ないだった
王族としてのプライドが高い兄達は、我が家の汚点である私の存在が気に入らないのだろう
色々ないじめを受けたし、魔法騎士団に入団する際も「出来損ないのお前はいらない」と言われてしまいました
……たしかに水の球体を出すことしか出来ない小娘が、戦闘や危険な任務のある魔法騎士団の入団試験を受けるというのは自殺行為以外の何物でもありません
でも、それでも、私は王族として、この国の国民を守る義務があります
私の従妹にも「危ないからやめた方がいい」と言われましたが、この1回を受けてダメだったら諦めるというのを条件に入団試験を受けました……受けようとしました
受付の段階で追い出されました、解せません
後々聞いた話ですが、どうやら兄達が前もって私が来たら追い返せと受付に命令していたそうです、完全に権力の無駄遣いです
「……やはり挨拶に行きましょう、荷ほどきはその後でもできますし」
私は途方にくれました
だって入団試験を受けられなかったのですから、これからどうするのかという身の振り方をまだ深く考えていなかったからです
最低入団試験を受ければある程度の態勢が保てたのでしょうが、入団試験すら受けられなかった私を兄達は許しはしないでしょう
散々「コントロールできないお前に王族の義務(国を守る)が果たせるわけない」と家事全般を押し付けられています
王族なのでもちろんメイドや執事はいますが、何かにつけて「紅茶を用意しろ」「食事を作れ」「髪を整えろ」と私が呼び出されます
そんな私は家を追い出されるか、逆に閉じこめられるかの2択になるでしょう
「こっちですよね?……なるほどわかりません」
しかし天は私を見放していませんでした
最低最悪の魔法騎士団と名高い黒の暴牛の団長、ヤミ・スケヒロ団長が私を黒の暴牛へ入団させてくれたのだ
もちろん私の素性や魔力コントロールが出来ないことも話してあるが、それでもヤミ団長は私を黒の暴牛に入れてくれたのです
曰く「面白そうだから」だそうです、なんて懐が広い人なんでしょうか(棒読み)
「……ん?人の声?……こっちですかね」
そんなわけで、兄達が帰ってくる前にぱっぱと荷造りを済ませ、この黒の暴牛へと身を寄せたのだ
荷造り途中でメイドたちが騒いでいましたが、すべてスルーです
紆余曲折を経ましたが、何とかこれからもやっていけそうで安心しています
私の異世界転生生活はこれからだ!
「お、てめーこんなところにいたのか!
おいアスタ、お前の同期で、今年の新入団員の1人だ」
ふいに私に声がかけられる
そちらを見て見ると、事前にヤミ団長に教えてもらっていましたが……
ああ、あの特徴的な髪形はマグナ先輩でしたっけ?
そしてマグナ先輩の隣にいるのは、銀色の髪に翡翠の瞳を持った小柄な少年です
私の同期、ということは彼も15歳なのでしょう
「俺、ハージ村のアスタ!一緒に切磋琢磨して頑張ろうぜぇー!」
にっこりと笑ってアスタは私に握手を求めてくる
……思えば誰かにこんなに慣れ慣れしくされたのは久しぶりかもしれません
この世界の私は王族で、しかも出来損ないの私と仲良くしようなんて従妹の彼女以外いません
も、もしかして、アスタが私の友達1号になるのでは……!?
私は興奮を抑えきれず、アスタとしっかり握手をし自分の名前を名乗りました
「私は王族の一族、シルヴァ家が次女のノエル・シルヴァです
……これからよろしくお願いします、アスタ、マグナ先輩」
さらりと2つに縛ったアスタとはまた違う銀色の髪が、風で揺れました