Lucid dreaming Story   作:櫛原薫

2 / 2
2 . 秘密のトンネル

ルナの通う学校は隣村、メソン村にある。ルナの住んでいるアステ村から歩いて1時間ほどかかる。

ルナは村人や犬や猫に挨拶しながら向かう。

村を抜け、隣村へと続く道を10分ほど行ったところで脇道にそれ、森にできた小さなけもの道のようなのトンネルに入っていく。

ルナはこのトンネルが大好きだ。学校へ行くには少し遠回りになるが、そのぶん朝早く起きてこの道を通る。

木々が風に揺れる音、鳥のさえずり、近くを流れる小川のせせらぎ… 耳をすませば歩く。

―カサッカサッ!

後ろから足音が聞こえた。その瞬間…

「わっ!」

そう言って後ろから少女が抱きついてきた。

「ルナちゃんおはよう」

「うわっ!うぐっ…マールちゃんおはよう」

マールと呼ばれた少女は彼女の幼馴染みだ。メソン村のパン屋、《ローズパン》の娘だ。

「ルナちゃんの髪、今日も金色で可愛いね!」

「マールちゃんの赤毛だって可愛いよぉ」

この道を発見したのはマールだ。学校に行き始めてまもない頃、ルナはマールに「こっちから行こうよ!」と手を引かれた。木々がひしめき合い、大人1人が通れるほどの小さな道を作っている。

「ね?凄いでしょ?昨日見つけたんだ!」

「えー?怖いよぉ。」

「大丈夫だよ。ちゃんとこの道からも学校に着くよ」

「熊とか銀狼が出そうだよ」

「出ないってばぁ」

当時、仕方なく着いていき、そして二人揃って迷子になり、何とか抜け出て学校についた時には昼になっていて先生に怒られたのを覚えている。しかし今ではもう慣れ迷うことは無い。今となっては2人だけの秘密の通り道だ。

「マールちゃん宿題したー?」

「もちろんしたよー」

2人の少女は森のトンネルを通り学校へ向かった。

 

ルナとマールは学校についた。

木造二階建ての建物で高さ12メル、奥行30メル、幅60メルほどで4つの村から子供たちが集まり、生徒数は120人ほどの小さな学校だ。

「おはよう」という声が学校中に響きわたる。

ルナとマール下駄箱に靴を入れ履き替える。すれ違う友達に挨拶しながら教室に向かう。ルナとマールは三学年で、一学年一クラスしかないので2人は同じクラスだ。扉を開け席につく。ルナは黒板向かって右側の外が見える窓側の席で前から2番目、マールは向かって左側の廊下が見える窓側の席で前から2番目だ。残念ながら3席も離れている。

マールが言った

「あーまた席替えしないかなぁ」

「えぇ、先週したばかりじゃん!」

「だって今度こそは隣の席になれると思ったんだもん」

「仕方ないよぉ」

いままで約3年間で隣の席になったのは3回しかない。

「それに、いいよねぇ。こっちの窓側」

「うん、風が気持ちいいよ。たまにウサギが校庭に来るよ」

「たまに、キジカもでるよね」

学校の校庭は草原になっており、すぐ近くに森があるので野生動物たちが顔を覗かせるのだ。

 

「皆さん授業をはじめます。席についてください」

しばらくして担任の先生が入ってきた。茶髪でロングヘアの彼女の名前はドーチェラ・イズメニア、生徒達からはドーチェ先生と呼ばれている。真面目な性格だが天然ボケが入った物腰柔らかな女性である。

「では、出席をとります」

順に呼ばれ生徒が返事していく。

「マール・ルベル・ローズ」

「はい!」

「ルナ・アウルム・オスマンサス」

「はい!」

「はい、全員いるわね。ではさっそく授業をはじめるわよ」

 

 

1時間目のニテン語、2時間目の数術、3時間目の図工、4時間目の体育を終え昼休みになった。

「はぁ体育つかれたよぉ」

「そうだね、マールちゃん」

体育の授業はこともあろうか陸上だった。運動は苦手ではないがさすがに校庭10週は疲れる。

「天気いいから外でお弁当食べよう!」

「そうだね」

2人は学校の北側に生えている大きなウルムスの木の下に行く。晴れの日はいつもここでお弁当を食べるが習慣だ。

四方八方に伸びる枝から生い茂る葉がほどよい日光を通している。木陰に風が吹く。

「はぁ、気持ちいいねマールちゃん」

「そうだね〜じゃあお弁当の見せ合いっこしよ」

「うん」

「「せーのっ!うわぁ」」

それぞれお弁当を見合う。どちらもとてもカラフルだ。

ルナのお弁当はガッリーナの唐揚げ、目玉焼き、ラクトゥーカサラダ、ヴルスト、そしてプリュネがのったオリュザだ。

「いいなぁルナちゃんのお弁当。唐揚げ1個ちょーだい!」

「うんいいよ」

「おいしい。ルナちゃんのお母さん料理上手だね!」

「マールちゃんのお母さんだって上手だよ」

マールのお弁当はブブラエのハンバーグ、カロートのバタ炒め、パタタサラダ、そしてサングイッチだ。

「いいなぁマールちゃん、サングイッチ1個ちょーだい」

「はいあげる」

「ありがとう、おいしい」

「そういえば次の授業、法術だったね」

ガクリとマールがうなだれる。

「どうしたのマールちゃん。楽しいよ」

「ルナは得意だからいいよぉ、私は苦手だよー」

「確かに少し難しいよね、でも私は好きだよ」

法術は第3学年から始める科目だ。小学校ではエレメントから火を起こす、風をおこす、水を作るなどの実習をする。第3学年では、この世界の基礎となる四大元素、火・風・水・土と四性質、熱・冷・湿・乾について学ぶ。

キンコーンキンコーン

 

昼休み終わりの合図の鐘が鳴る。

「あっ、戻らなきゃ」

「時計見る忘れてた」

周りを見渡すと校庭には誰もいない。話に夢中になりすぎたようだ。2人は急いで教室に戻った。




えー今回もお弁当のところでメチャクチャ用語出てきますw ラテン語に変えただけです。今回はルナの幼馴染のマールが出てきます。とても活発な元気な子でルナはマールにいつも振り回されていますw さて、しばらくは主人公でてこないので、ルナとマールの学校生活をお楽しみください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。