終末の世界を怪人が行く   作:喪○愛

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5月末にGA文庫の〆切があります。
なろうでは鳴かず飛ばずだったので一途の望みを掛けてハーメルンのオリジナルに投稿します。
皆様の声援が本当にッ!!
励みになりますのでッ!!!!
宜しければコメントを下さいませ!


プロローグ

白を基調とした大きな一室の部屋には多くの人間達が楽しそうに遊んでいた。

ある集団は寄り集まっておままごとに興じ、

ある集団は片方が追いかけて片方が逃げてる警泥を行う。

集められた人種と歳の数は様々で

この時間帯に限り皆がここに集められている。

オレは気怠げにそれを眺めている。

 

 

 

 

 

 

 

 

「(あぁ…。

あいつも自由になれたのか)」

 

 

 

 

ふと、先日まで居た集団の一人が居ない事に気付いた俺は

心の中でそう呟いた。

旧友がいなくなったと言うのに

その仲間であった彼等はそんな事をおくびにも出さない。

 

 

 

 

 

 

 

「…ふぅ」

面倒くさい思いを振り払う為に身体を横にした。

「…そういや今日の昼飯はカレーだったなぁ」

そう独白し瞳を閉じた。

 

 

 

 

 

 

ブンッブンブンッ!!

 

 

 

「…!?」

視界がグワングワンと揺らぐ。

見ると横から伸ばされた手が肩に置かれていた。

「ヤメろ!!」

手を無造作に振り払う。

「チョッ!?」

ビックリしたのか慌てて手を引っ込める。

「…またお前か」

「え〜と…。ビックリした?」

…よくもまぁ、飽きずに何度もやる女だ。

「何でそんな事を聞くんだ?」

「え?わざわざそんな事聞くの?」

何で首を傾げる。

…おい、如何にもなやれやれ系動作取るのヤメろ。

 

「…ふぅ」

肩を竦め朗らかに笑う。

「特に理由なんてないわよ」

なまじ顔が良い為か笑顔は絵になる。

見る人によっては人生を狂わせられる魔性の魅力を持っているとも言えるだろう。

 

「(案外気が効いてるじゃねーか)」

オレはこいつを再度見直した。

 

 

 

 

「あ!強いて言うなら根暗だからかな?」

犯すぞ女。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「犯すぞ女」

オレは部屋の隅っこに背を凭れ昼食を2人で取っている時にその言葉を発した。

案の定、あからさまに距離を置かれた。

「え…。何気持ち悪い」

「そう言わなきゃ腹の虫が治らんものでな」

「え?今食べてるじゃない?」

「そう言う意味じゃねえよ」

「(だれが鳴くだよ)」

そう思ってる間に合点がいったのか横の奴は納得した様子で頷いている。

「だからそんな歳にもなって下の毛が生えて無い童貞なのよ」

「この女は酷い事を言うな」

「こう見えても魔性の女を目指してるもので!」

無い胸を張ってそう宣言する。

「じゃぁ、ビッチ化一直線だな。

頑張って枯れた男共に売り込め」

「誰がアイドル目指す言ったよ」

違うのか???

「何でそんな女を目指すんだ?」

「そりゃぁ、ATMを自在に引き出せるからでしょう」

「…こんな女に惚れ込む男が哀れでならない」

「(心底同情するよ。

俺の今の心情は偶像化された女に貢ぐ侘しい男共の姿だ)」

「え?あんたは無いの?」

物思いに耽ってると質問された。

「何が?」

「惚れ込んだ事よ」

顔を見ようとするが外方を向いてる為に表情が良く解らない。

「急だな。女の子の日か?」

…裏拳された。

「惚れ込んだ事は無いぞ」

「そう…」

カチャリッと大皿を横に置いたので俺もそうした。

少し間が空いてから口を開いた。

「…最近胸がドキドキするの」

ポツリポツリと呟き始める。

「…将来に対する不安って言うか。

自分はこのまま何も出来ないで死ぬんじゃないかって…。

…誰も自分の事を忘れてしまったら存在価値が無くなってしまうって」

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ、それ不整脈だわ…。

 

 

 

 

 

 

…と言いたい所だが何やら真剣そうなので答えてやる」

 

 

 

 

視線を部屋の中央に移す。

部屋には歳の違う子供達が仲良く遊んでいた。

男は達観した目で人の営みを見渡した。

「ある人は子供を育て、

ある人は人を救い、

ある人は世界を周り、

ある人は不器用ながらも働き友や家族と過ごす。

…そこに人の営みの尊さを感じられるんだと人は言う。」

そう言い真剣な表情で隣の:人間:を見つめた。

「そんな物よりオレは:自由:が欲しい。

 

子供なんて要らない。

そもそも自分も救えないから人も救えない。

金も頭脳も無いから世界も周れない。

働きながら友や家族と交流を続けるほど人間出来ちゃいない。

ただただ尊厳を…上辺では持ちえない真の自由を持ちたい」

「ぁ………」

俺の言葉に動揺したのか少しの間言葉を失くす。

「フフッ…」

何が可笑しかったのかそいつは小さく笑ってこっちに来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「質問に応えてないじゃんか…」

「…!」

膝を屈めて此方に身を乗り出したかと思えば

両の唇を重ね合わせた。

スパイスな香りが鼻に舌につく。

そのせいなのか身体が熱くなった。

直ぐに放し急いで食器を取り距離を置いた。

そしてクルリと身体を翻して一言。

「ゴメンね!」

悪戯を成功させた無邪気な子供のように舌を出し笑いながら目の前から去って行った。

「…ファーストキスはレモンの味と聞いてたんだがな…」

唇に触れながら独白する。

「こんな事になるんならもっと早くにしろよ」

既に居ない隣人に想いを馳せながら毒づいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理想も理念も時間が経てば捻じ曲げられる。

良い家にも白蟻が巣食うように。

ふと見たあ見目麗しい者を欲するように…。

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