なかったら、この主人公があると思い込んでいるという設定で
二週間がたった。
あれから、ポチ達には合っていない。
そのおかげか、前上ったところまで穴を開けてショートカットしながらようやく100層への階段に到達した。
(No.7は絶対殺せない)
剣の柄を握り締める。
この先に何人かホムンクルスがいる。 僕はレベル19なったからレベルは僕より低いはずだが理術が危険だ。この光の大剣を壊されたら焼死させてしまう。
僕は剣を維持するための
・・・いけるだろうか?
もう原作知識はかなり曖昧だ。僕の命の危険もある。
疲れないはずの僕の頬に汗が流れる。
・・・やっぱ、無理ぃ!
僕は階段に背を向けて駆け出した。 自分と周囲の魔素を操り、僕にほぼ完全な迷彩を施す。
本当に無理!殺しにかかってくる相手を殺さず戦闘不能にするなんてそんな技術も魔法もない!
光の大剣がない僕なんて反転しかできないじゃないか!殺さないようにするどころかこっちが殺されるから!
僕はただ走った。
この一週間で踏破した道を逆走し今回入ってくるために開けた穴にたどり着くと飛び出した。
空中に飛び出してから下に落ちる感覚にやっと我に返った。
(・・・わざわざ戦う必要あった? 今みたいに迷彩をして通り過ぎればスルーできたような)
い、いままで普通に揺り篭攻略してきたから普通に戦わなければいけないと思っていたんだ。だから、仕方ない!
・・・折角、外に出たんだから一旦戻ろう。 今日の獲物はあいつかな。
僕は空中で重力反転を繰り返し空を飛びながら、お土産を見定め作り直した
(もう、魔法屋で魔法書の盗み見してもばれないよね?)
スキルポイントも光魔法に極振りけど、そろそろ新しい光魔法が欲しい。 今日のこともそうだ。光の大剣の殺傷能力が低下して弱気になってしまった。
やはり、即効性のある魔法が必要だ。接近戦もできるようにならないと。
◆◆◆
「ヨナさーん。置いときますねー」
肉を置いて立ち去る。中に人がいる音がしたから、聞いていたはずだ。
(コミュ障が悪化している・・・)
最近、誰とも話していないからかヨナさんと会うのも億劫になってきた。
ポチ達の様子も見てきたけど、余り変化はないようだった。
このまま、魔法屋に行こうと思ったけど夜の方がばれにくいと思い直し、ヨナさん家の近くの屋根で久しぶりに修行することにする。 ただ、夜だと入れないので夕方までだ。
(魔素隠蔽による情報流出への対策は完璧)
(魔素迷彩で隠蔽の違和感もスキルありのサトゥーでも注視しないと気づけないレベルのはずだ)
自分では完璧にできているつもりだけど、看破などのスキル10のサトゥーなら注視すれば見破られるかもしれない。
(光学迷彩もほぼ完璧だ)
手を振ったり、飛び跳ねたりするけど、自分の上に投影した映像がぶれたりすることはない。 目のいい人が僕の向こう側に目を凝らしたら、ぼやけるかもしれないけど、至近距離でも3.0以上は必要だろう。
(空気の振動や流れに対しての迷彩も完璧にはほど遠いが、できた。問題はちょっとHPが減ってきていることだ)
頭が痛い。
たぶん、脳の過剰使用だろう。光、魔素、空気の振動や流れに対しての迷彩の。
MPが急激に減少するので反転を一秒ごとにSP減少反転と切り替えるでなんとかなっているが、HPも対象にするとなるとSP減少反転の時のリソースの25%でなんとかなるかな?
反転は因果すら反転させているようで、「SPを消費して行動する」から「行動してSPを増加させる」に反転させているといつの間にか頭に思い浮かんだからそうなのだろう。例えば、SP減少反転中は走れば食事や睡眠と同じ効果が得られていたようだ。
HP減少反転中ならHPを減らす行動はポーションを飲むのとイコールなのだろう。
「くっ」
すでに減ったHP分まだズキズキと痛む。反転中はいいが、MP減少反転の時は普通に痛む。
・・・でも、なんか超回復でなんかすごいことになりそうなとっても修行っぽい感じがして楽しくなってくる。
(たとえ、反転のユニークスキルがなくなろうとその能力で成長したことは消えてなくならない)
ふっふっふ。
これは戦闘中以外やっておこう。それだけの価値があるはずだ。
「まったく。肉は嬉しいけどね・・・」
ヨナさんが獣人を連れて出てきた。
他にも何か言っていたけど、修行に集中してそれ以上聞き取れなかった。
しかし、僕は喜んでくれていることがわかったのでそれだけで大満足だ。
目を閉じてより修行に集中する。
(今日の猪の肉より美味しい肉ってなんだろう?)
◆◆◆
夕方になった。
やはり、あの修行はかなりためになる。マルチタスクとか僕には無理だと思ってたけど、できているような気がする。
今も魔法屋に向かって歩きながら迷彩を維持して思考している。
(迷彩するために色々な情報を受け取っているはずだ。今はなんとなくそのまま反対側に投影しているけど・・・)
魔法屋についた。
(うん、できないはずはないはず)
今は反転による攻撃無効化がないから、揺り篭での不意打ちを思い出すと危機感知だけでは不安になったのでこんなことを考えたけど、遠視や信号など情報を操る術理魔法があるんだ、不可能ではないはずだ。
(目を閉じて、魔素から見る・・・)
で、できた。
ーパリンッ
SP減少反転75%HP減少反転25%では、僕が処理落ちしそうな情報によるHP減少に耐えられなかったのだろう。
HPの減少が凄まじく、意識が朦朧とする中再度SP50%HP50%で展開する。
「はーっ、はーっ」
(あ、危なかった・・・)
周りには少ないが人がいる。
このまま、倒れたらどうなるか考えたくもない。
とりあえず、迷彩だけでHPが減らなくなるまで今のは禁止だ。
(名前はシックスセンスでいいかな。それっぽいし)
MPを回復させながらそう考える。シックスセンスはいつ間にか切れていた。
(検証は魔法書を読んでからだ)
僕は気持ちを切り替えて魔法屋に入る。人はもういなかったので、読みたい本を探した。
(あった。とりあえず、これは最初に読もう)
そんな風に読みたい本を探し続けていると、鍵がしまり、暗闇に包まれた。
「
僕の周囲1mの光を外に逃がさないようにして、ライトを使う。これで、僕は明るいところで文字を読めるが、周りからは真っ暗に見えるだろう。
「さて、まずは色々な呪文をまわりに影響を出さないように唱えて無詠唱で使えるようにしよう」
◆◆◆
朝になった。
光魔法は集光があるから攻撃魔法も使えたけど、他は術理魔法と普通の生活魔法並の風魔法ぐらいしか使ってない。
しかし、目標は達成した。
まともに使えるのはこれだけしかなかったけど。
僕は本を綺麗に片付け、その時まで修行をする。
そして、鍵が開けられる。
僕は迷彩をしたまま隙を見計らって逃げ出した。