あと、タイトル変更しました。
「ついてこい」
キツネ目の男がそう言って背を向けてドアに向かって歩き出した。
ーガシャン
「うっ」
立とうとしたけど、首がつっかえて思わず声を出してしまった。
僕がどうしたらいいかわからずに戸惑っていると、奴隷商人が近づいてきた。
「お前なんて生まれてこなければよかったのに・・・」
なんか悲壮感を漂わせているけど、意味が分かんない。
「何があったの?」
自分のものとは思えない綺麗な子供の声で問いかけた。発音練習のおかげかすらすら言えた。
「今回の商品は途中で半分死んで大赤字だ!お前が生まれてきてからはいつもそうだ!何故お前だけは2年間も死んでないんだ・・・!」
どうやら奴隷商人は僕が他の奴隷から食べ物を奪ったりしていると思っているようだ。
「大方、お前がまわりの生気でも吸い取っているんだろう!?」
予想以上だった。
確かに、何も食べなくても生きていけるよりそっちのほうが現実的だ。
「はやく、何処か行ってくれ・・・」
そんなことを言いながら鍵をはずしてくれた。
「なんで鉱山送りにしなかったの?」
僕は立ち上がりながら、一番疑問に思ったこと尋ねた。
「……ほかの奴隷を殺す奴隷だとわかっていて、売ったのがばれたら私の信用は地におちるんだ! そんなこともわからないのかこの獣人!」
奴隷商人はなんか怒っていたけど、僕は答えがわかって満足だ。 こうは言っているけど反応からして、奴隷商人は僕を鉱山送りにしても復讐しに戻ってくるでも思い込んでいたんだろう(その通りだけど)。
この先の生活が憂鬱だけど、勘違いでお金を払ってまで僕を捨てた奴隷商人に思わず苦笑してしまった。
「さようなら」
そう言って、僕は元主人を置き去りにして新しい生活への一歩を踏み出した。
◆◆◆
まだ、新しいご主人は遠くに遠くに行っておらず匂いどころか足音も聞こえたのでそれを追って階段を駆け上る。
「ごしゅじんさまー」
「近づくな」
なんて奴だ。
こんなかわいい声で呼びかけられても振り返るどころか「近づくな」だって? もうごしゅじんさまとは呼んでやらない・・・!
ちょっと頭がおかしいんじゃないか疑ったけど、よく考えると近づくと自分の生気を吸ってしまう存在を近づかせないようにするのは当たり前か。
それにしても、さっきまでもっと近くにいたのに警戒し過ぎだと思う。 「奴隷は主人を害しない」って契約の中にあるから移動中ぐらい近づかせてくれてもいいのに。
そのまま、暗い路地裏を20分ぐらい歩き続けるとご主人が隠れ家らしき古い家の前で立ち止まった。
「誰にも見つからずここに金になるものか、俺の役に立つと思ったものを持ってこい。絶対、俺の奴隷だと気づかれるな、狐」
そんなことをを言ってご主人は、その今にも崩れ落ちそうな家に入っていた。
(えっと、どうすればいいのかな?)
なんかこれでおしまい。みたいな雰囲気で置き去りにされたけど・・・
そんなことを考えているとまたご主人が顔だけだして言った。
「言っておくが、お前が何も食べなくても生きていけることはわかっている。休むなよ。これは命令だ」
それだけ言ってまた家のドアを閉めてしまった。
・・・
急いでさっき通ったところにあった木箱の裏に隠れる。 家の前から見えない場所にくると壁を背に座り込む。
(え、マジで・・・実質、自由じゃん!)
思わず、笑みを浮かべてしまう。
さっそく命令違反だけど、反転のおかげでむしろ心地いい。首輪は閉まろうとしているけど、首に展開した反転のおかげで呼吸に不自由はないのだ。
奴隷商人のところにいたときは、命令の使い方が細かくて逆らえることをばれるわけにいかなかったので結構不自由だった。ばれたら、流石に殺されるかもしれない。
「この部屋からでるな」とか動けるようになったことをばれてから命令されてしまって、他のひとたちに見られないように抜け出すのは不可能だったから夜みんなが寝静まってから誰かが起き始める1時間前までの8時間ぐらいしか自由に動けなかった。
その分、昼間は教育として文字の勉強とかができてためになったと思う。 こういう時じゃないと、やる気が入らないのだ。 英語の勉強みたいで・・・
ちなみに、基本的に睡眠はとってなかった。昨日は、命令されて仕方なく寝たんだ。今思えば、危機感知に少し違和感があったような気がする。
(というか、ご主人ってウースじゃね?ドブネズミの)
しかし、どうやら僕にも運が向いてきたようだ・・・
まずは、ポチ達に会いに行こう。 ご主人の奴隷だったらご主人が悪魔に憑依されて殺されるウースだって確信できるからね。
(今の名前は犬だったけ、間違えないようにしないと)
ポチってよんでもいいんだけど、サトゥーに名前をつけてもらったほうが嬉しいと思うしね。
・・・
とりあえず、肉を持っていこう。別に、持ってこいと言われただけで持っていくなとは言われてないしね・・・
(反作用反転足80%、光反転髪10%、スタミナ消費反転10%)
そう思った瞬間、反転のリソースを振り分ける設定を変えて作用・反作用の法則の反作用を作用に反転して2倍の力で踏み込み跳ねるように森に向かって駆け出した。 そういえば、スタミナ消費反転は使いすぎたのか、たとえ10%でも展開してしまえば全力疾走していても限界を超えることがなくなった。
太陽の光を反射して白く輝く髪をたなびかながら屋根の上を走る。染色がどうしてもできなかったけど、こうしてしまえば関係ない。
「ふっふっふ」
風が気持ちいい。まるで僕を祝福してくれているようだ。
◆◆◆
森に着いて約3時間たったけど、肉は未だ手に入ってない。
まず、小動物しかいない。大きな動物を探してたけど、見つからなかった。
そして、捕まえられない。小動物でもいいやと思って捕まえようとしたけど捕まらなかった。いくつか怪我もしたけど、HP減少を反転させて軽く自傷したら治った。 幼稚園児に動物を捕まえるのはチートがあっても難しい。
最後に、今思い出したんだけど捕まえても捌けない・・・
(木の実でいいかな、ポチ、タマ、リザ・・・?)
HP減少を過信して大怪我を負う展開が見えたけど、そのまま死にそうだったので書きません。