ソードアートオンラインオルタナティブ イモータルブラッド 作:さくやそん
主街区に入ると、二人して脱力してしまい、その場で崩れ落ちる。
ベルも毒が解けたようで、何とか立ち上がる。
「あのね、イザヨイ。あの時言えなかったけどさ、私ラフコフ抜けたよ」
俺は、何とかして抜けさせなくてはならないと思っていたがために、もう抜けていた事に驚きを隠せなかった。
「私、イザヨイ君さえ居ればもう何が起こっても良いかなって考えたの。だからさ、これからもずっと一緒に居て」
捉え方によっては告白とも受け取れるその言葉に、俺は困惑した。
俺はついさっき人を殺したばかりなのだ。
それでも、大切に思っていてくれた。
ならば、答えは一つだ。
「また、前みたいな、いや、前以上の関係になろう」
ベルへの思いは同じだ。
「ありがとう。ホントにありがとうね」
ベルはその場で泣き崩れ、再び元の関係に戻ったことを噛み締めていた。
およそ五分泣き続けたベルは、今やすっかり元通りだ。
「イザヨイ君、私のレベルでも一緒に居てくれる?」
ベルのレベルは攻略組トップの俺より、15ほど下だ。
だが、それでも十分過ぎる程に高いレベルだ。
「当たり前だろ。俺はベルの側にずっと居るよ」
ベルが照れた様に顔を俯ける。
「ありがと。これからもよろしくね」
こうして、後々攻略組でも指折りの実力を持つ«冥界の女帝»誕生への第一歩を踏み出した。
~短編 エニグマブレイン~
俺は、親友のイザヨイと別れた後、49層主街区へ転移した。
49層のテーマは、ボードゲーム。
将棋盤型のダンジョンがあったりと種類は豊富だ。
イザヨイに伝えたら、何だか無双出来そう、だか言ってたが、正直俺はボードゲームが苦手だ。
エニグマ、熊野 幸治は元々ゲームが嫌いだった。
理由は簡単、そんな無意味なものをやる精神が理解出来なかったからだ。
故に、ボードゲームにも触れてこなかった。
実際、このsaoが始めてのゲームなのだ。
イザヨイと会えたことは嬉しいし、出会いの場としては良いかもしれない。
だが、これに時間を費やし過ぎる人は本当に理解しがたい。
17歳にして、saoを遊んでみたのも、大学受験前、最後の自由だったためである。
しかし、ここは既に脱出不能のデスゲームである。
恐らくは今頃同級生は受験勉強大詰めだ。
対して俺はゲームの中。
自分がとても惨めで悲惨に感じる。
それでも、俺はここでトップランカーなのだ。
ならば、俺は生きていかなくてはならない。
現実に帰ればそこに居るのは恐らく大学に進んだ仲間だ。
もう、彼らとは仲良く出来ないだろう。
だが、それでも俺は、現実に戻った時に胸を張れるように生きていく。
そんな決意を固めつつ、俺は次の層のフィールドへ足を踏み込んだ。