ソードアートオンラインオルタナティブ イモータルブラッド   作:さくやそん

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第九話 冥界の女帝

 主街区に入ると、二人して脱力してしまい、その場で崩れ落ちる。

 ベルも毒が解けたようで、何とか立ち上がる。

「あのね、イザヨイ。あの時言えなかったけどさ、私ラフコフ抜けたよ」

 俺は、何とかして抜けさせなくてはならないと思っていたがために、もう抜けていた事に驚きを隠せなかった。

「私、イザヨイ君さえ居ればもう何が起こっても良いかなって考えたの。だからさ、これからもずっと一緒に居て」

 捉え方によっては告白とも受け取れるその言葉に、俺は困惑した。

 俺はついさっき人を殺したばかりなのだ。

 それでも、大切に思っていてくれた。

 ならば、答えは一つだ。

「また、前みたいな、いや、前以上の関係になろう」

 ベルへの思いは同じだ。

「ありがとう。ホントにありがとうね」

 ベルはその場で泣き崩れ、再び元の関係に戻ったことを噛み締めていた。

 およそ五分泣き続けたベルは、今やすっかり元通りだ。

「イザヨイ君、私のレベルでも一緒に居てくれる?」

 ベルのレベルは攻略組トップの俺より、15ほど下だ。

 だが、それでも十分過ぎる程に高いレベルだ。

「当たり前だろ。俺はベルの側にずっと居るよ」

 ベルが照れた様に顔を俯ける。

「ありがと。これからもよろしくね」

 こうして、後々攻略組でも指折りの実力を持つ«冥界の女帝»誕生への第一歩を踏み出した。

 

~短編 エニグマブレイン~

 俺は、親友のイザヨイと別れた後、49層主街区へ転移した。

 49層のテーマは、ボードゲーム。

 将棋盤型のダンジョンがあったりと種類は豊富だ。

 イザヨイに伝えたら、何だか無双出来そう、だか言ってたが、正直俺はボードゲームが苦手だ。

 エニグマ、熊野 幸治は元々ゲームが嫌いだった。

 理由は簡単、そんな無意味なものをやる精神が理解出来なかったからだ。

 故に、ボードゲームにも触れてこなかった。

 実際、このsaoが始めてのゲームなのだ。

 イザヨイと会えたことは嬉しいし、出会いの場としては良いかもしれない。

 だが、これに時間を費やし過ぎる人は本当に理解しがたい。

 17歳にして、saoを遊んでみたのも、大学受験前、最後の自由だったためである。

 しかし、ここは既に脱出不能のデスゲームである。

 恐らくは今頃同級生は受験勉強大詰めだ。

 対して俺はゲームの中。

 自分がとても惨めで悲惨に感じる。

 それでも、俺はここでトップランカーなのだ。

 ならば、俺は生きていかなくてはならない。

 現実に帰ればそこに居るのは恐らく大学に進んだ仲間だ。

 もう、彼らとは仲良く出来ないだろう。

 だが、それでも俺は、現実に戻った時に胸を張れるように生きていく。

 そんな決意を固めつつ、俺は次の層のフィールドへ足を踏み込んだ。

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