ソードアートオンラインオルタナティブ イモータルブラッド   作:さくやそん

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第十話 新たなるヒロイン

 ベルを救ってからかなりの月日が経った。

 現在の最前線は74層、生存者はおよそ6000人だ。

 

 俺は明らかに異様な光景に出くわしていた。

 狐のような耳の全体的に黒い衣装の女と、猫耳のメイドが剣を打ち合っている。

 このようになったのには、こんな経緯がある。

 

「ねぇ、今日はどこ行くの?イザヨイ君」

「え?んー、そうだな、βテストの時の思い出の場所にでも行くか」

 俺の隣で手を繋いで歩く女はベル。

 正式にはベルセポネだ。

 冥界の女帝の名を冠するその美女は、何があったか今は俺の結婚相手だ。

 結婚、と言っても、所詮ここはゲームをの中だ。

 結婚を申請するようなメッセージに承諾の意を示すだけでいい。

 そして、結婚するとストレージ内の全てのアイテムが共通化、すなわち統合されるのだ。

 よって、そう簡単には結婚はしない。

 だが、なぜか俺はベルと結婚出来てしまった。

 これがこの世界だけの関係であることは間違いない。

 だが、俺は現実に戻ってもベルを好きでい続けるし、どうせなら付き合いたい。

「イザヨイ君?ボーッとしてたよ」

「ああ、ごめんごめん、ベルがあんまりにも可愛いから」

「もうっ!」

 ベルは顔を赤らめて、プイッとそっぽを向いた。

 あぁ、こういうのをバカップルって言うんだなぁ、と感慨に浸る。

 で、βテストの時の思い出の場所とは、一層の主街区にある店だ。

 ようやく着いた。

 いつもは全く人が居ないその店に珍しく先客が居た。

 このあと俺は、ここへ来たことを後悔する。

 そこにいたのは良く見知った、赤い衣装の女。

「あれ、イザヨイ何してるの?」

「うっ、見れば分かるだろ、トモエ」

 トモエ、それが俺の大切な人の一人だった。

「デートねぇ、爆ぜろ」

「えぇ、何で」

 トモエは俺がベルと居るといつもこんな感じだ。

 理由は全く分からないが、からかわれてることは俺でも分かる。

「とりあえず、俺はもう行くよ」

「待ってよ!ここに来たってことはその子もそういう風にしたかったんだ」

「え?な、なんのことかなぁ」

「バレてるよ」

 何を隠そうここは、コスプレ館。

 獣っ子とかメイドになれるやつだ。

 何故茅場がこんなのを作ったのかは謎だが、β時代は、仲間と

ここへ来てコスプレをし、吸血鬼になったら、可愛いと言われ、男に告白された悪夢の場所。

 ここへ来たってことはつまり、そういうことだ。

「だって、ベルが可愛いから似合うかなってさ」

「もうっ!」

 こんなやり取りを、トモエは死んだ目で見ている。

 とにかく、これは早く用事を済ませるべきだ。

「店主、一人だ!」

「なにいってるの?三人ですよー!」

 トモエが余計なことをした。

 この店だけか、二回目の注文があったらそれ以降は受け付けない。

 つまり、

「結局俺も着るのかよぉぉ!」

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