ソードアートオンラインオルタナティブ イモータルブラッド   作:さくやそん

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第七話 鳳凰の翼

 世界最強のPK、ラフコフリーダー、PoHがナイフを手に迫ってくる。

 少し右にずれただけで回避し、お返しに一撃喰らわせる。

 PoHが怯んだ隙に、ソードスキルを叩き込む。

 かなりHPは減ったはずなのに、まだPoHは余裕を見せている。

「なあ、紫の暴風よぉ、お前はユニークスキルもってんだよな?」

 突然の問いに驚くも、こいつに教えてやる必要もない。

「実はな、こっちももってんだ。ユニークスキルをなぁ」

 これは恐らくブラフだ。

 しかし、その恐らくという考えが恐ろしい。

 九割違おうが、もし残り一割だったら、俺は間違いなく死ぬ。

「俺のユニークスキル、特別に教えてやるよ」

 さっきまでの余裕もユニークスキルがあるから、と考えれば筋が通る。

「俺のユニークスキルはよぉ、深界剣。背面からの攻撃にダメージ追加と、気配の完全遮断、索敵能力アップってとこだ。あともう一つとっておきがあるが、実際使ったら教えてやるよ」

 見事にPK向きのスキルだ。

 背面からの攻撃は、気配遮断と索敵能力アップで上手く使え、簡単に人は殺せる。

「なあ、PoH、お前、何で教えてくれたんだ?」

「決まってる!ここでお前は確実に死ぬからだ」

 予想通りの発言。

 俺の短剣はPoHを上回る速度で放たれ、確実にHPを奪っている。

 なのに、なぜあいつはいまだに余裕そうなのか。

 その答えはいくら考えようと、ユニークスキルのとっておきとやらしか思い付かない。

 俺の一瞬の油断をつき、PoHの短剣が俺に襲いかかる。

 PoHの短剣に纏われている光は濃い青色。

 そして、初動のモーションからソードスキルを予測する。

 俺はその予測したソードスキルと同じ軌道で、より多い連撃のソードスキルを放った。

「甘い。まだまだだな」

 PoHの声とともに、俺の腹に拳が刺さる。

 体術スキルに存在するソードスキル«キャンセルスプリング»

 ソードスキルをキャンセルし、技後硬直なしでパンチを繰り出す技で、ダメージ自体は大きくないものの、相手から確実にスタンを奪える。

 つまり、このままだとPoHは簡単に俺のHPを0に出来る。

 PoHの短剣から今度こそ濃い青色の光を纏うソードスキルが放たれる。

 短剣が俺を斬る、その寸前、それは起こった。

 俺の姿が掻き消え、PoHの後ろへ回る。

「何をした!?」

「簡単さ。ソードスキルを使ったんだ」

「あんなソードスキルは知らない。貴様まさか!?」

 PoHが知らないのも無理はない。

 本来、鳳凰剣スキルに設定されたソードスキルを使うには、一度死に、炎を纏う必要がある。

 だが、熟練度が500を越えてからは多少なら使えるようになったのだ。

 その、使用出来るようになったソードスキルの一つ«アクセルアラウンド»を使ったのだ。

 アクセルアラウンドは、任意の方向に状態異常を無視して、瞬時に回復しながら移動、という効果を持っている。

 スタンも立派な状態異常として認められている。

 そのため、俺は片手をついてダッシュ、という荒業が可能だったのだ。

「ちっ!めんどくせぇ!一気に片付けるぜ!」

 PoHの声に合わせ、四人ものオレンジプレイヤーが現れる。

 昨日襲ってきたラフコフ幹部、ジョニー。

 そして、同じくラフコフ幹部、赤目のザザ。

 残る二人は知らないが、少なくとも俺らの味方ではない。

「数で攻めるってことねぇ」

「そうだ。お前に、勝ち目は、ない。おとなしく、ここで、殺されろ」

 ザザが言ってくる。

 確かに、勝ち目はないに等しい。

 だが、逃げるなら出来る。

「さて、勇者さんよぉ、こんな絶望的な状況、きっとあんたなら乗り越えられんだろぉ?見せてみろよ、お前の本気ってやつをよぉ。始めようぜ、真のデスゲームをな。ラウンド2開始だ」

 PoHの声が開始の合図かのように、四人は一気に俺へ迫ってくる。

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