ソードアートオンラインオルタナティブ イモータルブラッド 作:さくやそん
四人が俺の短剣を的確に弾いていき、俺のHPはとうとう残り三割になった。
「どうだ?殺されるってのはよぉ。怖いか?」
PoHが嘲笑うかのように言う。
「今なら助けてやらないこともない」
その発言に俺やベルを含め、ラフコフメンバーですら驚いていた。
「お前が俺らのギルドでPKをするなら、お前もベルセポネも助けてやる。安心しな、ベルセポネはラフコフを抜けていい。どうだ?悪くないだろ?」
その程度で俺やベルが助かるならそれも悪くない。
だが、俺はラフコフには収まらない。
人を殺すことに躊躇がないところを考えれば、根っこは俺もあいつらPKと同じだろう。
そして、あいつらは殺すことに快感を覚えている。
しかし、俺はよりたちが悪い。
人を殺すことにより、自分を正当化しようとしてるのだ。
そこにあるのはただの、渇望。
人を殺すことでしか大切なものを守れず、それでしか存在を示せない、愚かなる人間。
俺はおそらくPKになっても、そのギルド自体を壊してしまいかねない。
そんな人間をラフコフに入れるということが、どれだけ危ないことか、それをこの男は分かっていない。
ならば、答えは一つ。
「俺もお前も人を殺すのは同じかもしれない。だけどな、その意義が違う。俺はお前らよりいっそうたちが悪いよ。そんなのがお前らの仲間になんてなれない」
「そうか。なら、ここで死ぬんだな」
PoHが俺の首へ短剣を振り下ろす。
当たる、寸前、その短剣は宙を舞い、遠くへ刺さった。
「てめぇ、何で?」
俺は、炎を纏い、火炎弾で短剣を弾いた。
「その力は本来死ななければ使えねぇんじゃねぇのか?」
そう、熟練度700まではそうだった。
だが、つい最近ようやく、炎を纏うくらいなら死なずとも可能になった。
その結果がこれだ。
「さて、逆転だな。反撃させてもらうぜ」
俺は炎を纏った短剣で最も近くに居た、名前も知らないラフコフメンバーのHPを、0にした。
そいつの体が爆散するのを待つ暇もなく、もう一人もHPを0にする。
鳳凰剣に許された、超高速ソードスキル«イルミネートヴァレット»10連撃を当てたのだ。
二人がほぼ間を開けず爆散する。
「は?てめぇなんだよ、その力は」
ラフコフ幹部が二人して後ずさる。
あのPoHですら後ずさり、こちらを警戒している。
「俺はもう逃げさせてもらうぜ。追いかけたいなら追いかけてこい」
PoHをおいて、ベルのところへ急いで向かう。
どうやら、まだ毒は解除出来ていないようだった。
俺はベルを抱え、主街区へ走る。
幸い、もう後を追ってくる足音は無かった。