突然、瀧が微笑む。
三葉の髪の毛をすきながら、一つ一つの言葉を紡いでいく準備をする。
しばらくの無言が続く。
「あ、あのね!!」
瀧よりもはやく、言葉をだしたのは三葉だった。
「きっと、瀧くんも同じことを考えているんやと思うんだけど、、、」
三葉が、深呼吸する。
瀧も、つばをのむ。
「糸守に行ってほしいです、、、」
三葉が、うつむく。
ただその肩は静かに震えていて。
何処か寂しそうで。
((そんな三葉を抱きしめたいって思うのはやっぱり
罪深いのかもな、、。俺はあの時そばにいてやれなかったし、、))
と、瀧は思う。
((ん??あのときってなんだ??))
など、悩み事をしながら三葉を抱きしめ
その疑問を言葉に出した。
「あのとき、そばにいてやれなくてごめんな。」
「ぐすっっ、あのときって、、ぐずっぐすっ、なに??」
三葉は、泣きながら尋ねる。
「俺もよくわかんないけど、
いてやれなくてごめん。」
三葉は、キョトンとしてから
「ありがとう」
と言い瀧をますます強く抱きしめた。
「また、くるね。
ご飯美味しかった、ごちそうさま」
そういい、三葉は駅の改札をぬけて行った。
いまの時刻は11時。
女性1人で帰るのはダメだと思った瀧だったが
三葉に負け、一人で帰らせることにしたのだった。
((ふつう、男は送るよな、、))
ずっと、後悔している瀧。
次こそは、絶対に送ると誓った瀧であった。
電車にゆられる三葉。
((今日は、とっても楽しかったな。))
先程までの時間を思い出し微笑む。
((次は、糸守にいく、、、。
決意をきめなきゃ、、。))
瀧に言えば、慰めてくれる。
だが、三葉は言わないことにした。
なぜなら、
((心配かけたくないしね、、、))
いつの間にか、訛りが直っていたり
いつの間にか、表情が豊かになったり
いつの間にか、幸せをかみ締めることが多くなった。
((いつの間にか、瀧くんのことが大好きになってた。))
窓の外を見ながらそう思った三葉。
((だから、決意をきめなきゃ。))
最寄り駅につき、自宅に向かって歩き出した三葉であった。
「ただいま。」
そう瀧が言っても
「おかえり。」
と、返してくれる人がいなくなった。
それは、いつからだろうか。
小さい頃に亡くした母。
大学2年生になるころに転勤した父。
「さびしいなぁ。」
と、苦笑しながら久々にベランダに出て
満月の月をみながら
ビールを飲む瀧だった。
((あんまり、飲まない方だけど、、
今日は飲んでもいいよな、、、))
月に何かをうったえながら
瀧はビールを飲んだ。
その何かは瀧にさえもわかっていないが、、。
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