Fate/kaleid liner -mistake EMIYA-   作:だだだ

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4話目

 最近エミヤが大人げない気がする。夢の中の模擬戦でも本気と書いてマジな感じで攻めてくるし、弓矢も使い始めて本格的に勝ちの目が薄くなってき始めた。

 あいつは子ども相手でも弓矢で心臓を狙ってくるド悪党。正義の味方とは程遠いあほである。古事記にもそう書いてある。

 

(元はといえば私に対する君の言葉が大分容赦なくなってきたからじゃないか)

 

 と容疑者は供述しており、反省の色は見えず・・・。

 

(それよりも、もうすぐ学校ではないかね。準備は済んだのかね、健氏?)

(ちっ・・・一応済んでまーす)

 

 後は出発するだけだ。小学校から制服があるから、私服に着替えなくて済んで楽なものである。しかも始業式だから多分すぐに帰れるだろうし。

 

 まあ、後は教室がイリヤと同じになるかどうかだ。別に別のクラスでも問題ないが、同じな方がどれだけ展開が進んでいるのか分かりやすくてこっちも動きやすいのだが。

 

(それじゃ行くか)

(うむ。健闘を祈っているよ)

 

 俺は玄関のドアを開けて、外へと飛び出す。

 

 そしてばったりとイリヤと目が合った。

 

「あれ、御剣くん?おはよー」

「あ、ああ。おはよう・・・」

 

 イリヤも同じタイミングで外に出てきたようで、普通に挨拶された。相変わらずかわいい。

 ちなみに家が隣同士だからだろうか、度々会うことがあって少し話す程度の仲にはなっていたりする。まあ趣味が全然合わないから、本当に近所のお友達って感じだが。

 

 しかし今日はイリヤ一人だけではないらしい。

 

「やあ、おはよう。初めまして、だよな。イリヤの友達か?」

 

 赤い髪の毛と優しい目つきをした青年、衛宮士郎が自転車を引いてイリヤと並んでいた。

 

(健氏、見ろ目の前の男を。現実を舐め切った甘ったれたあの顔、そして何よりもそれほど鍛えられていない貧相な身体・・・私が許可しよう。顔に一発お見舞いしてやれ)

(自分でやれだほ)

 

 それほど鍛えられていないって、ソレ英霊目線だよな?それされたらオリンピック選手だってキツイんじゃないだろうか。

 

「初めまして、俺御剣健氏って言います。この前越してきて、アインツベルンさんとは何度か話す程度の仲です」

「そうなのか。俺は衛宮士郎。イリヤの兄貴だ。よろしくな!」

「よろしくです」

 

 という訳で、出会っちまったものはしょうがない。イリヤと衛宮さんと一緒に歩く事になった。

 

「イリヤの友達かぁ。女の子ばかりだったから少し心配だったけど、ちゃんと男の子もいるんだな」

「何それ!?お兄ちゃん私の事今までどう思ってたの!?」

「ははは、ごめんごめん。だけど、嬉しいのは本当だ。御剣君、イリヤは少しおっちょこちょいなところもあるけど、仲良くしてくれると嬉しい」

「お兄ちゃん!」

「あはは・・・」

 

 なんて答えたものか。それにしても、こうしてみるとこの世界の衛宮は本当に、ただのお人よしの好青年なんだなぁ。どこかのパチモンとは大違いだ。

 

「それじゃあ、俺部活あるからそろそろ行くな。じゃあまた、二人とも」

「いってらっしゃい、お兄ちゃん!」

 

 手を振る衛宮さんに頭を下げる。部活か。そういえば衛宮は弓道部に入っているんだったか。腕前も良かったとかなんとか。

 

 しかしこうなると後はイリヤと二人きりである。正直気まずい。居たたまれない。

 

(コミュ障も大概にしたまえよ健氏。君はもう少し女性に慣れるべきだ)

(くっ・・・今だけは甘んじて反論しないでおこうじゃないか・・・)

 

 コミュ障なのは本当なので。

 

(おっと、それはいい。ではコミュ障の何が悪いのか、その治し方、それから私がこれまで学んできた女性の扱いのマナー100の法を事細かに・・・)

(それはいらん)

 

 衛宮式女性の扱い方とか地雷にしかならないし、それはイケメンにのみ許される事である。

 

「それにしても、またアインツベルンって呼んだね!その名前長いから、他のにしてっていったでしょ?」

「ああ、いや、ごめんな。咄嗟に出すとまだそっちの方が慣れてるからさ」

 

 そういえばそんな話もあった気がする。

 

「じゃあ今から練習しよう!ほら、さんはいっ」

「ええっ、くっ・・・い、イリヤ・・・さん」

「よくできました!」

 

 くそっ、イリヤマジイリヤ!

 

 俺もうロリコンでイリヤ・・・。

 

(君はまだ小学生だから、ロリコンではあるまい?)

(精神年齢的にアウトだよ!)

 

 い、いかんいかん!危うく語彙がイリヤで埋め尽くされるところだった。なんて恐ろしいんだ、流石はアインツベルンの技術の結晶・・・!

 

「そ、それよりも。今日は始業式なんだろ?クラス分けも今日あるんかな」

「うん、多分そうだと思うよ。同じクラスになれるといいねぇ。そうなったら、学校の中案内してあげるから、楽しみにするように」

「あはは。まあ、その時は頼むよ」

「後は先生かぁ。藤村先生だったら楽しそうなんだけどなぁ。あっ、藤村先生っていうのはね」

 

 しかし、こうして話してみるとやはり普通の女の子だ。強いて言うならば初対面だと少し気後れする人見知りのタイプだが、こうして何度か話すとすぐに問題なくコミュニケーションをとれてしまう。流石は主人公といったところか。

 

「そうそう、ちなみにお兄ちゃんも仲が良くて。あっ、そうそう、お兄ちゃん、何気に女の子にモテるんだぁ。本当・・・うん・・・」

「自分で地雷を踏み抜くのか・・・」

 

 一気に意気消沈し始めたイリヤ。何気に、か・・・その認識もすぐに変わるんだろうなぁ。もちろん突き抜ける方向でだ。

 

(・・・なんだね、その目は。何か言いたいことがあるのなら聞こうではないか)

 

「まあ、ほら。イリヤさんも魅力的だから、全然負けてないって」

「そ、そうかなぁ・・・って、別に負けてるからどうだのって事じゃないんだけどね!?そもそも私達兄妹だし!兄妹だし!」

「はいはいそっすね。ところで義理の兄妹の恋愛ってどう思う?」

「なっ、何が言いたいわけー!?」

 

 流石主人公、そのリアクション芸は見事なものである。

 

 

 

 

 

 

 クラス割りが発表され、俺は指定の教室へと向かった。イリヤは途中で友達を見つけたらしく別れた。俺は一人である。

 

(ボッチには慣れているだろう?)

(お前の所為でボッチとは思えんわ)

 

 正義の味方が頭の中でうるさい件について。誰かこのパチモン買い取ってくれないかな。買い取ってくれるなら金だって払うのに。

 

(その理屈は矛盾しているだろう。というか待ちたまえ、私は君以外に力を貸す気はもう毛頭ないぞ)

 

 パチモンを無視しつつ教室に入る。すると案の定というかなんというか、イリヤとばったり目が合う。これで二度目である。

 

「御剣君。同じクラスだったんだ!これからよろしくね」

「ああ、よろしく、イリヤさん」

 

「だれだー!?」

「おおっ、イリヤが男子と話してる。しかも見たことない子だ」

「い、イリヤが・・・リア充・・・だと・・・!?」

「なにー!?イリヤを寝取ろうってか!そんなの俺が許さんぞ!」

「た、龍子ちゃん・・・」

 

 イリヤの背後がわっとうるさくなる。

 

「ちょ、ちょっと皆落ち着いて!」

「うおお!」

「あ、駄目!龍子ちゃん!」

 

 一人の金髪の少女が目の前までやってきて指をさしてくる。

 

「誰だおまえはぁ!俺のイリヤと懇ろな関係なのかぁ!?」

「えっと・・・」

「わー、ごめん御剣君!龍子、もう少し抑えて抑えて!」

「いや、気にしてないから。俺は御剣健氏。今年度から転入してきたんだ。イリヤさんとは家が近いから、その関係で」

 

 それにしても、名前はもう忘れたけどイリヤの交友関係も中々カオスだよな。主人公補正っていうの抜きにしても、色濃ゆすぎだ。初対面だぞ俺は。

 

「なんだぁ、そうならそうと最初から言えよお前!あっはっはぶへぁ!」

「あっはっはじゃない!おめえ初対面の人に何突撃かましてんだ!」

 

 あ、糸目の人にぶん殴られた。

 

「えっと、私は森川那奈亀。でこっちのバカが嶽間沢龍子。よろしくね~」

「私は栗原雀花。それにしても家が近いだけか・・・心臓に悪いぞ全く」

「私は桂美々。よろしくね、御剣くん」

 

 げっ、一気に来たな。名前を覚えるのに苦労しそうだ。

 

(女性の自己紹介を受けてげっとは何だげっとは)

(女性っていうかまだ子どもだろ相手は)

(君も子どもだし、女性に年は関係ないと思うがね)

 

 エミヤうるさい。うるさいエミヤ。

 

「うんよろしく。あー、それはそうと、自分の席ってどこを見れば?」

「それなら黒板に書いてあんぜ!」

 

 嶽間沢が黒板を指さすので、感謝を告げて見てみる。

 

 俺は後ろの窓際の席か。中々いい場所を引いたのではないだろうか。

 

「それにしても転入生ねえ。なんで転入してきたんだ?」

「まあ、一身上の都合で」

「一身上の都合で転校ってそりゃまたアダルティな・・・」

 

 栗原と森川が来たので、少し会話をする。向こうではバカをする龍子をどうにかしようとイリヤと美々がわーきゃーやってた。

 

「ところでイリヤとは本当に何の関係もないのか?家が近いんだぞ、もっとこう・・・例えばイリヤのとこに確か兄貴がいなかったけ」

「おい、何故そこでイリヤ兄の話が出てきたのかくわし・・・いや、詳しく言わなくていい。深くは突っ込まないからな」

 

 一番最初の疑問がそこって、こいつ頭大丈夫なのだろうか・・・。

 

「御剣って呼んでいい?前の学校ってどこだったの?部活やってた?」

「普通の学校だよ。電車で数駅の所。部活はやってなかったけど、家が道場だったからそれ関係はやってる。それと御剣で結構だよ」

「じゃあ私もさん付しないでいいよ~」

「へえ、実家道場なんだ!どんなの習うんdーー」

 

「おい!今道場って聞こえたぞ!まさかお前もそうなのか!?」

「龍子ちゃん・・・」

「決闘だー!戦うぞ健氏、我がライバルよ!」

 

 龍子が全力で唸りを上げた。目が燃えてるぞおい。

 

「何故そうなるんだお前は!相変わらず思考回路がおじゃんしてるな!?」

「悪いなー御剣。実は龍子の家も道場なのだよ」

 

 そういえば、嶽間沢も家が道場だったっけ。俺とは違い武道系の道場だった記憶があるが。

 

「しかし喧嘩を売られて買わない訳にはいかないな。こい嶽間沢。刀を持っていないとはいえ俺も武人の一人だ。御剣流無差別刀剣術の真髄を見せてやる」

「うおーやってやるー!」

 

「まさかお前もあっち側なのか!?」

「意外の展開すぎる!?っていうか刀剣術かよ!やめっ、やめろー!」

「御剣くーん!?何してるのー!?」

 

(・・・全く、バカなのかこやつは。いや、確かにバカだったな。修行バカの方だが)

 

 エミヤが何か言ってたが俺には聞こえなかった。

 




那奈亀の漢字に亀が入ってた事をしって衝撃を受けました。
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