ZERO×HUNTER   作:ゲロッパ

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ゼロとあだ名される落ちこぼれメイジ、ルイズが召喚したのは、ハンターという職業を名乗る奇妙な男だった。彼はルイズに何をもたらすのか。

HUNTER×HUNTERとゼロ魔のクロスです。

主人公はあくまでもルイズです。




第二話 そんな契約で大丈夫か?

ルイズは自分が召喚したハンターと名乗る謎の男サイトと教師コルベールと共に学院の廊下を歩いていた。

 

「へえー石造りの校舎か、中々見事なもんだな。近代技術が全く使われてないな。かなり歴史のある建物なんだな」

 

 石造りの建物なんて珍しくもないでしょ。貴族への礼儀はなってないしほんとどこの田舎から来たのよ。なんでこんなのが来たのかしら、私ってやっぱり才能ないのかな。

 目を輝かせながら校舎を見回すサイトを見てルイズは溜息を漏らす。そうこうしてる内に一行は学院長室に辿り着く。

 学院長室の前に立ちコルベールがドアをノックする

 

「オールド・オスマン、コルベールです。ミス・ヴァリエールとその使い魔をお連れしました」

 

「うむ、入りたまえ」

 

「失礼します」

 

 ルイズ達は挨拶し部屋へ入る

 よく整頓された広い室内の奥には重厚なセコイアのテーブルがありその前に学院長は立っていた

 

 トリステイン魔法学院学院長オールド・オスマン、齢100から300歳と噂されており

 白髪の長髪に長い白髭をたくわえておりまるで仙人の様な出で立ちをしている

 

 学院長の横には眼鏡をかけた美人の秘書がおり名をミス・ロングビルという

 彼女の事はルイズもよく知らず、土系統のメイジであるということと学院長

 からよくセクハラされているということしか知らない

 

 

「よく来たの、おぬし達の様子はここから見ていた、おぬしがミス・ヴァリエールの召喚した使い魔君じゃな?」

 

「プロハンターをやっている、サイト=ヒラガと申します」

 

 サイトは先程までとは打って変わって礼儀正しくお辞儀をする。

 

「プロ…ハンター? なんじゃねそれは、狩人ということかね?」

 

「やはりハンター協会をご存知ないのですか」

 

「ハンター協会? 聞いたこともないのう、サイト君出身はどこかね?」

 

「ジャポンです」

 

 サイトの言葉に三人は一斉に首を傾げる。ハルケギニアにジャポン等という国は存在しない。

 

 

「ふむ、思ったより難儀な話になってきたのう。すまんがミス・ロングビル、ミスタ・コルベール、少しはずしてくれんかの」

 

 オスマンは二人に退室を命じる。コルベールは少し残念そうだったが、学院長の

 命令なので逆らうことはできず、静かに退室した。

 

「まあ立ち話もなんじゃしそこに掛けなさい」

 

 オスマンは二人に促し自分もソファに座る。

 

「さて、サイト君と言ったかの。もう一度聞くが、おぬしは一体どこからやってきたのかね。出来るだけ詳しく聞かせてもらいたいんじゃ」

 

「わかりました。私も聞きたいことが山程あるので情報交換といきましょう。 

 

 それからサイトは自分のいた世界の大陸の名前、国や都市、地名など様々な事を聞いたがいずれも二人には聞いたことの無い物ばかりだった。そしてサイトはこの世界に関することも聞いた。国や身分制度、魔法や使い魔のこと等できるだけ詳細に。

 話は二時間以上におよび、窓を見ると陽は既に落ち始めていた

 

「サイト君、おぬしの話が本当だとすると、君は異世界から来たということになるのう」

 

「学院長!この男の話しを信じるんですか!?そもそも使い魔の召喚はこの世界に存在する

 生き物を呼び出す魔法です。異世界から召喚するなんてありえません。彼は自分が使い魔に

 なるのが嫌で適当な嘘を言っているだけです!」

 

 長い時間おとなしくサイトとオスマンのやり取りを聞いていたルイズだったが既に我慢の限界だった

 この男の言うことはなんの信憑性もなくただ自分の妄想を語っているだけだとおもった。

 

「落ち着きなさいミス・ヴァリエール、私が彼の言うことを信じるにはちゃんと理由があるんじゃ」

 

「私は過去に彼と同じ境遇の人間に出逢っておる」

「え!?そ、それは本当ですか!」

 

 オスマンの言葉にルイズは驚きの声を上げる。

 

「うむ、今から三十年前になるかの」

 

 オスマンは静かに語りだす、その日の出来事を。

 

 

 30年前、オスマンは気分転換に一人、近隣の森を散策していた。立場や年齢を考えれば誰か一人でも付き添いを付けるべきだったのかも知れない。しかし、オスマン自身が高い実力者であったことと、近場で危険な生物も生息していない場所だった。

 

「思えばその判断が命取りじゃった」

 

 けたたましい羽音と共に『それ』は現れた。巨大な翼を持つ二本足のドラゴン、『ワイバーン』

 

 翼竜とも呼ばれ、風竜と似ているが腕が無く、その性格は凶暴で、戦闘力は極めて高い。だが普段は高い山に巣を作り縄張りにしている為、高山の麓でもない限り、滅多に姿を見せない生物でもある。なのでオスマンが歩いていた森などには、現れない筈だった。

 

 通常ではありえない状況に彼は動揺し、一瞬だが硬直してしまった。その僅かな隙を逃さず、ワイバーンはその鋭い爪を向け襲いかかった。間一髪その攻撃を避けるも杖を落としてしまった。彼は死を覚悟した、ワイバーンは再び攻撃を加える為飛び上がろうとする瞬間、藪の中から一人の男がオスマンの前に躍り出た。

 

 その男は見慣れない格好をしていて、二本の長い筒のような物を背負っていた。その内の一本を肩に担ぎワイバーンに向けた。そして大きな音と同時に筒が火を噴き先端から何かが発射された、それはワイバーンに当たると同時に爆発し、ワイバーンを粉々にした。仕組みは分からないが、手持ちの大砲のような物なのだとオスマンは理解した。

 

「彼はワイバーンを倒すと、ばったりと倒れおった。怪我をしていのじゃ。私は彼を学院に運び込み、手厚く看護した。しかしその甲斐もなく彼は・・・」

 

 オスマンは悲しげに顔を伏せた。

 

「私は彼が使った武器の一本を彼の墓に埋め、もう一本を『破壊の杖』と名づけ、宝物庫にしまいこんだ。恩人の形見としてな」

 

「ちょ、ちょっと待って下さい!その『破壊の杖』の話、学院長を助けたのは名も知らぬメイジなのではなかったのですか!?」

 

 ルイズのクラスは以前、宝物庫を見学した際に聞いた破壊の杖の話は、名も知らぬ凄腕のメイジが、強力な火の魔法でオスマンを救ったというものだった。

 

「うむ、少し嘘を混ぜた、あの武器を単純に武器と認識させん為にな、あれは杖でありメイジでなくては扱えんと思わせれば平民は興味を抱かない、逆にメイジには先入観で杖と思い込んどる内は決して扱えん、要は盗まれた際の時間稼ぎじゃな」

 

「そこまでするならいっそ壊せば良かったのでは?」

 

 サイトの素朴な疑問に、オスマンは何処か遠い目をしながら答えた

 

「確かにの、じゃが私には出来なかった。恩人の形見を壊すのが忍びなくての、そして何より・・・」

 

 オスマンは言葉を詰まらせ顔を伏せた、その肩は小刻み震えていた。緊迫した空気が流れルイズは唾を飲んだ。そしてゆっくり顔を上げたオスマンは涙を浮かべて答えた。

 

「爆発すると思うと怖かったんだもん・・・!」

 

 オスマンの間抜けな言葉に二人は盛大にずっこけた。そんな二人を見てオスマンは泣きながら訴えた。

 

「だって、だってワイバーンを木っ端微塵にする爆弾が詰まっとるんじゃよ!?誰っだって怖いじゃろうが!」

 

「分かりました、分かりましたから落ち着いてください学院長!」

 

 涙と鼻水を撒き散らす老人を必死に制するルイズ、オスマンはハッと我に返り、身につけた高級ローブでゴシゴシと顔を拭くと席に着き、恥ずかしさを紛らわそうとゴホンと大きな咳払いをした。

 

「えー話が盛大に逸れてしまったの、私を救った彼についてなんじゃが、武器以外にも、彼は亡くなる間際までうわごとの様にハルケギニアとは違う言語で呟いていた。今思えば『帰りたい』そう言っていたように思えてならん」

 

 静寂が流れ、日もすっかり落ち部屋が暗くなったので オスマンは魔法で明かりをつける。そしてサイトがオスマンに質問する。

 

「話は分かりました、一先ずは貴方の言うこと信じましょう。ですが私や先程の彼が異世界から来た、というのは余りに早計なのではないですか」

 

「ほう、なぜそう思うのかね」

 

「私のいた世界もですが、このハルケギニア以外に大陸があって私や彼はそこからやって来たとは考えないんですか?」

 

「外の大陸か、確かに異世界という発想よりは現実的じゃな、情けない話、我々も外の大陸には未だ進出できたおらんからの、だが君にはもう一つ確認してもらいたい事がある。ついて来たまえ」

 

 そういうとオスマンは奥の窓際まで歩き出した。一体何を見せたいのかサイト達には検討もつかなかった。そしてオスマンは語り始めた。

 

「実は先程の話には保留にしていた部分があってな、夜でなければ話せんかった、私が瀕死の彼を学院に運ぶ際、日が暮れて夜になったんじゃ。そして彼は空を指差し酷く動揺していた。サイト君何か心当たりがあるかね」

 

 そう言われたサイトは空を眺める。雲一つない澄み切った星空、それらはサイトの世界と何ら変わりは無い、ただ一点を除けば。

 

「そんな馬鹿な・・・月が・・・二つ!?」

 

 サイトの顔から汗が噴き出す。ハルケギニアにやって来てから初めて見せるサイトの動揺にルイズは驚く、ルイズにはサイトが何故動揺しているのか分からなかった。

 

「どうしたのよ!月が二つあるのは当たり前でしょう!あんた大丈夫!?」

 

「当たり・・前?何を言ってんだ、月は一つだろう?」

 

「そうか、おぬしの世界では月は一つなんじゃな」

 

 二人のやりとりを見てオスマンは神妙な顔で言う。サイトは小さく頷いた、そしてふうーと溜息を一つついた。

 

「そっかあ、異世界か、マジかよ」

 

 サイトは遠い目になった。そんな姿を見てオスマンとルイズは何処か居た堪れない気持ちになった。特にルイズは彼を召喚した張本人というのもあり、余計心が苦しくなった。そしてオスマンの口から更に絶望的な事実が告げられる。

 

「すまんのサイト君、実に心苦しいのだが、おぬしを元の世界に戻す方法がないんじゃ。勿論現時点での話じゃ、おぬしが戻れる方法も全力で探そう、だからしばらくはここで生活せんか、衣食住は保証しよう。よいかなミス・ヴァリエール」

 

「はい、ですが、その・・・使い魔の事なんですが」

 

 ルイズはこのタイミングで使い魔の話題を出すのは迷った。オスマンの話とサイトの身の上を聞いた以上無理やり契約しようとはもう思わない、しかしこのままでは留年になってしまうし、またゼロと呼ばれるのは嫌だった。だから絞るような声で発言した。

 

「それについてじゃが・・・」

 

「いいですよ、使い魔ってやつをやっても」

 

 オスマンの発言に喰い込むようにサイトが言った。

 

「い、いや、しかしサイト君、使い魔になるというのは彼女の下僕として一生付き従わねばならんのだぞ!?それでもいいというのかね?」

 

「構いません、彼女は契約できないと留年なんでしょう?それにいくら学院長とは言え、独断でこんな何処の馬の骨ともわからん輩を養うなんて言ったら必ず反発されるでしょう。ですが彼女の使い魔ならば問題は生じない筈です」

 

「あ、あ、あんたって結構いい奴だったのね」

 

 ルイズは思わぬ問題解決に涙が出た。そしてサイトに対する認識を少し改めることにした。

 

「ただし、条件があります」

 

「ゑ?条件?」

 

 ルイズは嫌な予感がしたやっぱりこの男はただでは転ばないようだ

 

「条件は三つだけ、口づけによる契約はしないことと、契約期間は私が帰るまでということと、行動の自由これだけです」

 

「そ、それじゃ召使い雇うのと変わらないんじゃ・・・」

 

「なにか違いがあるんですか?先程の話の中で言ってましたよね、使い魔とは主人を守り、時に秘薬の材料となる貴重な素材を集めたりする存在だと、私なら全部できます!」

 

 サイトは自信満々にそして力強く宣言する。その剣幕に圧倒されそうになるルイズ。

 

 どこからその自信が沸いてくるのか分かんないけど、確かにこいつの言う事も一理あるかも使い魔は基本動物でペットみたいなもんだし、学院長に至ってはセクハラ以外に活用してるのを見たことがないし、でもコントラクト・サーヴァントは神聖なものなんだからないがしろにはできないわ

 

「で、でもコントラクト・サーヴァントぐらいはしておかないと神聖なものだし」

 

「マスター!」

 

 突然のサイトの怒号にルイズはビクリと肩を震わす。

 

「マ、マスター?」

 

 ずいっとサイトはルイズに顔を近づける。この男は中々の強面なのでルイズは目をそらしつつ半歩下がった

 

「そうです!貴方はもう私のマスターなんです!私は動物ではありません、知性ある人間です!そのような洗脳まがいの事などせずともこうして契約できるのです!」

 

 サイトはさらりと儀式を侮辱する発言をするがルイズの耳には最早届いていなかった。早く話を切り上げたいとすら思っていた。

 

「わ、わかったわ、貴方の条件を飲むわ、だからその、もうちょっと離れてくれる?」

 

「ありがとうございます!マスター!」

 

 その様子を後ろで見ていたオスマンは言葉を失っていた。

 

 なんちゅうゴリ押しじゃ、あんなルイズ君は初めて見たわ。

 

「・・・・すごい漢じゃ。」

 

 等とどこぞの不破流忍術の師範のようなセリフを呟いた。

 

 そしてオスマンはレビテーションで、棚の中からワインとグラスを取り出し、そのままコルクを抜きワインを注いだ、地味だが並のメイジには出来ない芸当だ。

 

「どれ、異例の使い魔契約を祝して、乾杯といこうかの」

 

 それを聞いたルイズはぱあっと明るい笑顔を浮かべた。先程の契約で酷く疲れたらしい。

 

「是非頂きます!」

 

 三人はグラスを向き合わせ、オスマンが乾杯の音頭を取る

 

「この新たな使い魔とその主に始祖ブリミルの御加護があらんことを、乾杯!」

 

「「乾杯!」」

 

 グラスを合わせ三人は一気にワインを飲み干した。

 

「お、そうじゃそうじゃ」

 

 オスマンは使い魔契約に必要なある物を思い出した。

 

「まあ、いくらコントラクト・サーヴァントをせんといってもルーンが無いと使い魔として何かと面倒じゃろ、私が代わりのルーンを印してやろう。」

 

「それって消えるんですか?」

 

 サイトの率直な疑問にオスマンは笑顔で答える

 

「勿論じゃ!消えるというよりおぬしの意志で付けたり剥がしたりできる。安心せい」

 

 そういうとオスマンは呪文を唱えサイトの左手にルーンを張った。

 

 そのルーンをまじまじと見ながらルイズが質問する。

 

「どういう意味のルーンなんですか?」

 

 その質問にオスマンは力強く答える。

 

「古代ルーン文字で狩人・・・ハンターじゃ!」

 

 かくしてここに一人の使い魔(?)が誕生したわけだがルイズはサイトに圧倒され最も言及すべき条件を見逃していた『行動の自由』という条件を・・・

 

 

 一方その頃…

 

 

 

「遅いですなあ…あの二人」

 

「そうですね…詰みです」

 

「ぬおぉぉぉっ!また負けたあぁぁぁっ!」

 

 すっかり待ち惚けを食わされていたコルベールとロングビル

 二人はコルベールの研究室で東方からもたらされた軍儀というボードゲームに興じていた。

 

 コルベール、現在20連敗

 




なんだか無駄に長くなってしまいました。

なぜいきなりロケランの人の話を入れたか、なぜあのような契約なのかというと、HUNTER×HUNTERの住人なので納得のいく説明がどうしても入れたかったから、契約に関してはサイトは念能力者なので、ああいう儀式は絶対受けないだろうと思ったからです。
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