鋼線使いの武偵 作:鋼線使い
あかり side
先輩の力で空に投げられた後、お…おひ…お姫…様…だだ…抱っこされちゃった……。
近くで詩蓮先輩の顔をちゃんと見るのは初めてかも……。
中性的で、英国紳士若しくは執事の様な人。外見はそう見えるけど口と行動が合ってない感じがして……ワイルドって言うのかな?
──というか、い、今のあたしって先輩にお姫様だっこされてるんだった!
うぅ……段々恥ずかしくなってきた。
そう言えば詩蓮先輩、
「合…格?」
「おう、合格だ。おめでとさん」
本当に合格したんだ。
でも攻撃は止められたのにどうして?
「あの、どうして……?」
「うん?ああ、やっぱ気づいてなかったのか。お前の最後の攻撃覚えてるか?あの攻撃は確かに止めた。その止め方を思い出してみろ」
えーっと、確か……右──鳶穿──は手首を掴まれて、左は、受け止められた……ハズだけど。
それが合格とどう関係してるんだろう?
「その顔は解ってない顔だな。俺は攻撃を当てろって言った、そんでお前の左手を俺は受け止めた。ダメージは無くとも攻撃を受けた……つまり、攻撃が当たったと俺は判断した。故に試験は合格とした」
そう言った詩蓮先輩の顔がやさしく微笑んでいた。
ややや、ヤバイ!?ヤバイよ、破壊力が!ポーカーフェイスだった感じで、はっきり言って無愛想だったのに、今はスゴいやさしい顔であたしの事を見つめてる!?
詩蓮先輩ってイケメンの部類に入るのに、今のこんな状況を誰かに見られたら誤解されちゃう!
────pipipipi……。
……?タイマーの音?
ふと、タイマーの音がなる方を壊れた機械の様に首を動かして見てみたら……。
タイマーを持ったまま赤面して固まっているライカと、赤面しながらも目を細めてる志乃ちゃんがそこに立っていた。
その後、詩蓮先輩は
ライカと志乃ちゃんを再起動させるのに時間がかかったのと合格した事とお姫様だっこの事を説明したが自分が何を言ったかよく覚えてない。
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詩蓮 side
教務科で
『ハイ、コレデ戦兄妹ノ登録ハ、終ワッタワ』
「では、自分はこれで……」
姿が見えない先生に挨拶して寮に帰ろうとしたら……。
『アァ、チョット待ッテ絲髪チャン。今チャント銃ト刀剣持ッテルワヨネ?』
「持ってますが、どーしたんですか?いつもなら確認してませんけど……」
まぁ、確認したいだろうな。俺は、義務付けされている銃刀所持しない時があるからな。
去年、抜き打ちのチェックがある時に限って、寮に銃とナイフ忘れたからな。
Sランクになれるのに校則破ってるからAランクのままになっているのが真相だ。
『少シキナ臭イ事ヲ聞イタノ、コノ前武偵殺シガ捕マッタッテ話、知ッテルワヨネ?』
「それはもちろん知ってますよ。ニュースで連日報道してましたから」
『コレハマダ出回ッテイナイ、アタシノ知人カラ聞イタ情報ナンダケドネ。ドウヤラ捕マッタ犯人ハ冤罪ラシイノヨ』
「……信憑性は高いと?根拠はあるのですか?」
『エエ、アルワ。政府ガ動イタ事ト、未ダニ名前ヲ公開シナイノモ根拠ニハ十分ヨ。武偵殺シガ健在ナラ狙ワレルノハ優秀ナ武偵。ツマリ素行不良デモ優秀ナ絲髪チャンモターゲットニナッテルカモシレナイカラチャント装備ハシテオクヨウニネ。話ハ以上ヨ、
教務科を出て色々と情報の整理をする。
そこいらの関係各所には、知れ渡るよな。
でもおかしいな捕まったのは神崎・H・アリアの母親のハズ……。冤罪だと思われているのに報道の一つもない。
規制されている?政府の役人が?何のため?物?情報?両方とも。
ホームズ四世の母親……
ブゥー、ブゥー。
非通知……ってことは、教授め推理していたな。
「もしもし」
『やぁ、そっちは今こんばんはの時間かな?』
「趣味が悪いな、教授」
『そうかい?
ホント、いったい何処まで推理しているんだか。
「で?あんたの曾孫の母親は、緋色の研究、つまりは緋緋色金の事を知っていると……あんたの差し金か?」
『シレンくんそれは暴論というのだよ』
「強ち間違えてもねーだろ、ヤクチュウ」
『……出来ればそれは止めてくれないかな』
若気の至りか知らんがヤクチュウだったのは事実だろ?自業自得だろ。打たれ強いのか打たれ弱いのかよく分からんヤツだ。
スゴいのは認める。
俺でも勝ってないし負けてもない。勝負をあやふやにされたからな。もう少し長引いていたら負けていただろうな、俺が。
「わーったよ、教授。用はそんだけか?」
『そうだ、君は好きな女の子はいないのかい?あまり関心がないことは知っているけどね。気になる子の一人や二人──』
「全然考えたことないよ」
『──まぁ、そう言うと推理していたけどね。覚えておくといい、シレンくん。女の子の恋心を甘く見ない方がいい…私の条理予知ですら女の子の恋心は推理出来ても理解出来ない程難解であると』
そー言えば教授って女性を百パー信用はしてなかったんだっけ?世界一の名探偵でも解らないものか……。
「頭の隅に追いやられるでしょうが覚えておきましょう。で、これで終わり?」
『ハハハ、まさか、これからのが本命だよ。シレンくん、──序曲が始まるよ』
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教授との会話が終わり寮に戻る。
序曲、イ・ウーが一人の男によって終わりを迎える。
あの教授の事だ、本当にそうなるのだろう。
ま、俺のやることは変わらない。
持ってる技術を更に研鑽して強くなる。
あの
けど、それと同時に小さい雛鳥を育てないとな。